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シャルダンって何?
エステーのシャルダンと言えば、使ったことはなくても芳香剤だと分かる方は多いと思います。
エステーの「エス」は「Service(奉仕)」、「テー」は「Trust(信頼)」を意味し、またSTは「Super Top(最高峰の商品を目指す)」という意味もあるそうです。
ではシャルダンは何?
実はこれは、ロココ期の画家「ジャン・シメオン・シャルダン」から取られた商品名なのです。
どうやらエステーの創業者はシャルダンの絵が好きだったらしく、自分の会社の商品名に採用したのだそうです。
シャルダンはロココ期の画家ですが、ロココとはちょっと違う作風です。
皆さんロココっていうとどういうイメージでしょうか。
急に大金持ちになったおばさんが建てた家の内装、そう書いたら怒られるかな?(笑)
絵画においては、一言で言えば「お花畑」。
お花畑で貴族や妖精が遊んでいたり、ブランコに乗る貴族の娘のスカートの中を隠れて覗き見する男がいたりと、「夢の中」というか「馬鹿っぽい」というか、そんな感じなのです。
↑ 例)Fragonard "The Swing"
フランスでそういう絵画が流行っていた頃に、シャルダンは地味な静物画を描いていました。
でもしっかり出世し、王侯貴族からの注文が殺到し、ルーブル宮殿の中にアトリエ兼住居を持てたりしました。
シャルダンはオランダ絵画の影響を受けつつ、ロココに影響されずに静物画を完成させていき、静物画の巨匠と呼ばれ、多くの影響を残し、後の名画家からも尊敬される存在となるのです。
↑ Chardin "Trois pommes d'api, deux châtaignes, une écuelle et un gobelet d'argent, dit Le Gobelet d'argent"
『銀のゴブレットとりんご(銀のゴブレット)(アピ、栗、小鉢と銀のゴブレット)』という長いタイトルが付けられていますが、非常にリアルで品のある作品です。
何年か前に三菱一号館美術館でシャルダン展がありました。
私は行けませんでしたが、三菱一号館美術館は「どんなビッグネームにも引けを取らない」と、自信満々です。
エステーの創業者はおそらく、真面目な方だったのではないですか。
部屋に置く芳香剤として、シャルダンの静物画のように上品で落ち着いていて邪魔をしないような製品を考えていたのかなぁと、勝手に想像してしまいます。
私もこの絵なら、部屋に飾りたいですもん。
シャルダン、覚えておいてほしい画家です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。