「止まるを知る」:私の人生と中国古典
自らの人生に迷いが生じた頃、たまたま渋沢栄一の「論語と算盤」に出会い、感銘を受けた。そこから中国古典に関心を持つようになり、様々な書物を手に取ってみた。難解すぎて分からず、かといってこのままでは私の人生も始まらないと思い、ひとまず手に取って素読を始めたのが「大学」であった。
小学生の頃、音読は何度も何度もやらされたのをよく覚えている。あれの何が役に立ったのかは未だによく分かっていないのだが、素読は生まれて初めてであった。意味は分からずとも、とりあ