ネット反抗期とパクリ論争
インターネット上の真偽不明の情報を鵜吞みにして、拡散する人を見ると、
この人たちは、反抗期にロックを聴かなかったのか?と疑問を持ちました。
あいみょん「君はロックを聴かない」をgoogle検索すると
サジェストで、「パクリ」が出てきます。
あいみょんは、「人の曲をパクってるから許せない。」などと
発信する人までいたようです。
そのような反応には、「君はロックを聴かない」と反論できます。
元々ロックは、反社会なものとして、社会から位置付けられていました。
そこから、反抗する姿勢がロックには必要な要素だと、気づく人が現れ、
「体制」の移り変わりに合わせて、批判の対象を変えながら、
その姿勢を引き継いでいきました。
中でも反抗心がむき出しなのは、パンクロックです。
表現形態の時代ごとの変遷:
70年代 パンクロック 反体制
→80年代 ポストパンク 反常識
→90年代 オルタナティブロック 反音楽
共通するメッセージは、「批判的な視点を持て」です。
Dead Kennedysは、反抗するための手がかりを示しました。
・惑わされるな。
片側だけ見ても、正しい判断ができない。
・自分の頭で考えろ。
思考停止して、思想をファッションにするな。
Kill the Poor と Nazi Punks Fuck Off という曲を紹介します。
・Kill the Poor「貧乏人を殺せ」
残酷なことを言いますね。
世の中を取り仕切っている人達は、もっと狡猾に
生かさず殺さず、生殺しにする方法を考えます。
どちらも残酷です。
・Nazi Punks Fuck Off「ナチパンクは消え失せろ」
自分のライブに来た客に向かって消え失せろと言うのは、
差別主義をファッションにしているからって、横暴ですね。
彼らは自分のアイデンティティに絡めて、自尊心を高めたいだけなのに、「勘違いしたおかしな奴らは、出ていけ」と、
わざわざ曲を作っていることが、味わい深いです。
Kill the Poorの日本語訳と動画
Nazi Punks Fuck Offの日本語訳と動画
Dead Kennedysの解説動画
■オルタナティブロック
オルタナティブロックを代表するバンドが、NIRVANAです。
代表曲の「smells like teen spirit」「come as you are」で
パクリが指摘されています。滑稽なところは、
元ネタが複数指摘されていることです。
問題にしている部分が、一つなのに、複数を同時にパクったのでしょうか。
「smells like teen spirit」の動画
「smells like teen spirit」の元ネタとされる曲
「come as you are」の動画
「come as you are」の元ネタとされる曲
■オルタナティブロックの反抗
既存の楽曲や音楽シーンに対し、反抗の姿勢を取り、
批評として新たな曲を作り、音楽シーン変える。
それまでの音楽に対する価値観を大きく転換させました。
もう一組の音楽シーンの流れを変えたバンドが、
Rage Against The Machineです。
彼らは、Dead Kennedysに近いアプローチでパフォーマンスしています。
Rage Against The Machine Bombtrackの日本語訳と動画
■あいみょんのはなし
冒頭の話に戻すと、あいみょんの意図が、
このような音楽史の流れを紹介することであれば、成功です。
批評として、過去の作品から一部、引用して、独自の表現に
置き換えていれば、非難される云われはないと思います。しかし、
ブルーハーツ → スピッツ → あいみょん
このように、日本の音楽史として、位置づけるのは、
音楽的な方向性があまりにも違うので、間違いとは思います。