愛か復讐か2

もうひとつやり残していたことに俺は気づく。
それは幼なじみへの復讐。中学生のとき唯一の汚点。あいつさえ居なければ俺の人生はもっといいものになっていただろう。

やつの名前は飯野芳人。幼い頃から俺に嫉妬し、嫌がらせをしてくる。自分の思い通りにならないとすぐキレる死ぬほど面倒なやつ。

こいつが俺の行動ひとつひとつにいちゃもんをつけてくるのが非常に鬱陶しい。
歳を重ねるごとにこいつへのヘイトは溜まっていった。
タイムスリップできた今、こいつをどう料理しようか楽しみだ。

日付入り時計を見ると、今日は2013年の5月3日。ちょうどゴールデンウィークだ。
新しいクラスにも馴染め、彼女と別れた直後だ。
そして最初の後悔。俺を好いてくれた子に間もなく酷い態度をとってしまうときだ。
振り返るとかなり濃密な日常だった。

数日が経ち、その日がやってきた。
同じクラスの友達の旋川夕が「小木凛(同じクラスの女子)がお前のこと好きらしいよ」と言ってきた。
彼女は1.2年と同じクラスで、1年生のときの最後の席が隣で仲良くなった子だ。
誰かに恋愛感情で好かれたことがなかった私は、嬉しさよりも煩わしさが勝った。

しかし今回は好かれることは認識済み。俺は予想外の事が起きると何もかもが嫌になる。
逆に予想や心構えができていればそうならないので、夕に言われても動揺しなかった。
俺は素直に嬉しいと言った。
あまりにもすんなり受け入れるから夕はポカーンとしていた。

正直、自分でもすんなり受け入れすぎてびっくりした。
受け入れたのは良いものの、恋愛に関する悩みがある。
それは間もなく俺が片思いしてる隣の席の子へぞっこんしていくこと。
彼女の名前は森川みつは。背が高くて運動神経が良いものの、ちょっとおバカさんで愛嬌がある。とても可愛い。
ちょっと抜けたところがたまらなく好きな俺。普段は好きな子にはうまく喋れないのに、みつはだけは友達のように喋れる。

みつはへの愛は日に日に増してく。しかし困ったことに、みつはには彼氏がいる。
俺の幼稚園からの幼なじみの林勝也。
背が高い普通の男子だ。2人は付き合っているのに仲があまり良くないようだ。

表では応援してたが、内心は別れて欲しいと思っていたゲスだ。
そして1ヶ月が過ぎ、凛が告白してきた。
俺はみつはに片思いしていたので、ごめんねと断った。

告白を断ってしまった俺だが、酷い態度をとって告白されなかった過去より、告白されて断った方が美しい人生だと思った。

そして期末テストが終わり、間もなく夏休み。どことなく恋の予感がする。

続く

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