救急科専門医試験2024から学ぶテキスト読み込み術

過去問の直接の転載などは禁止されました(https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240125.pdf)

なので、本ページでは、著作権侵害にならないように、
「2024年の問題から学べるものを」
「独自の視点で」
「学会指定テキストに沿ったり」
「ガイドラインや文献をもとに」
「一般知識でまとめたもの」
を提供します。

著作権侵害にならないようにとは?

*会員限定ではありますが「特定多数」に公表されていることを前提

*本ページでは「核心部分」に触れていない

→「核心」の判断基準
著作権法における「核心部分」とは、その著作物の本質的な価値を成す重要な部分を指します。過去問解説において、以下のような行為は核心部分に触れる可能性があります:

1. 問題文や選択肢をそのまま引用または再現

  • 問題文や選択肢を全文掲載し、それを解説する行為。

  • これは問題自体が持つ創作的な表現をそのまま再利用するため、著作権侵害となる可能性があります。

2. 過去問の構成や問題設定の再現

  • 例えば、問題のシナリオや構成が独自の創作性を持っている場合、それを解説で再現することは「核心に触れる」と判断される可能性があります。

3. 回答解説が元の意図や本質を反映している場合

  • 過去問の解答そのものが元の著作物の価値を成している場合、その意図や結論を詳細に解説することも、核心部分の利用と見なされることがあります。

3の項目が「解説」に触れるのでは?となりますが、一般に知られる知識で、「問題特有の表現」を用いない限りは良さそうです。ただ、説明が選択肢の表現に触れる場合にはその問題に触れていませんのでご了承ください。

ということで、以下に具体例を挙げます。ページ数は「救急診療指針第6版」のものを指しています。

胸腔ドレーン p.929

準備:

  • 成人気胸-16〜24Fr、成人血胸-28〜36Fr

  • 挿入部位は4-5肋間、切開部位は5-6肋間

挿入:

  • 20mmの皮膚切開

  • 内套針をつけたままの挿入は推奨されない

固定:

  • 3-0以上の太さの絹糸かナイロン糸

管理:

  • -5〜-15cmH2Oで吸引

抜去:

  • 気胸-水封にして24時間みてXpで再発がないことを確認して抜去

  • 血胸-廃液量が減少100-300ml/d未満で抜去

熱中症 p.772

*ガイドラインが2024年に改訂されました。(https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf

)
従来のⅢ度までの分類に加えて、「Ⅳ度」が生まれました。

Ⅳ度:深部体温が40度以上かつGCS8点以下
*Bouchama基準の重症
*表面体温が40度以上で、というのはqⅣ度

Ⅳ度の患者を同定しactive coolingを含めた集学的治療を推奨する
目標体温を38度にすることを弱く推奨する
解熱薬を使用しないことを弱く推奨する

推奨があったのはこれくらいで、他にも様々なCQの設定がありましたが今後の研究に期待となっています。

低体温 p.779

「Hypothermia study 2018 and 2019」
Accidental hypothermia: characteristics, outcomes, and prognostic factors—A nationwide observational study in Japan (Hypothermia study 2018 and 2019) - Takauji - 2021 - Acute Medicine & Surgery - Wiley Online Library

研究方法
体温35℃以下の18歳以上の患者を対象としたHypothermia study 2018および2019は、日本全国87施設および89施設で実施された多施設登録で、それぞれ2018年12月~2019年2月および2019年12月~2020年2月にデータを収集した。

登録結果
合計1363例の患者が登録され、そのうち1194例が本研究で解析された。
年齢中央値(四分位範囲)は79歳(68~87歳)、救急部での体温中央値(四分位範囲)は30.8℃(28.4~33.6℃)であった。
AH患者の43%が軽症、35.2%が中等症、21.9%が重症であった。
AHは73.4%の患者が屋内で発症し、49.3%の患者が急性疾患が原因であった。
合計101例(8.5%)の患者が病院到着時に心肺停止に陥った。
全体の30日死亡率は24.5%、集中治療室滞在日数の中央値(四分位範囲)は4日(2~7日)、入院日数の中央値(四分位範囲)は13日(4~27日)であった。
多変量ロジスティック解析では、予後因子は年齢(75歳以上)、男性、日常生活動作(全介助が必要)、AHの原因(外傷、アルコール)、グラスゴー・コーマ・スケール・スコア、カリウム値(>5.5mEq/L)であった。

AHの死亡率は24.5%であった。

上記のように進めていきます。別記事も参考にして試験勉強に活用してください。(ただスコアを付けるだけだったり、簡単なものは省略しているので7割くらいのカバー率です)


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