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「劇作家」になった日 Part2
「戯曲デジタルアーカイブ上演申請フォームに上演希望の問い合わせがありました。」
24年2月.5月。何度見ても嬉しいメール。
まさか、2作目も上演依頼をいただけるとは?!!
ある日、息子に完全拒否され、ショックすぎて大泣き。
そのまま、翌日、1日こもって書いた20分の作品。
以前から絵本にしようか、NOTEに書こうか。4コマ漫画か?
と、あれこれ考えてはいたけれど、形にしてはいなかった。
箱になった息子に話しかける親の話。
それを
大事な人に拒否されて、嘆き、悲しみ、怒り、自分を見つめて立ち上がる。
そんな普遍的な話に仕立てたかった。再生の話。
泣きながら書き上げて、そのまま誰にも見せずにアーカイブにアップ。
それを
茨城大学 演劇研究会
福知山高校 演劇部
10代の若者たちが上演してくれることになった。
茨城大学演劇研究会
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— 茨城大学演劇研究会 (@ibdienken) March 6, 2024
令和5年度第12回県北地区高等学校演劇部春季フェスティバルにゲストとして参加します✨
〈場所〉
多賀市民会館ホール
(茨城県日立市千石町2-4-20)
〈日時〉
3/24(日)13:10〜
〈上演脚本〉
『いまさらキスシーン』 作・中屋敷法仁
『ひきこもりのキミへ』 作・中村敏子#茨大演研 pic.twitter.com/vT8a0nyQ0K
なんと、人気作家、中屋敷さんと並んでのクレジット。
多賀市民会館ホールの大舞台で真ん中に箱。
客席側からは箱のなかで膝を抱えた子がみえる。
そういえば、箱の中に人を入れてもいいですか?
と、連絡があったんだった。
もちろん。解釈は自由にしてもらって構いません。
照明が中央を照らす中、熱演。
自分で書いた本に大泣きしてしまった。
終演後、演出、出演の三人と話をすることができた。
「話は、どうだった?」
「よかったです。」
「どんなところが?」
「あなたはあなたのままでいい。ってところです。」
三人とも大学1年生。
大学で初めて演劇部に入ったということだった。
堂々たる演技、演出。箱の中で手の演技もみごとだった。
「主役の女性は学生の設定のようだったけれど?」
「育てたのに。というセリフがあったので、肉親だと解釈しました。」
あああ。そうか。そんなセリフ書いてたんだ(-_-;)
どこが、普遍的何だか・・・。はんせい・・・・・・。
日立まで行って観覧させてもらって、本当によかった。
福知山高等学校
先生方にも大変お世話になりました。
学内の視聴覚室。
新入生顔見世公演。
先輩たちが全面的にバックアップ。
照明も手慣れたもの。
満席を前に20分。
1年生男子の堂々たる演技。
嘆き、悲しみ、怒りからの脱却。再生。
衣装も着替えながら、戯曲に忠実に音響も作ってくれていた。
「よかったよぉ」
演劇部の3年生が上気した面持ちで1年生に近寄っていく。
ああ。この場にいられることが嬉しい。
終演後。円になってのお話会。
「あの箱はなんだったんですか?」
と、2年生から質問。
「我が家にニートの息子がいまして(-_-;)
この気持ちは、みんなが大事な人に感じているものなんじゃないか。
と、思って、普遍的な話をめざしました。」
すると、
「終わったあとに観ていた生徒がいつもよりにぎやかでした。
あの箱はなんだったんだろう。って。
実は、我々もある日の帰り道、あの箱は結局なんだろう?
って同じ話をしてたんですよ。
普遍的な話になっていたと思います。」
と、先生。
わああああ。落涙しそうでした。
主役の1年生の感想も嬉しかった。
「自分は感情を出すことが苦手なので、泣いたり、怒ったり、沢山の感情を演技できて楽しかったです。」
彼の脚本にはびっしり書き込みがしてあった。
なんて、ありがたいんだろう。
もう、わたしだけの戯曲じゃなくなったんだ。
みんなの人生の隅っこに置いてもらえた感激。
『歴史の一隅に三面記事を創作する。これがドラマ造りの楽しさだ』
By ジャン・コクトー
ここまで大きな話ではないけれど。
わかるような気がしてきた・・。かな。
戯曲を目にとめていただき、本当にありがとございました。
書きあげることに挑戦して本当によかった。
茨城大学演劇研究会のみなさんは学祭が近いのでは?
福知山高校のみなさんは支部大会2位。すばらしい!
みなさんの日々が輝きに満ちたものであることを祈ってやみません。
(若い子によわい・・・・・)