最初に磨くべきはもっとも重要なスキルであるリーディング
もし、あなたが英語力をもっとつけたいと考えているのなら、まずは「リーディング」から始めることを強くおススメします。「リーディング」は、4つのスキルの中でもっとも重要だからです。
『中学・高校の6年間で、リーディングは十分にやってきた。今さらやる必要ない』と考えているのなら、それは間違いであると言えます。英字新聞、英文雑誌、洋書はもちろん、レストランのメニューを読むのでさえ苦労している日本人は結構多いのです。
しかし、最近の日本での英語事情を見ると、「リスニング・スピーキング」が重要視されるようになってきています。従来の学校での英語指導が「英文法と英文読解に偏重しすぎていた」という反省から、そのように変わってきました。
ですが、実は「リスニング・スピーキング」よりも重要なのは、「リーディング」スキルなのです。
この記事では、「リーディングが英語の4つのスキルの中でもっとも重要」である理由を詳しく説明していきます。
リーディングがもっとも重要なスキルである5つの理由
リーディングは、中学校・高校の6年間(大学で英語を学んだとしたら10年間)を費やしているため、「英語の中では自信があるスキル」と考えている日本人は多いです。
そのため、スピーキングやリスニングと比べて、リーディングの勉強に時間を費やす学習者が少ないかもしれません。
しかし、英語を勉強しているからこそ、「リーディング」をもっとも重視していかなくてはなりません。リーディングスキルは、英語学習をしているあなたにとって必須であるからです。
「リーディングスキルが全ての英語学習者にとって必要である」理由は、以下のとおりです。
1.語彙力向上と英文法確認の容易化
2.情報収集能力の向上
3.以前より増した必要性
4.「留学」には一番大事なスキル
5.文化的な違いが理解できる
それでは、各項目に関してもっと詳しく話していきましょう。
1.語彙力向上と英文法確認の容易化
単語・熟語が脳内に定着するには、最低でも20回ほど違った使われ方をした形で見る必要があります。
リスニングやスピーキングでは、このような回数は不可能ではありませんが、非常に難しく時間もかかります。20回も同じような内容を聞いたり話したりするのは、相手にとって非常に苦痛になるからです。
しかし、リーディングは違います。同じような内容の本を20回読めばいいからです。しかも、相手はいないので、自分のペースで進めることができます。
同じ理由から、単語・熟語だけでなく、英文法の確認にもリーディングは最適です。分からない箇所があれば、一度立ち止まって確認することが容易だからです。
これがスピーキングやリスニングの場合、やはり相手がいることで自分のペースで進むことができません。相手が疲れるだけではなく、あなたも相手に気を遣う必要が出てくるでしょう。
このように、リーディングは語彙力を高め、英文法の確認を容易にします。
2.情報収集能力の向上
今の時代、インターネットの検索機能を使って情報を得るのが常識になっています。
あなたが必要としている情報の全てが日本語であればいいですが、そのようにいかないこともあることでしょう。特に、ビジネスの世界では、海外の情報(特にアメリカ)がとても役立つことが多いはずです。海外には、最新のビジネス情報が溢れています。
ところで、世界中にあるウェブサイトは約13億ページあるそうなのですが、その内英語で書かれているものはどのくらいの割合になるのかご存知ですか?
なんと、約55%なんだそうです。それに比べて、日本語のサイトは約5%です。この差は歴然です。
海外のウェブサイトや雑誌などで、あなたにとって有益な情報があるとしましょう。ただし、あなたにはその情報を理解できるリーディングスキルがありません。あなたできることは、その情報の翻訳を誰かに依頼するか、あるいは日本語の翻訳版を待つことだけです。
しかし、翻訳には当然費用がかかります。また、日本語の翻訳版を待つことになれば1~3年は待つことになるでしょう。
翻訳するのにかかる費用は、必要経費かもしれませんが余分な出費です。また、翻訳版を待つために費やす1~3年という年月は、急速に変化するビジネスシーンでは致命的な遅れになります。あなたは、それだけは絶対に避けたいはずです。
その場で書いてあることを理解できる英語力がなければ、あなたはこれからも大きなチャンスを逃すことになるでしょう。
3.以前より増した必要性
インターネットの登場は、私たちの生活に大きな変化をもたらしました。そして、ビジネスのやり方も大きく変えました。
その一つが、Eメールでしょう。
以前は電話・ファックスが主な連絡方法でしたが、今はEメールを使うことが多くなっていないでしょうか。
「日本語ばかりだから」と思っていても、いつ何時海外とのやり取りが必要になるか分かりません。これは大企業だけの話ではなく、グローバル化が進んでいる現在においては、あなたにも起こり得ることなのです。
「リーディング」が必要なのは、メールだけではありません。海外でビジネス展開をするとなれば、「契約書」を交わす機会ができることも十分にあり得ます。
しかし、もしリーディングスキルが十分でない状態であったなら、たださえ難しい文体の契約書の内容が全く理解できないでしょう。契約書の翻訳を待っている間に、事態が変わってしまうことは十分にあり得る話です。
個人で事業を行なっていて、海外への事業展開を考えているのなら、「契約書」を理解できる英語力をあなたが身につけなくてはいけません。そうでないと、大きなビジネスチャンスを逃す可能性もあります。
「英語を読む」機会は、これからも増えるでしょう。その時にしっかり対処できるよう、リーディングスキルを向上させるために、今からでも行動に移しましょう。
4.「留学」には一番大事なスキル
アメリカの大学では、山のように課題が出されます。授業についていくためには、必ず予習をしていくことが基本です。私も留学経験があるので、「読む力」の大切さを痛感しています。
アメリカの大学の授業は週に3時間(1時間/日)が多いのですが、その予習に費やす時間は毎日5~6時間が当たり前です。その時間は、ただ課題(教科書、資料など)を読むために使います。私の場合は、専攻が英語でしたのでそれ以上の時間を使っていました。
また、アメリカの大学では資料を読んで小論文を書くという課題も出されます。学期内に最低2回そのような課題が出るので、宿題に加えてさらに大量の文章を読むことになります。
このように大量の英文を読むため、大学生に必要なのは「速く正確に内容を理解するリーディングスキル」なのです。このスキルがないと、とてもではありませんが限られた時間で大量の英文を読むことはできません。
海外留学をしている学生にとって、高いリーディングスキルがあるかどうかで成績が左右されてしまうと言っても過言ではないのです。
5.文化的な違いの理解が深まる
英語を学ぶということは、「その国の文化・習慣・考え方」を学ぶことと同じです。言語というのは、その国の生活に密着したものであるからです。英語圏であれば、その国により単語の使い方に違いがあったりしますが、「英語」で表現されるのです。
小説や雑誌、あるいは絵本などで、英語圏の人たちがどのように考えているのか、どのような視点を持っているのかを学ぶことができます。
本で得た知識をもって話しをしてみると、思った以上に会話がスムーズに進むでしょう。そして、話を重ねるうちに、私たちはもっとその人たちのことを知ることができ、相手も私たちを信用するようになります。
また、書籍の良いところは「必要であればいつでも戻ることができる」ことです。これが会話であると、なかなかそうはいきません。相手がいるため、自分のペースだけでは話を進めることができないからです。
簡単なものでいいので、できる限り多くの書籍を読み、英語圏の「文化・習慣・考え方」を学ぶことをおススメします。
リーディングは、英語学習者の英語力向上に最も効果的なスキルです。そして、最も必要なスキルでもあります。
リーディングスキルが必要である5つの理由を、もう一度確認して今後の英語学習に役立ててください。
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