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日常と並走するカメラ、富士フイルムX-E4レビュー(作例あり)

X-E4を発売日初日から使いだして約1ヶ月、自分に馴染んで来たところでレビュー、というか個人的な感想を。ミニマルなデザインだけど持ちづらい、ボタンが少なく扱いづらいと賛否両論なモデルですが個人的にはとても待ち望んだ富士のカメラでした。

X-Eシリーズにチルトモニターが付いていたら全て解決していた問題

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FUJIFILIM X20

X20から4機種ほど富士フイルムXシリーズのコンパクト機を愛用してきて、自分の中で「富士機にはこの機能が必要」というものが収斂されてきました。それは「軍艦部がフラット」「x-trans cmosセンサー」「EVF」「レンズ交換式」そして「チルトモニター」。この5つの機能を同時に搭載した富士Xシリーズのカメラは実は今まで無かったのです。

それってX-Eシリーズにチルトモニターが付けば問題は全て解決だったのに、まさか4代目となるX-E4が登場するまで待たないといけないとは思ってもみませんでした。なのでリークでチルトモニター搭載情報が確定した時は本当に嬉しかったですね…長かった。おかげでX-E4、発売日に手に入れた初めてのカメラとなりました。

そんな経緯なのでミニマルなボディデザインや必要最低限の操作性などは正直あまり気にしていなくて。自分に必要な機能が入っているカメラがたまたまX-E4だったんです。

エブリデーカメラの衝撃

X-E4お披露目のX-SUMMIT GLOBAL 2021で富士の上野さんが仰っていたエブリデーカメラという言葉と説明に衝撃を受けました。「まるでブルーラグのエブリデーバイクだ」と。

自転車店ブルーラグが提唱するエブリデーバイクという自転車があります。これは「毎日の移動や買い物などを便利に、そして楽しくしてくれる少しユルくて快適な自転車」というコンセプトなんだそうですが、その実フレームやパーツなどは趣味性の高いものを使用するなど、非常に玄人的な側面のある自転車です。

X-E4のエブリデーカメラというコンセプトも毎日持ち歩いてストレスにならない可搬性や優れた画質、スタイリングなどで日常での生活に彩りを与えるものではあるけれど、商品の性格はどちらかというと玄人的なカメラです。この一致がなんとも面白い。

日常での使用と趣味性・玄人的な要素が組み合わさると魅力的なプロダクトが立ち現れるのがカメラも自転車も同じなのは非常に興味深い事だと感じます。

X-M1の隔世後継機としてのX-E4

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FUJIFILIM X-M1 + XF18mmF2 R

ここ2年ほどほぼ毎日持ち出していたX-M1。Xマウント機としては最初期のモデルですが、たまたま格安の中古を手に入れて使い潰すくらいの気持ちで使っていました。

X-M1はベイヤー機のX-A系に鞍替えされてしまった関係で後継機がありませんでしたが、ミニマルなx-trans cmos搭載のXマウント機というコンセプトはX-E4に隔世遺伝的に受け継がれているのかも知れません。価格帯ではややエントリー向けとなっている点や新旧XF27mmがキットレンズになっているのも両カメラの共通点です。

自分の日常に適したサイズ感という性能

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FUJIFILIM X-E4 + XF18mmF2 R / X-M1 + XF14mmF2.8 R

X-M1を使う中で、実はこのサイズ感と画作りのバランスはとても良いのものじゃないか?という気持ちが強くなってきたんですね。今まで何度か試みては失敗していた「毎日カメラを持ち歩く」をレンズ交換式で初めて達成したのですから。

この自分の日常に適したバランス感こそ富士のコンパクト機を使っている理由なんだなぁとX-M1を使い始めて再確認しましたね。そしてその延長線上にX-E4があると思うんです。

X-E4はクラスレスなカメラ

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FUJIFILIM X-E4 + XF18mmF2 R

レンズ交換式カメラは本来目的に合わせてボディとレンズを選択するもの。それってどちらかというと「ハレ」のプロダクトじゃないでしょうか。各社のカメララインナップの頂点であるプロ機がオリンピックに合わせて発表されるのはそれを象徴しているといえるでしょう。

しかし毎日使うカメラというコンセプトはこのヒエラルキーの外にあるものの様に感じています。エブリデーカメラを標榜するX-E4はクラスレスなカメラであり、「ケ」のカメラであると。X−E3より控えめなスタイリングとボタンを少なくしたミニマルな操作性は、エルゴノミックで多機能なカメララインナップのヒエラルキーに迎合しないともとれます。

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FUJIFILIM X-E4 + XF18mmF2 R / XF35mmF1.4 R

X-E4は日常で使用する趣味性の高いプロダクトという意味ではかなり良いところに着地しているのではないかと個人的には思っています。カメラが人に合わせるところ、人がカメラに合わせるところのバランスがすごく良いんですね。変にプロダクト側が過保護にならないのが新鮮。毎日使うものならこれぐらいの距離感の方が心地良いと感じます。

X-EシリーズについてはXシリーズコンセプトのピュアな体現者として、ラインナップの中でも脱ヒエラルキーのプロダクトとして今後の存続を切に願います。


FUJIFILM X-E4 + XF50mmF2 R WR 

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FUJIFILM X-E4 + XF35mmF1.4 R 

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FUJIFILM X-E4 + XF18mmF2 R

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FUJIFILM X-E4 + XF14mmF2.8 R

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FUJIFILM X-E4 + GIZMON Utulens APS

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X-E4で撮れる写真についてはX-M1から高精細、高画質になりましたが大まかな絵作りという意味ではあまり変わりがありません。むしろそこが安心できて良いなと感じています。このカメラについては本当に「毎日持ち歩いて撮ること」そのものに真価があると思います。


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