しあわせになりたい
売野機子さんの「しあわせになりたい」を読んだ。
ほかに刊行されている短篇集の「同級生代行」と「薔薇だって書けるよ」 はずぅっと前に購入してそれから宝物のように大切にしているんだけど、なぜかこの本は持っていなくて。やっと。
わたしは売野さんのワードセンスがほんとうに好きで好きで堪らないのだけど、この作品でももうそれが爆発していた。
うわぁっ、わかる、わかる!!!!ってすっごいなるの。わかるんだよぉ。すごいんだよぉ。
たとえば朝生と星野の会話。
「きっと地球の誕生を見たりするんだよ、人間ってそういう愛おしい生き物だよ(めっちゃ端折った。どんな文脈かは詳しくは実際に読んでほしい)」
ああ、なんでこんなすてきな言葉が思いつくんだろう。もう、好きだ…。って胸がいっぱいになった。
あと、
不安定だった頃の君が好き
っていうタイトルの短編が収録されているんですが。
もう、なんだ?タイトルからしてなんなんだ。詩的。すべてが完璧すぎる。むだがない。完成されている。
売野さんのまんがを読んでいる時の感覚と、
大森靖子ちゃんの曲を聴いている時の感覚ってなんだか似ている。超個人的な感覚だけど。
ふたりとも、「わかる!!わかる!!!!!ええ、すごい!!!!」っていうことばを突然くれるの。本当にとつぜん。もう、泣きそうになる。自分でも気づいていなかったけど、ずっとこころの奥に抱いてたモヤモヤを、かわいくお料理してヘビーなお味でお届けしてくれるんだよね。
なんだろ、一見すると超かわいいデコレーションが施されたショートケーキなんだけどひとくち食べてみたら目ん玉飛び出るド級の濃厚さ、みたいな。うまく言えない。
あー、しあわせになりました。