居場所
図書室は、得てして校内の隅っこにある。(そうでないところもあるでしょうが)ご多分に漏れず、私の拠点校も校舎の1番端っこである。図書室に来る以外に図書室前の廊下を通ることがない。唯一3年生のふたクラスだけが、直接の廊下で繋がっている。そんなわけで、3年生は図書室に来館する子が多い。3年生以外の子ども達は、ほとんどか20分の長い休憩時間に来館する、3年生は10分の休憩時間にも、走ってやって来る。近いという安心感からか、始業のチャイム(休憩時間終わりのチャイム)が鳴って帰っていく。そんなわけで3年生と雑談することが多い。子どもの方も親しく話しかけてくれる。
先日も本の修理をしている時に来館して、「何しているの?」「本の修理をしているのよ」「おもしろそう」ちょうどページヘルパーで本のページを貼り合わせていたところで、ちょうどいい時に来た、「ちょっと手伝って」「いいよ」という具合で、一緒に作業をしてると、同じクラスのふたり組がやってきて、「僕らも手伝う」で一緒に修理をした。
その時、誰とも無く「4年生になっら図書委員会に入ろうかな」「僕もそうしよう」「おもしろそう」と話しが弾む。その会話を黙って側で聞いていた。
楽しかった。3人とも本が好きで時間を見つけては、図書室に本を読みに来る。なんとも頼もしい。話しは、「クラブは、読書クラブにしよう」「イラストクラブもいいかな」と話しは弾む。
私は、そうそう色々迷って決めればいいよ。こんな話しが出来て楽しいな、きっと4年生になるのが楽しみなのね、などと思った。
先日の座談会でこんなことをいった登壇者がいた。「図書館に司書がいないところで育った子は、司書が必要だと思わない。逆に司書がいる図書館を知っている子は司書が必要と思う」その時とても納得した。
この子達に、司書としての私が認識されたような気がした。図書室が居場所になったんだなと感じた瞬間だった。
そして、「次の休憩時間も手伝ってあげるね」といって教室に帰っていった。