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シングルマザーの転職②


私の転職活動は半月前に終わった。
前回noteにも書いたけど、条件の良いおじいちゃんの会社へ行くことにした。

キラキラ会社は、落ちた。
こういうのも全部運命だ。縁なんやろう。
受かっていても、おじいちゃんのところに行ったと思う。
私が一番大事にしたいのは、息子との安定した穏やかな生活。それは刺激的でワクワクする環境に飛び込むことよりも確実に優先したいことなんだと考え着いた。
私が一人で考えて自分で選んだ。

晴れて次の就職先も決まり、本日は退職に伴う有休消化期間、1日目。

まずはスマホの機種変更したい。
2年以上雑に扱われたせいか、4,5か月前からイヤホンに繋いでも音が鳴らんくなった。
私の中の流行り歌は「晩餐歌」で止まってる。
テキパキとしたお姉さんの対応と、私の適当さがマッチして、スムーズに機種変は進んだ。

「じゃあこの登録を押したら前のスマホは使用できなくなります。大丈夫ですか?」
お姉さんが私に問いかけた瞬間、旧スマホに知らない番号から着信があった。

すいません、この電話だけ取っていいですか?と一言謝り、旧電話での最後の通話に出た。

「鴨一さん、お久しぶりです。僕のこと、覚えてますか?」

だれや?
風が強くて最初のお名前が聞き取れなかった私は、営業の電話か?と思い若干出たことを後悔しながら、聞き返す。

それは、キラキラ会社の人事担当者だった。

「もう他の選考が進んでしまってますか?」

何これ、恋愛?
元カレから連絡が来たみたいな感覚になる私。

いまさら何?ずっと連絡なかったから、もうとっくに別れたと思ってたし、もう新しい人と付き合うことになったよ。

「あー…そうですよね…決まっちゃいますよね…。
鴨一さんが土日祝日が一切出勤できないというところで、どうしてもたまには出てもらわないと厳しいって話になってたんです」

キラキラ会社は土日祝出勤が必要な場合があって、それは一切できないと面接で伝えていた。
きっとここの条件が合わなかったんだろうなと認識していたので、落ちたのも仕方ないと思っていた。

「でも僕は是非鴨一さんに入社してほしいと思ったんです。
本当はこんなことしないんですけど、鴨一さんがお子さんを第一に考えられる条件のポジションを何とか作れないか今日までずっと上層部に掛け合ってました。鴨一さん以降面接した方に何人不採用の連絡をしたかわかりません」

えええ…
なにそれ…
1ヶ月も連絡なかったら、落ちたと思うでしょそんなん…

「正直そのポジションを見つけられる確信もなかったのと、このお電話が不採用を伝える連絡になる可能性もあったため、期待させるようなことが言えませんでした…でも今日やっと土日祝を完全にお休みにできるポジションを見つけることが出来て、お電話したんです」

私には何のとりえもない。資格も経験もない。
そんな風に言ってもらえる魅力なんて持ってない。
だからこの人は適当に耳障りの良いことを言ってくれてるだけかもしれない。本当は採用しようと思ってた人に辞退されて、繰り上げで私に電話したのかもしれない。

でも、本当はどうだったかなんて、その人にしかわからない話だ。
だったら今私にわかることだけ、伝えられた言葉だけで受け取るしかない。

嬉しかった。

一生懸命やったから。
ここだけじゃない。転職活動全部、一生懸命やってた。
嘘でも、来てほしかったと言われて嬉しかった。

鴨一さんならどこでも絶対にうまくいきます。頑張ってくださいと激励をもらい、電話を切った。
これも全部運命だ。
普段登録してない番号から来る着信に出ない私が通話に出たのも。
だってこの電話に出なかったら、私の中では「落ちたんだー」で終わってた。

努力は必ず報われるわけじゃない。
こんなの煎じられすぎて味のしないセリフだ。
でも努力して報われた経験は、それからの行動を変えるんやろうな。
就活で内定もらっただけでここまでポジティブに捉えられるの、私の才能ではない?単純なアホなだけ??

こうして私は新しいスマホを手に入れた。
図らずも、旧スマホに全部置いてきたみたいになった。
前の会社のチャットアプリとかメールアドレスとかも入ってるもんな。

何を選ぶかではなく、選んだ先でどう生きるか。
というのは私の座右の銘だ。
とにかく今の私の立ってる場所はまじで今の私の精一杯だし努力の結果だと思える。
そう思える行動が出来た自分を今日のところは褒めたい。

私、おつかれさま!!!!

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