UFOを嗜む
「私はUFOが好きです」
と聞いて、どう感じますか?
「この人、電波系?」
「近寄らないほうがいいかも」
「カップ焼きそばは高カロリーだからなぁ」
とかでしょうか(笑)。
今回のお話は、空を飛ぶUFO。
別に「UFOを呼びます」とか「UFOに乗ったことがあります」とか言い出すわけじゃなくてですね。
私の場合は、UFOを扱った本とか番組とか、UFOに関わっている人達が面白くて好きだってことです。
子供の頃から不思議話が好きで、ネッシーとか雪男とかUFOの話を読んだり聞いたりするとワクワクしたものです。
特にUFOは好きでしたね、不思議さのレベルが違いますし。
大人になってバブルになって、日テレで年に二回放送されるUFO特番は大好きでした。
ご存知矢追純一が作っていた番組で、放送に合わせて本も出ていて、これがまた面白かったのです。
でも別に、UFOを見たことがあるとか、UFOは宇宙人の乗り物で実在するとか、米軍が密かにUFOを作っているとか、そういうことを信じているわけではありません。
大体、UFOが宇宙人の乗り物だとしたら、それはもう未確認ではないので「UFO」ではなくなってしまうじゃないですか(笑)。
UFO好きをずっとやっていると分かってくるのは、UFOに関する話のほとんどは眉唾だってことです。
だから最初っから「UFOの話はバカバカしい」として無視する人は正解。
たぶんUFOが好きな人の多くは、その眉唾ものの話の危うさが面白いと思っているのですよ。
矢追さんの番組が凄かったのは、ドキュメンタリー・タッチでとんでもない話を二時間やっていたことです。
ヒトラーやナチスの幹部は南極大陸で今でも生きていて、UFOを製造して飛ばしているとか、平気でやっちゃうのですから。
それにしてもあの番組、よく作り込まれていました。
UFOや宇宙人の目撃談というのは多数ありますけど、これもメチャクチャなものばかりです。
ある人が朝工場へ出勤したら、流しのところに宇宙人が立っていて、片手の人差し指を鼻に当てていたとか。
なにそれ!?(笑)
ある本には、地球に来ている宇宙人の「星別挨拶の言葉」が載っていましたし。
「UFOの写真を撮った」「宇宙人とコンタクトした」という人のことを徹底的に調査すると、結局はインチキと分かってしまうわけですけど、それでも「本当だ」と言い続ける人の心理ってどうなのでしょうねぇ。
その人の家のガレージから撮影に使ったUFOの模型が発見されてもまだ認めないのは、引っ込みがつかなくなっただけなのか、もっと深い何かがあるのか。
ただ、UFOの写真やビデオは結構売れるのだそうで、やっぱお金なのでしょうか。
矢追純一は日テレでUFO特番を当ててその後フリーになりましたが、日テレ時代に作ったビデオや画像は使うことができなくなって、その後彼が出したビデオや写真集はかなりしょぼかったです。
既にインチキと判明しているビデオや画像の権利を買ってきて流用するだけで、UFO特番みたいに作り込まれていないので、私も当時はガッカリしました。
彼にはまた、予算をたっぷりと使ったぶっ飛んだ番組を作って頂きたいと思います。
あと、日本では昭和の中頃にUFOブームがありまして。
当時はかなり本気で信じられていたそうで、SF作家がUFOサークルを作って研究したりもしていたようです。
その当時のことを書いた本が盗作でニュースになったことがありましたけど、それをキッカケにこれまでに彼の書いたものが検証されてデタラメなのがバレてしまって、その後どうしているのやら。
こういう、UFOそのものよりも周辺が面白いのです。
こういう本とか番組は、景気のいい時期には沢山出てくるのですけど、景気が悪くなると減るんですよね。
心の余裕の問題でしょうか。
ただ近年気になっているのは、テレビでUFOを扱うときに、CG合成だと分かっていたり、インチキだと判明済の映像をさも本物のようにすることが増えていることです。
それで観客の驚く声を重ねて盛り上げるんですよね。
おそらく作り手は本物じゃないと分かった上で、どうせ問題にはならないだろうと流しているのでしょう。
私はそういうのは嫌いなんですよ。
「米政府は宇宙人と密約を交わしてる!」とかの、ぶっ飛んだ嘘は楽しいじゃないですか。
見ているほうも本当だとは思っていないわけだし。
そうじゃなくて視聴者を騙そうとする姿勢は嫌ですね。
あとは「UFO=宇宙人の乗り物」という考えで凝り固まった人というのも嫌いで、それは単に可能性の一つであって、宇宙開発が盛んな時代だからこその解釈だと言えます。
その加減が難しいところで、矢追さんの番組でも「UFO=宇宙人の乗り物」ですけど、矢追さんがそう信じて作っているわけではないから面白いのです。
(実際にインタビューにおいて「UFOは実在するか? という問題はどうでもいい」と発言しています)
折角面白いUFOを、もっと楽しまないともったいないですよ。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。