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結局税理士試験の酒税法ってどうなん?

税理士試験にありますよね、酒税法。
でもあんまり受ける人はいないしなんだかよくわからない試験科目ですよね。
講座もT◯Cと大◯しかないし、市販の教材はもちろんないし、ネットにもあんまり情報はないし、役に立たないとか言われてるし…

興味はあるけど受けようかな、どうしようかな…っていう人のために、酒税法の合格者である私が実際酒税法ってどうなん?みたいなことを適当につらつら書こうと思います。

あ、税理士試験や酒税法についての基本的な情報については専門学校のサイトとかを見てください。(書くの面倒くさいし)こんなのをわざわざ読みにくる人がそんな情報を求めてはいない、はず。

完全に私の主観でしかないですけれども、情報なんてなんぼあってもええですからね。


なぜ酒税法を選んだのか

お酒が好きだからですね。以上。

ってのもさすがに味気ないので(実際だから選んだってのはそうなんだけど)それ以外の理由をあえて挙げるとするならば「学習ボリュームが少ない」ってのと「理論暗記の量が少なくてすむ」っていう二つですね。よく言われるやつです。

私は割と計算は得意なんです。ただ暗記はあんまり得意じゃないです。
財務諸表論受かったときも、理論を捨てて計算だけで突撃したくらいです(その年計算の難易度は並だけど量が多かった。理論はバカ難しかった。計算で90分くらい使って残りの時間で理論を適当に埋めた。理論から解き始めた人は多分沼に嵌って計算の時間が足りなくなったと思う。だから合格できた。まねはしない方がいい。)

お酒めっちゃ好きでこんな僕向けの試験科目ないやろ!実務に役に立たないとか関係あるかい!
ってなわけで酒税法を受けることに決めたのです。

ただ、正直酒税法を舐めてた。
1回落ちて、2回目でなんとか合格できたけど、今の私なら過去の私に酒税法はあんまりすすめない。ただ、酒税法に向いてる人も多分いると思う。多分。

理論暗記の罠

一回目落ちたのは間違いなく理論のせいです。

確かに理論の量は少ないです。法人税法なんかとは比べものにならないくらい。10分の1くらいじゃない?言い過ぎ?
でも結構クセがあるんですよね。酒税法の理論。

法人税法とかは計算の内容を理論でも、みたいなパターンが多いのでイメージしやすいんです(覚えることができるとは言ってない)
でも酒税法って理論は理論、みたいな感じでイメージは正直掴みにくい(もちろん計算と関わりがあるところもあるけど)

そんでもちろんベタ書き問題も多いけど、本試験では結構規定の趣旨とかを聞いてくるんですよね。理論問題としてはいいと思うしそれがあるべき姿だとは思うんですけど、これが割と厄介。
専門学校の理論集とかそういうやつにも規定の趣旨とかはもちろん載ってます。ただそこに載ってないやつも割と聞かれるわけです(なんであんな範囲狭いのに網羅できてないんだ)
直前対策のテキストにちょこっと載ってたりもしますが、そうじゃなければもう作文するしかありません。
誰も解けないような問題なら別に解けなくてもいいです。そうじゃなくて、なんとなくその規定の趣旨はみんなわかりそうだけど…っていうレベルの問題を実際に答案に書こうとするのは、ちょっと大変かも、とは思います。法学部出身とかだったらいけるかな?

あと配点のうち理論が3割で計算が7割じゃないですか、酒税法。
でも計算部分の酒類の判定はほぼ理論みたいなところあるんですよね。まあまあ長くて数も多い判定の文言を覚えないと話にならないみたいな。だから実際理論が6割、計算が4割くらいのイメージになる気がします。
私はお酒が好きだったので理論を覚えてるって感じはなかったし酒類の判定はむしろ好きな部分(ただ、間違えたら後ろの計算が全部パーなので緊張感はすごい)だったけど、そうじゃない人は割と苦行に感じる人もいそう。

ミニ税法の性質上どうしてもハイレベルな勝負になるから、結局合否を分けるのは理論なんですよね。30点侮るなかれ。
だから1回目は落ちました。理論舐めすぎました。
2回目はガチで理論覚えました。まさかまさか、酒類の判定で一問間違えたけど、しっかり理論でカバーすることで合格できたんだと思います。

