架空請求かと思ったら間違い電話だった話
はじめに
こんにちは、かもなすです。
SMS詐欺、流行っていますよね。
出始めのころは謎の短縮URLだったので怪しさ満点でしたが、最近のSMS詐欺はドッペルゲンガードメインを使うなどして巧妙化しています。
ところで、見てくれ、こいつをどう思う?
どこからどう見ても架空請求じゃんね。これ。
みんなならどうする?
訴えられることに身に覚えのない善良な読者各位にあられては、このようなSMSが来た時、次の二択でどちらを選ばれますか?
① どう考えても詐欺なので無視する。
② 記載の電話番号にかけてみる。
まあ、普通に考えたら①ですね。②を選んだ人は(インターネットを使うのは)難しいと思うので、インターネットリテラシーを学びなおしましょう。
いくらなんでもしつこすぎる
しかし、最初のスクリーンショットのように、このSMS、毎日同じ番号から届きます。
通常、詐欺SMSは捨て番号であるケースが多いので、この時点でレアケースですよね。
と、言っても、今のところ考えられる可能性は2通りあります。
① マジのマジもん
② 超巧妙な詐欺
まあ、書面も送って来ないでSMSだけでコンタクトを取ってくる、と言う弁護士事務所は怪しすぎるので、普通に考えれば②だと思いますよね。
ググってみた
まあ、流石に気になるのでググってみたところ、記載されている弁護士事務所は実在するようです。
債権回収を得意としている弁護士事務所らしく、滞納界隈(なんだそれ)ではそれなりに有名らしいですね。
日弁連の弁護士検索でもヒットしたため、間違いないです。
やっぱ詐欺やんけ!
そして、弁護士法人の公式サイトを見たところ、「当弁護士事務所を騙るSMS詐欺にご注意ください」という記載が。
ほれ見たことか、やっぱり詐欺やんけ。
そう思っていたのですが、スクロールしていくとこんな記述が。
「当弁護士事務所からSMSでご連絡する際は、以下の番号を利用いたします」
どうやら、マジでSMSは使っているようです。そして、その番号の中には、私に来ていたSMSの番号も含まれていました。
えっ、マジで?
詐欺じゃないらしい
かもなすさんはこれでも一応セキュリティ屋の端くれなので、まだ訝しんでいました。ひょっとして、このサイトごと壮大な釣りなんじゃね?と。
そこで、ホームページのドメインのWhois情報を引いてみました。
うん、ちゃんと弁護士事務所が取ってるね。
さらにググってみる
とはいえ、借金なんてクレカとクルマのローンぐらい。どちらも毎月ちゃんと支払っていますし、訴えられる謂れはありません。
そこでGoogle先生にいろいろ聞いてみると、流石にSMSだけで取り立てをすることはなく、書面の郵送と合わせてSMSでの連絡も行っているようです。
もちろん、我が家の郵便受けにそのような郵便はありませんでした。
と、なると、宛先間違いの可能性が濃厚になってきます。
でも、本当に宛先間違い? - 募る不安
携帯電話番号は有限なため、解約後一定期間が過ぎると別の新規回線契約者に割り当てられる仕組みになっています。ですから、前の番号の持ち主が事故って連絡が来る、と言うこと自体は十分あり得る話です。
しかしこの番号、2019年の7月から使っている番号なので、既に私の手元に渡ってから5年近く経過しています。
携帯電話番号のローテートは最短で3か月と聞いていますので、少なくとも、前の持ち主が使っていた期間は5年以上前となります。
と、なると、今更前の持ち主宛ての取り立てが来るか? という疑念が生まれます。
やだなあ、マジで事故ってたらカード増やせないじゃん、そんな風に思っていました。
不在着信 - 東京03のあの番号から
そんなある日、ふと携帯を見ると不在着信が一件。
発信元は、「この番号にかけろ」としつこくSMSが来ていた東京03の番号でした。よっしゃ、白黒つけてやろうじゃないか。昼休みに折り返すことにしてみました。
あっさりわかる真実
昼休み、戦いのときがやってきました。
かかってきた番号にそのまま折り返しますが、なかなか繋がりません。途中発信音が変わったので、おそらく何段かステップを踏んでいるのでしょう。
そしてようやく電話が繋がりました。
以下、ざっくりとした会話の流れです。
弁「○○弁護士事務所 事務員の○○です」
か「かもなす(実際は本名)と言います。そちらの番号から着信があったので折り返しさせていただいたのですが」
弁「えっ、そちらの番号は○○(アジア系っぽいカタカナ名)さんと言う外国籍の方の番号と伺っていたのですが……。大変申し訳ございません。データが間違っていたようでした」
か「そうですか。ここ最近、毎日SMSが届いて迷惑していたのですが……」
弁「はい、申し訳ございません。こちらの番号へは以後ご連絡しないようにいたします」
はい、案の定でしたが、間違い電話だったようです。
フリーダイヤルではないので通話料はこちら持ち。マジで迷惑な話です。
いや、悪いのは弁護士事務所さんじゃなく滞納した人なんですけどね。
残る謎
というわけで、毎日送られてくるSMS問題はあっさりと解決を見せたのですが、謎は残ります。
先ほど書いたように、この番号はもう5年近く使っていて、今更前の持ち主のやらかしで連絡が来ることなんてあるか?という謎です。
そもそも、前の持ち主がマジモンのブラックリスト入り人間なら回線を契約した直後からちょくちょく連絡が来るはず。それなのに、急にこのタイミングで連絡が来るのは余りにも不自然です。
考えられる可能性は次の2通りです。
① 前の持ち主は5年間事故ってなかったけど、急に事故った
② 何者かがこの電話番号を使って申し込んだサービスを滞納した
前者であれば良いのですが、後者であれば怖いですね。
ネット決済系は恐らくSMS認証で電話番号の所有者確認をするでしょうし、ローン系も(過去オートローンを組んだ時の経験で行けば)契約意思確認の電話をかけてくるはずなので、中々考えにくいとは思うのですが。
一方、水道代あたりだと番号チェックって無いよなあという話もあり、決してあり得ない話ではないのが怖いところです。
どのサービスの取り立てなのかは流石に教えてもらえなかった(というか聞けなかった)ので分かりませんが、これで当の本人がバックれたりしていたら、マジで怖いなあと思ったりします。
おわりに
とりあえず、無事今回の問題は解決したのですが、どうしてこうなったかの謎が残っていてモヤモヤが収まりません。
この辺り、有識者がいればお話を伺いたいところなのですが……。
さて、今日はこの位にさせてください。
おやすみなさい。かもなすでした。