設計は、ひとりの設計者の責任において行う。
■10分読書の備忘録vol.44
■出会った本:建築は詩 〜建築家・吉村順三のことば一〇〇〜
(永橋 爲成、 吉村順三建築展実行委員会 編集)
■引用箇所
建築設計の仕事は大勢の人々のもとに終始一貫、
ひとりの設計者の責任においておこなうことが正しいと、
私は信じている。
ことに、宮殿といったような、
芸術的性格をもっとも必要とする建物においては、
この原則は必ず守られなければならないと思う。
なぜならば、
宮殿は、真の創作でなければならず、
またすべての創作は、これを創造するものが、
一貫した誠意と熱情をかたむけて、
最後まで仕事をすすめていかなければならないからである。
■所感
チームでの動きを考えるうえで、
これが要諦だと思った。
設計を担うのはリーダーの仕事である。
そのベクトルが周りの人たちに伝わり、心を動かす。
だから、
設計は数名のベクトルの平均値では意味をなさない。
なぜか?というとおそらく、
混ぜ合わせることによりベクトルがシンプルでなくなり
力や勢いを失うという現象が起きるからではないだろうか。
各々の居場所での「設計」とは、
目的に通じているベクトルを形にしたもの。