⑧一次面接 ― 聞かれることはES+α、何も怖くない
一次面接のポイント
一次面接に見られている主なポイントは「まともな受け答えができるか」です。
「面接」と聞いて苦手意識を持たれる方も多いのですが(私もその一人でした)、質問内容は学生が答えやすくESにも書いていることが多い「自分についての質問」、とりわけ「ガクチカ」や「自己PR」にとどまることが多く、志望動機などを聞かれることは少ないので、喋る内容としてはむしろ対策しやすいです。ESに書いてある内容をきちんと話せばそれでOKです。
緊張をほぐすために、最初の質問で自己紹介を求められたり「最近のマイブーム」といったどうでもいい(本筋に関係のない)ことを聞かれたりすることもあります。
答える内容は論理的な筋さえ通っていればどうでもよいのです。それよりも、「はっきり喋っているか」「相手の目を見て喋っているか」「(集団であれば)周りの人を気遣えているか」などの人間としての振る舞いを見られていると考えるといいでしょう。
準備段階のコツ4つ
1,ベタ問は答えを考えておく
余裕のある振る舞いは余裕のある準備から来ます。
ガクチカ、自己PRなどのよく聞かれる質問に対する答えは事前に考えておきましょう。志望動機は聞かれることは少ないですが、聞かれてもおかしくはないので考えておきましょう。
またESに書いた(事後提出ならこれから書いて出す予定の)内容と整合性をとっておいたほうが採用側から人物像を把握されやすいので有利になります。
2,本番想定で話す練習をする(答えを口に出す練習)
面接は内容を正確に伝えるよりも、その喋り方や挙動で合否が分かれます。いくら完璧な内容を正確に覚えていても本番で無愛想では意味がありません。また内容を覚えているつもりでもいざ口に出してみようと思うと緊張してうまく喋れなくなることもよくあります。
そのため本番を想定し、伝えたい内容を口に出して相手に伝える練習をしておくことが重要です。友人同士で練習をしても良いですし、大学キャリアセンターや外部団体主催の面接練習会に参加してフィードバックをもらうと良いでしょう。
また早期選考をやっている会社や人材系の会社は面接後に学生にフィードバックをしてくれるところもあります。本番で評価を出す方から直々にフィードバックをもらえる貴重な機会なので、フィードバック狙いで選考に参加してみる価値はあると思います。
3,その企業のその面接でアピールしたいことをピックアップしておく
対策する時間や労力に余裕があれば、その会社のことについて企業研究し、その会社の求める人材に自分がマッチしていることをアピールしていくと良いと思います。結局企業の選考の最大の目的は「自社に合った人材を採用すること」なので、その点をアピールすることが「受かるための対策」としては最強のものになります。
ただしそれは事前準備や本番できっちりパフォーマンスが出せることが前提です。いくらアピールをしてもそういった基本的なところができていない人間は一次面接で落とされます。企業としても一次面接は人柄やこれから企業で働く人間として大事なところができているかどうかを見定める面接として位置づけているところが多いので、その点を第一に考えてほしいと思います。
4,逆質問を用意する
面接の最後にほぼ必ず「なにか質問はありますか?」と聞かれることがあります。これは通称「逆質問」といって、学生が企業にどれくらい興味を持っているか、どんなことに興味を持っているかをはかる質問です。そのため「ありません」と答えるのは最悪手です。
そのため各面接前に2~3問準備した上で臨みましょう。企業について調べるなかで疑問をもったときにメモしておくと効率が良いです。
面接官は現場の管理職であることが多いので、仕事内容などに関する質問が良いでしょう。これによって「この会社に入ったあとの具体的なことも考えているんだな」という印象をつけることができます。
なお「あと何回面接がありますか?」などといった選考までの質問は人事担当者のほうが詳しいので、面接官には聞かないほうが良いでしょう。
本番でのコツ5つ
いよいよ面接本番、面接官の前で意識すべきことを挙げます。
なおこの内容は一次面接に限らずすべての面接に使えますので、マスターしましょう。
1,ゆっくり、はっきりしゃべる
面接で相手にしゃべる際に最も気をつけなければならないのは「ゆっくり、はっきり」しゃべることです。「面接」というシチュエーションはどうしても慣れないため緊張します。そのため早口になったりゴモゴモと口ごもってしまいがちになります。
練習の段階から、言いたいことをゆっくりと、はっきり発音することを心がけましょう。意識さえすれば誰にでもできます。これだけで印象がよくなるだけでなく、自分も落ち着くことができます。
2,回答は基本的に「結論→根拠→結論」の構成
回答は結論から話しましょう。結論から話すことによって、その後の話が理解しやすくなります。一問一答のイメージで、聞かれたことに対してまずはズバリと答えましょう。それからその答えに至った経緯や根拠、エピソードなどを話し、最後に結論をもう一度述べましょう。最後の結論は最初の結論と同じでも構いませんが、根拠部分を受けて一歩踏みこんだものだとなお良いです。
なおこの回答構成はESでも有効です。
3,相手の質問の意図を把握して答える
質問の意図(=聞かれていること)に合わない受け答えをしていると、「人の話を正確に聞くことができない」という判断がなされることがあります。実際に私が受けた某社のフィードバックにおいてこの点を指摘されました。
一度聞いて何を答えればよいかわからなくなった場合は、「もう一度お聞きしてよろしいですか?」と聞き返しても失礼にはならないそうなので、ガンガン聞き返して正確に答えましょう。
4,面接官の話の聞き方
面接官に良い印象を持ってもらうために以下の3点を実践しましょう。
実践練習の段階から意識して、習慣づけるようにしましょう。
- 面接官の目を見て聞き、話す
- いつでも微笑みを保つ(口角をやや上げる)
- 適度に相槌をうつ