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好き

公共図書館のおはなし会。本日仲間の語りを聞く。

かちかち山『日本の昔話4』(福音館書店)

ご存知のおはなし。おじいさんがたぬきを捕まえて家に連れて帰ると、たぬきは口が上手くおばあさんを騙して殺してしまう。悲しむおじいさんのところにやって来た、うさぎが、仇を打ってあげるといい、見事敵討ちをするお話。

語っている仲間の様子が、いつもは冷静にきちんとかたる方なのだが、本日は楽しそうに語っているように見えた。そこで「かちかち山好きでしょう」と問うと、「やはりわかる!」と返事が返ってきた。「次は、こうなるのよ、ていう気持ちが、伝わって来た」というと、「やはり、気持ちは声に乗るのね」ということに話が落ち着いた。

特に、"かちかち山"は、次々に出来事が起き、時にはこちらの予想外のこともある。おばあさんが殺されたり、ばば汁にされたり、それを食べたり・・・文字にすると強烈だが耳で聞くとそれなりに受け入れられる。

さらに、このおはなしは、リズムのよい言葉の繰り返しや、はやし歌などが入るので、語り手もこのリズムが心地よいのだろう。

おはなしは基本、語る者が面白いと思わなければ覚えたいとは思わないのだが、声とは不思議なものだ。目に見えない気持ちが、自身の意識しないところで出るのだ。それが聞き手にも伝わり、おはなしが楽しくなるのだ。だからおはなしは、楽しい。

さて、私もどこかで"かちかち山"を語りたいな。

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