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もっと、溺れるように愛したい

私はどこか冷めてるんじゃないかと思う。これから書く話は、私が「周りと違うかも」と感じてしまった話で、自分だけがそうだとはもちろん思っていないのだけど、そんなふうに思えてしまうことってあるじゃない?そういう感覚のお話。

私は大学で文化人類学という学問を学んでいる。文化人類学についてどういう学問か話せるほど、私は精通していないし、何を話しても先生からのツッコミが想定できてしまうので書きたくないのだけど。簡単に書くのなら、既存の価値観を常に疑い続け、マジョリティよりマイノリティを好み、研究対象の地域でフィールドワークを行うことを研究手法とする学問、かな。フィールドワークも、多くの人へのインタビューと参与観察(調査対象の社会集団に直接参与し、観察・調査を行うこと)を基本としていて、とりあえず人の話をやたらと聞く学問だ。

この説明だけで面倒くさそう。既存の価値観を疑い続けるとか、しんどそう。でも、この考え方が好きで、専攻してしまったのよ。あーー、私って面倒くさい人間かなあ。だって日本人って何?って半年間問いかけられ続けて、気軽に「日本人」って言葉使えなくなった。ジェンダーは?女性らしさ、男性らしさって?ねえ文化って何?民族って何で分けられたものと言えるわけ?そんなことを考えていたら、なんか自由になったようで不自由になった。知識は増えたし、世の中を知った、知った気になってはいけないと思うようになったし、無意識に人を傷つける可能性は日常のどこにでも溢れていると分かった。知れて良かったと思う、でも、でもなんだか生きにくい。知らない方が生きやすかった、だってなんか普通じゃないんだもん。日常生活に色々なテーマが溢れすぎてるんだもん、こんな考え方する人周りにあんまりいないんだもん。

たぶん、大学で教えてもらったことと現実世界のギャップが大きすぎる。自分があたまでっかちになって、迷惑な人になってしまった気分。先生は答えを教えてくれないし、そもそもあの人たちは考えることに対して強靭な精神力を持っているんだろう。その精神力も教えてくれないと困るんだが。考えるのも好きだし、今の勉強も好きなんだけど、大学院には行けないと思うのはそれが理由だ。私は思考に耐えうる精神力が足りない。

話は変わり、私はBTSのファンをやっている。彼らの姿を見て泣いたり笑ったりして、そんな時間が一番の救いだ。しかし、そんな時間にもやってくる文化人類学の魔の手(怒られろ)。彼らが社会問題に関わる発言をする、考えている人たちだからこそ、また色々考えに考える。彼らを批判する意図で考えることは全くないが、その周りのこととか、ファンとか、もうそういうことについて考えるわ考えるわ。何が楽しいんだそんなことして。もうちょっと純粋に愛したい。BTSへの愛でいっぱいになって溺れたい。モンペになりたい。そこまで溺れられないのは、私がアイドルのファンになったの初めてなこととか、たぶん色気やらに興味がないこととか、もともと恋愛が苦手なこととかもあるだろう。割り切りながら愛している人たちが沢山いることは分かっているが、私は割り切る線が他の人より少し手前すぎるんじゃないかと思ってしまう。Twitterで繋がった方から、「いつも冷静だ」と言われることもあってそうなのかもしれない…。

あとは多分「無理死ぬ!」とか「神!」とか言えない、それは昔から。でも心では「無理死ぬ!」と何回も言ってるんだよ…なんか表に出せない。無理死ぬ、消えた、昇天…結局かっこいいしか言えない、すごいしか言えない。それで十分な気もするし、なんか足りないような気もする。過去映像をみて「エモい泣」と思っても言えないし呟けないし。ん、これ別に文化人類学のせいじゃないか。私のせいか。そういう私が選んだのが文化人類学だっただけ?ああ、どっちにしろ面倒くさい。最近自分が自分で1番面倒くさい。

BTSの幸せは願ってるけど、幸せだけでいてほしいとは思わない。人間らしく生きていてくれたらな、と思っている。夢とか努力とか、他人から押しつけられる綺麗ごとは嫌い。彼らのことそんなに綺麗な人間だと思っていない。神様じゃないし、私は皆のことなんにも知らないから。それでも好きなんだ、大好きなんだ。完璧な人じゃなくていいから、実際に会ったら性格面倒くさそうでも全然いいから、誰といつ結婚したっていい(そりゃ寂しい気持ちはあるけど)、ただ彼らが見せてくれるものが好き。それが会社を通したプロデュースと彼らの素の狭間であることを理解して、それでも大好きなんだ。

ある意味無償の愛ですか。どうして私は冷めているのかもと思ってしまうの。周りの人と比べなくていい、自分の好きを大事にすればいいとは分かっているんだけど…

ああ、全然関係ない話になってきたな。でも全部繋がってると思う。1人でいる時間が長すぎるからこんなこと考えるんだ。もっと忙しく、人と関わりながら過ごせたらこんな余計なこと考えないかな。
もっと、溺れるように愛したい、あなたたちを見て幸せだけを感じたい。嫉妬とかあなたたちへ向けられる悪意への怒りとか、そういうもので悲しみたい。皆のことをもっと信じてもっと全力で愛したいな。そうなるのがちょっとだけ怖い。
でもそれが私の憧れです。
そんな感じ。終わり。

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