動きを促す動き?
体を動かすときにリズムをとるために、腕から動かす人。
首や腰から動き始める人。
こういう動きを促す動きを「調子をとる」と表現します。
こうした動きは単純な動作の時ほど顕著に表れます。
当所で行う屈伸運動を行っているときにも多くの方にみられます。
屈伸運動は純粋に脚だけで行っていただきたい運動なのですが、腰から動かす『腰調子』が一番多いでしょうか。
次いで『腕調子』、『首調子』、『頭調子』の順だと思います。
皆さん、人生のどこかの時点でこうした調子をとる動きを習慣化してしまったのだと思います。
しかし、この調子をとる動作は体によくありません。
それは、人間の動きはなるべく筋肉に負担をかけない省エネ運動で長く行うことが理想なのです。
これは筋肉をさぼらせるという意味ではなく、合理的に体を使いたいという事です。
特に『腰調子』の習慣がある人は、例えば重いものを持ち上げる時には脚の筋肉で持ち上げたいのに、腰を使う習慣があるので腰で持ち上げて、腰を痛めるケースが多いのです。
『首調子』の方などは、有名なロックバンドの方がヘッドバンという首を前後に激しく振る動作で首を痛めたのと同様に、首を痛めることが多いのです。
太極拳では、体を動かすという命令から、どの部位からその動きはスタートして筋肉をなるべく使わないように意識をして練習をしました。
例えば、前に進むという命令に対して、足の裏が緩み、足首が緩み、脛が少し前に傾き、膝が緩み、股関節が緩むというような動きの順番に、拙力(節理木)という無駄な筋肉の緊張がないか、緊張したら緩めるという修正をしなが動きの練習をするのです。
太極拳の練習がものすごくゆっくりなのは、こうした体の動き方を正確に行うために必要なのです。
したがって当所での運動もはじめはゆっくりと正確に行うように指導させていただいています。
一度、こうした『調子』を習慣化してしまうと抜くのが大変ですし、すでにそうした癖がある方は、運動を通して日常生活でもそのくせを使わないように習慣化させる必要があるのです。
体の習慣も改められる磯谷式力学療法ベースの整体院