⑦GD・GW ― 大事なのは「みんなで」「協力して」やること
「役割の取り合い」というデマ
GD(グループディスカッション)・GW(グループワーク)対策の話になるときによく言われるのが「役割の奪い合い」というワードです。
議論を行うグループ内で「司会進行役」「書記役」「タイムキーパー」などの役割を得ることで、議論中での自分の仕事を確保した者が選考を通過でき、そうでないものは議論に貢献できず落ちるという意味合いでよく使われます。
しかし実体験として、このような役割を得られるか否かが合否に直結したというわけではなさそうでした。確かに自分の役割が決まっていると動きやすいことは確かですが、役割を持っていても落ちるときは落ちますし、役割がなくても発言したりアイディア出しをちゃんとしていれば受かります。
まともな「共同作業」ができるか
ではGD・GWでの合否の境目はどこにあるのでしょうか。
私は「そのグループの議論に必要なものを把握し自分から補いにいけるか」だと思います。
議論の全体の流れを把握し、向かうべき結論を察したうえで、それに合った意見を場に提供したり、話がそれたと思ったら早めに軌道修正をするといった動きをすることが求められています。せっかく発言したり役割を受け持ったとしても、話の腰を折ったり、本筋からそれた話をしてしまっては元も子もありません。
また人任せにせず、「自分から動く」というのも大事な要素です。議論が何の滞りもなくトントン拍子に進んだとしても、そこに自分の功績が少なからずなければ「実績を残すためにいてもいなくてもいい人」と判断されてしまってもおかしくありません。
方法論を知って練習しよう
GD・GWは面接やESと違って他の学生がいないと練習することが難しいです。そのため実践を想定した練習をするためには他の学生を集める必要があります。
自分で呼びかけて集めても良いですが、集まるのはたいてい友人になり、あまり緊張感のない練習になると思われます。しかし選考本番は初対面の学生と議論をするため、気心の知れた友人とは違う緊張感や気遣いなどが必要になります。
そこで役立つのが大学キャリアセンターなどが主催する練習会です。
学内ではありますが学部を超えた同じ目的意識を持った学生が集まるため、よほど学内で顔の広くない人でない限り初対面の学生と顔を合わせ、実践的な練習をすることができます。
また外部の就活支援団体でも同様にGD・GW対策会を主催している場合もあります。この場合学外から様々なレベルの学生が集まるため、より本番に近い環境で練習をすることができます。また当日その練習の様子を複数の企業の人事担当から見られ、評価された場合はその企業から選考や説明会への招待がくる場合もあります。
実際に私が参加した「出会いの場」というサービスを紹介します。
学内での練習会は学内のため行きやすく精神的にも楽ですし、学生のレベルも自分とほぼ同じのため議論しやすいという利点があります。一方外部の練習会は学生のレベルにバラツキがあり、場合によっては人事の目があるためより実践的な練習になるという利点があります。
いずれにせよ、本番を想定した実践練習は選考を受ける前にしておくことをおすすめします。