バイキングどこ行った?
[スウェーデンにて]
バイキングどこ行った?
【2023年夏休みの自由研究】
海賊として名高いバイキングについて、その一大拠点だったスウェーデンの人達に聞いてみた。
そのまとめと考察。
まずバイキングカルチャーはほとんど失われている。500年くらいまでは残っていたが、当時の支配層が昔のバイキング時代の原始的な宗教感やカトリックを一掃して、今はそれらの名残がほとんどなくなっているとのこと。
〈バイキングについて〉もう少し深掘り
12-14世紀にかけて北欧を席巻した海賊という史実。角をはやされて描かれる怖い存在は、大体ほんとは良いやつ。日本での鬼も、自然界の精霊や、その自然界の多様性をバックグラウンドにした古の民だったり、当時の為政者に従わない集団なことが多いように。
バイキングが暴力と略奪の民だと言うのは一面的で、元は商売と漁業を生業とし、海の要塞を抱えた「守りの島人」がリアルな姿だったのではないか。そう考えると一時代の日本人とも似ている。
ただ、そのバイキング達の精霊信仰的な宗教観はキリスト教徒達の布教や経済的侵攻と真正面から対立したことも想像に難くない。最初は交渉、途中は商売で、最後は戦闘で対抗したはずで、結果としてバイキングは負け、逃げ、その文化の大半は失われていった。
時代は少し前後するけれど、倭寇(13世紀〜16世紀)の台頭とバイキングの離散は薄くでも関係がありそう。海の民同士の情報連携は進んでいたはずだから、古代から大陸側から海を渡った亡命民がいた様に、北欧からの亡命もあった🦆
日本の海賊「倭寇」についても、対馬・壱岐の海賊とされる家系の末裔が「侵略者の高麗に報復するのは当たり前で、心構えとしてはさらさら海賊行為ではなかった」と記しているとか。
基本精神は「守りの島人」。
バイキングが一旦歴史から消えていなくなったのは、墨家が中国から消えていなくなったのと似て、滅ぼされたというよりは限界を感じて他のエリアに移動したと考える方が自然だと思いました。
守りに強い民は、逃げるルートの確保も巧み。そのいくつかの先の中に、負ける、逃げる、和する島国があった。海のゾミア(民族的避難所)としての日本の島。
ここは〈日本的霊性の下敷き〉と接続☟
精霊信仰や海を信仰対象としたバイキング達ならば、日本の自然信仰、祖先崇拝、多神教の世界にもスッと馴染んだことだろうとも思います。
そして多神教は今のスウェーデンや北欧諸国にどう残っているのか。精霊信仰や昔話、現代の行事やお祭りにその名残りがあるのではないか。そこまでは探れない夏休みの宿題でした。
〈参考〉
バイキングの戦い方はまさに海の墨家 → https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/030900088/