虫垂炎になった話。(前編)

笑えるようで、当の本人は死ぬほど苦しんだ話になりますので、「えぇ…マジか」くらいの感覚で読んで下さい笑


皆さんは「虫垂炎」と聞いてピンと来ますか?

何じゃそりゃと思った方も「盲腸」と言われたら何となく耳馴染みがあるのではないでしょうか。

虫垂炎というのは、小腸から大腸に移行する部分にある虫垂という部位が閉塞や捻れ等の原因で血流障害に陥り、炎症を起こす病気です。分かりやすいよう図を貼っておきます。

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高校2年の6月。

高校から帰宅して塾に行く支度をしていた時、何となく胃が気持ち悪くなりました。「何か悪い物食べたかな」と思いながらとりあえず胃薬を買って飲み、数日後に控えた定期テストの対策のため、私は塾に向かいました。

ですが塾で勉強しているうちにだんだん具合が悪くなってきて、体を起こして座っているのもキツいくらいに。さすがにこれは…と思いましたが、テストで点数を落とす訳にはいかないと、心配する先生には「大丈夫です」と押し切って脂汗を滲ませながら勉強しました。

塾が終わって帰宅すると少し症状が治まり、時々胃が痛いなと思うくらいになっていました。しかし、次の日に学校代表として大事な交流会に出席しないといけなかったので、もしも急に欠席したら迷惑がかかると思い夜中に先生に連絡を入れました。そして翌日、この時の自分に感謝する事態が起きます。


翌朝早く、猛烈な吐き気に目が覚めました。

なんじゃこりゃと思いトイレに駆け込んだ瞬間、出るものは何も無いのに胃がひっくり返るかほど嘔吐しました。

寝ていた母もさすがに驚いて駆けつけ、トイレで死にそうになっている私を発見します。めちゃくちゃ慌ててどこの病院に行くか考えた母は、まさかの発言をしました。

「今の時間に救急車呼んだら変な病院に運ばれるかもしれんからお願い、悪いけど〇〇病院開くまで気合いで我慢して!!」

ただいまの時刻、6時20分。

〇〇病院開院まで、あと1時間半。

時計を見た私は「マジで言ってんのかこの人」と思いました。この状態であと1時間半我慢とか殺す気かと言いたくなりましたが、確かに行きたくない病院に搬送される可能性があると考えたらそうするしかないと納得し、必死に1時間半ベッドで吐き気を我慢しました。ありゃ生き地獄でしたね。

そして母が車で〇〇病院に送るや否や、私は病院のトイレに駆け込みました。もう限界でしたね。そこからは意識が飛んで、気づいたら処置室のベッドに寝ていました。

後から聞いた話、なかなかトイレから出てこないと心配した母が中で気を失っている私を発見し、運ばれたらしいです。

そし検査の結果「急性虫垂炎」と診断されました。

まぁ当時の私、制吐剤と鎮痛剤で体調は少し回復していたのでそこまで事態を重く捉えておらず、母に持ってきてもらった古文の単語帳を片手に、先生に「4日後がテストなんですけど受けていいですよね」なーんて訊いちゃいます。

「うーん、それは無理かな。すぐ手術しないと」

…ん?

「ここ。虫垂が腸の裏まで回り込んでる」

…ん??

「早めに手術した方がいいね」

…ん???

頭真っ白、なんのこっちゃでした。

ただ炎症が起きてるくらいなら内服で対症療法する程度で済むこともある病気なのですが、私の場合かなりひどく、手術で取り除くしか手段がなかったんですね。いやぁ、手術と聞いておっかなびっくりでした。

「え、じゃあテスト受けられないの?」

心配すんのそこかい、と母も含めその場にいた全員にツッコまれました。でも勉強第一、成績第一で生活してきた当時の私には、テストがそれほど重要だったんです。

とまぁ、どうにかゴネてテストを受けられるよう先生に策を講じてみるのですが、結局手術を拒否するわけにもいかず、あれよあれよと2日後の入院が決まったのでした。


後編につづく。



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