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かもめマシーン&萩原雄太の2024年まとめ

かもめマシーンでは2024年、2つの参加型作品を発表しました。かねがね思っていた、舞台公演だけが演劇じゃないぞという考えが、ようやく形として結実した年と言えるかと思います。

ガザ・モノローグ<伝言ダイヤルver.>

MEET YOUR ART FESTIVALに参加したこの作品は、アシュタール劇場が公開する「ガザモノローグ」をテキストに、黒電話を使い、参加者自身がテキストを読み、別の参加者がそれを聞くというインスタレーション型演劇です。演劇とは異なる文化に驚いたり戸惑ったりしつつ、本当に多くの人に体験してもらいました(体験できなかった方、本当に申し訳ありません)。25年に、国外で上演をするかもしれません。


南京プロジェクトvol.4 <再演>教育委員会

22年から行っている南京大虐殺についての作品を作るためのリサーチ。この作品では、この問題を、一旦、日中の問題ではなく日本の問題として引き受けるために、ある地方自治体の教育委員会で行われた議事録を参加者自身が読みました。プロジェクトとしては、2025年にレジデンス&ワークインプログレスを実施し、年末に舞台公演を迎える予定です。




また、主宰の萩原雄太は、1月にNYから帰って以降、2024年はこんなプロジェクトに関わっていました。昨年半年滞在していたNYではリサーチしかしていなかったので、そこで溜まったストレスを解消するように例年になく動き回っていました。

日中当代表演交流会

振付家の王梦凡(ワン・モンファン)、キュレーターの张渊(ジャン・ユアン)、そしてマイメンの山本卓卓とともに交流会を行っています。4月に開催した第一回目は、北京、南京、上海でワークショップとレクチャーを行いました。25年は日本で7月頃に開催予定です。


Laboratory For Global Performance & Politics Global Fellow

ワシントンにあるジョージタウン大学のGlobal Performance & Politics研究室のグローバルフェローに採択されて、毎月一回、オンラインミーティングをしながら、世界中の人々(ただし、ほぼ非欧米圏)と対話を重ねています。来年はイタリアで対面で合宿を行う予定です。

IFTR

同じくマイメンのベリさんに誘われて、マニラで開催された国際演劇学会に参加して30分のワークショップと、ベケット学会でプレゼンテーションを実施。来年のケルン大会ではベケット作品を上演するかも。提案しているのは上演時間35秒のあれです。


えんげきのがっこう

現在、もっとも楽しい仕事です。清水穂奈美とともに、横浜・戸部にあるStudio oowaで毎月一回、近所の子どもたちを集めて、えんげきのがっこうというワークショップ?をやっています。子どもたちの脳内では、日常生活の中で、もうすでに演劇が繰り広げられているので、台本をつくったり、振り付けをつくったり、特にこちらから演劇をさせる必要はないと思っているので、おばけを作ろうとか、ちんどん屋になろうみたいな感じでテーマを設定して遊んでいます。

戯曲/演出集中キャンプ

愛知県芸術劇場が主催する「戯曲/演出集中キャンプ」にナビゲータとして携わっています。3月に第1回目、12月に戯曲の第2回目が行われ、25年1月に演出コースの第2回目を実施。私自身、各地でいろんな教育プログラムを受けてきましたが、「ぼくのかんがえたさいきょうのワークショップ」がこちらです。

レポート https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/item/AAFCampReport.pdf


かつてなく自由にダンスを名乗るための煙が立つ会


山本卓卓とともにダンス作品をつくり、六行会ホールでプレゼンテーションを行いました。コンペの結果は残念でしたが、久々に他の作家とがっつり取り組んでひとつの作品をつくるのは得難い刺激となりました。またやりたい。

クロスプレイ東松山

埼玉県のデイサービス「楽らく」でのアーティスト・イン・レジデンスに参加。利用者の方々とともにファッションショーを行いました(非公開なので見せられないのが残念……)

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国際交流基金のStage Beyond Bordersで、かもめマシーンの「俺が代」が英語、中国語(簡/繁)、フランス語、タイ語、スペイン語で配信されています。


よいお年を!


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