まあ、理論が少ないから選ぶってのはちょっと注意した方がいいっていう話です。

学習ボリュームの罠

理論が少ないってのは書きましたが、計算を含めても、学習ボリュームは本当に少ないです。これもガチ。

酒税法の講座を受けた後に法人税法の講座を受けると、その学習スピードの違いで時差ボケしそうになります。それくらい酒税法は学習ボリュームが少ない(とはいえもちろん勉強時間はかなりとらないといけないし、必要勉強時間150時間とか書いてるのは大嘘です)

学習ボリューム少ないのはええやん、って思うかもしれないですが、少ないということはそれだけ合格レベルにも達しやすいってことなんですよね。だからミスが許されない試験になっちゃう(他のミニ税法もそうですが)

いうほど酒税法受験生のレベルが高いとは思わないんですけど、合格を争うレベルになるとやはり一つのミスが合否を分けることになるのは間違いないです。
でもそんなんもう正直運ゲーでしかないです。試験会場の設備、当日の体調、問題との相性…運要素がデカすぎて正直しんどい。

あと学習ボリュームが少ないと勉強に飽きる。2回目の試験のときは割と時間が取れたのでしっかり勉強してたんですけど、最後の方はもう苦行でした。

お酒は好きだし、最初の方はすごい楽しく勉強できるんです。実際面白い。へ〜そんな決まりがあったのね〜とか、これがあの某PBのウイスキーを生み出した諸悪の根源か〜とか。でも一度覚えてしまうとあとはもう「忘れない」ための作業だけになっちゃう。これが辛い。
範囲が少ないから内容を忘れ切ることはあんまりなくて、かといって確認作業をしないわけにもいかないし。

試験ってのはまだ勉強し切れてない手の届いてないところが若干あるくらいで本番に臨むのが丁度いいんです。でも酒税法の場合しっかり勉強すればするほどそれがなくなります。もしこの状態で運悪く落ちてしまえば最悪。もう一年(半年?)この作業が繰り返されることになります。

どういう人におすすめか?

まず一つはお酒が好きな人。
お酒が好きなら、酒類の判定なんかは特に楽しい。
酒税法を選んで損はありません。
合格した後、蒸留所とか醸造所とか行ったらなるほど〜とか思えます。飲みの席での小ネタにもなります(いうほどメリットではない気がしてきた)

あとは、社会人であんまり勉強の時間が取れないよ〜って人とか、一科目受けるけどもう一科目増やそうかな〜って人。
酒税法は勉強時間が取れない人(とはいえもちろん結構な勉強はしないといけないけれど…)にぴったりです。多分そういう人にとっては量が丁度いいです。

逆にあんまりやらない方がいい人

めちゃめちゃ時間が取れる人で今年は酒税法専念します!っていう人。
実際私がこの状態だったんですけど、まあ最後の方は辛かった。

7月なんかはもう新しく学ぶことはねえ!点数を落とさないためだけの勉強でつまんねえ!って感じでした。
会計科目とかミニ税法以外の科目ならあの論点まだ弱いな…とかこの論点まだ抑えれてなかったな…とか何かしらは絶対あるんですよ。
酒税法はそれがほぼなくなります。でも本試験では見たことない原材料とか普通に出てきます。もうそこで判定は博打になります。

さらに言えばどれだけ練習しても計算を間違えることはあります。人間だもの。
ただ、酒税法は一つのミスが命取りなので、酒類の判定時の計算を間違えたりなんかしたらもう悲惨です。その酒類に関する計算は芋蔓式に全部バツです。
(酒類の判定は全問正解が当たり前みたいな風潮がありますが、実際のところ一問くらいなら大丈夫です。ただし、理論や他の計算をほぼ完璧に解けていたらの話ですし、一問ミスオッケーの気持ちで行くと二問間違えます)

どれだけ勉強しても他の科目と比べて確実性はあがりにくいのが酒税法です。

あと、理論が苦手だから酒税法を選ぶんだ!っていう人。
確かに理論の数は少ないです。でも思ったよりは覚えることは多いです。
しかも、けっこう理論で合否が左右されます。結局合格する人はみんな理論覚えてくるからね…

結局酒税法ってどうなん?

酒税法に受かったら、すごくはないけど自慢はできます。いくら役に立たないとはいえ年60人ほどしか合格者がいない激レア資格ではありますし。

まあ、酒税法は面白いです。これは保証します。
ただ受かりやすいかどうかは別っていう話です。

もう一回言いますが、ここまで書いたのは、私が、酒税法を受けて、合格して、感じたことなので、あくまで参考程度にしてください。
内容について保証はしません!



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