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加点効率との向き合い方
過去3回に亘り、JYYF大会ルールにおけるトリックの加点を考察してきました。
ぶっちゃけこんな事ばかり気にしてヨーヨーやってると、大会を観るのも出るのもヨーヨーやるのもつまらなくなります。
これだけを考えている人はいないと思いますが、僕なりのこの考え方との向き合い方を考えたので、それについて今回はお話しようと思います。
今回の内容は、大会に出ている方からすると当たり前の話かもしれません。ただ、明文化することに意味もあると思ってます。
これは”JYYF”の大会ルール
前提として、ヨーヨーという自由なものを競技とするとき、誰もが納得して反論のないルールを制定することは不可能です。
競技としてより多くの人がある程度の納得出来るルールを制定するためには、どこかで評価の線引きをしなければなりません。
そんな中、現状で最も多くの人がある程度納得できるルールというのが、JYYF・IYYFの競技ルールだと思います。
ただ、このルールも現在のものになってから10年程度しか経っていません。つまり、まだまだ改善、発展の余地があるものだと思います。
なので、この技はもっと評価したほうがいい、この演技は何でこういう評価なんだという議論は活発にされるべきだと思います。
また、僕は今回のシリーズを通して一貫してこのルールを”公式ルール”と呼ぶのを避けてきました。先ほど書いた通り、このルールというのはあくまで”現状で最も多くの人がある程度納得できるルール”であって、正解ではないからです。
JYYF・IYYFの大会のA部門を優勝した人だけがチャンピオンを名乗ることが出来ますが、他にも沢山有志の大会があります。
このルール以外にも評価軸を変えたルールがあってもいいと思いますし、そういう大会があってもいいと思います。
なので、過激な表現をあえてするのであれば”JYYFが勝手に言ってるだけ”くらい割り切ってしまって良いと思ってます。
だからこそ、JYYF主催の大会に挑むのであれば真摯にルールと向き合って、勝ちにこだわるのはそれはそれで良いんではないでしょうか。
自分で自分を肯定しているような文でだいぶキショイ
”クリッカー大会”は避けられない
”クリッカー大会”というのは今話題のこの動画でミウラハジメ選手が言っていた言葉です。
この動画では、「フリースタイルを構成する1要素である技の難易度だけを評価するクリッカー点数の多さだけで順位が決まるのであれば音楽はいらなくなってしまう」という文脈で”クリッカー大会”という言葉が出てきます。
確かに技の難易度だけでいいなら、大昔の世界大会と一緒で技の数だけ数える大会でいいという意見はごもっともです。
ただこの意見は、技数が多い選手のフリースタイルは技数以外の要素が弱いという当人の認識が言葉の裏にある気がします。
出演されている方含めて多くの人が絶賛しているミヤザキトオル選手の今年のEJ決勝。例えば、大会にミヤザキトオル選手が10人居て、他の選手はいなくて、EJ決勝と同じクオリティのフリースタイルを全員披露した場合、どんなミヤザキ選手が優勝するでしょう。
JYYFの大会ルールでは、クリッカーの加点(TE)が青天井になっていて、他の評価項目であるコントロールやスペースユース(FE)は満点が決まっています。同じクオリティのフリースタイルを披露した場合を考えるので、FEは全員同じ点数だったとします。
そうすると、JYYFのルールで優勝するのは1個でも多くトリックを詰め込んだミヤザキ選手になります。
つまりミヤザキ選手が10人居る大会は、技数が最も多いミヤザキ選手が優勝する”クリッカー大会”になるわけです。
先ほど書いたように、JYYFの大会ルールではTEが青天井になっていて最終得点が相対評価で、FEは絶対評価である以上は、クリッカー大会になることを避けられません。
この動画の後半で触れられているように、ステージを歩くだけだったりでFEが高得点になる感じがするのは否めません。もっと要求レベルが上がってもいいと思っています。
それに、難しい技で音ハメするほうが評価が高くなってほしいという意見も納得できます。現在は記載がないのですが、過去のEZONEのルールでも難しい技で行っている音ハメだったりミュージックユースをより評価するというのがあったと記憶しています。
ただ、音楽と調和しているのであれば、誰よりも難しいことを誰よりも多く行っていて、クリッカー加点を一番多く取れている人が優勝すべきです。それはミウラ選手自身が証明していると思いますが、どうなんでしょう。
あと、ストリングヒットが多ければいいわけではないというのは、これまで考察してきましたが、もしEJの優勝者がレールもホリゾンタルもホップもラセレーションもやらないナンバ選手だったらどういう感想だったのか気になります。
ともかく、クリッカー大会という点は、JYYF主催の大会に出る以上は向き合わなければなりません。
世界チャンピオン≠好きなプレイ
最後になりますが、このことは誰もが心の底で思っていることだと思います。
別の記事でも書いていますが、世界チャンピオンが一番偉い、一番上手いわけでは当然ありません。ヨーヨーが上手いというのは1つのルールで決まるものではないです。
大会で好成績を残すことだけが正義ではないですから、推しを応援するなり、大会に出ていないプレイヤーで好きな選手を追うのもオツなんじゃないでしょうか。
最後に
ここまで全て読んでくれた方、ありがとうございます。
また、少しでも記事を読んでくれた方もありがとうございます。
大会のルールについて疑問を投げかける発信は時折見かけますが、肯定意見は見ないのでそういう意味も込めて今回のシリーズを書きました。
本当はこんなに大会ルールについて詳しく書くつもりはなかったのですが、名が知られていない僕が書くからにはちゃんと書かないとと思い、かなり考えて書ききりました。
おかげさまでルールへの解像度がより上がりました。
あと久しぶりに頭をフル回転したせいか、昨日から酷い頭痛でびっくりしてます。
今後は大会以外のことものんびり書いていくつもりですので、良ければそちらも引き続き読んでもらえると嬉しいです。