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グリーングリーン

現在、我が家は東京都のはずれにある2階建ての借家に住んでましてね。2階には3部屋+納戸があって、そのうちの1つが僕の部屋(納戸は僕専用の物置に)。基本的にはそこで仕事をしたり、ブログを書いたり、寝泊まりをしたりしております。人生で初めて2階建ての家に住んだということもあって、住み始めた最初の年で階段から3回も落ちた…ということは記録として書き残しておきましょう(何の?)。

まぁ、それはそれとして。平日は、仕事が忙しいだけでなく、趣味の映画鑑賞などでも家を空けがちなので(汗)、土日だけはなるべく家にいることにしてましてね(そりゃそーだ)。習い事が多めの妻子の予定がない日は、娘のマナ子(仮名/8歳)と遊ぶのがデフォルト。昼間だけでなく、夜も寝る前に2階の僕の部屋に上がって来て、ベッドに座って絵本を読むことになっております(その時、ベッド上で娘に寄りかかられたクール抱き枕のモモちゃんが「ちょっと重いよ!」と抗議してくる展開がお約束)。

で、先日の話。夕食時に奥さんから「実は小学校で娘が名前をからかわれて嫌だった(今は乗り越えた)」ということを聞かされたから、ビックリいたしました。いや、確かにウチの奥さんが付けた「娘の本名」は若干の「キラキラネーム」感がありましてね…。正直、「からかいの対象になるのではないか?」と悩むところはあったものの、奥さんが「僕の母親と奥さんの母親の名前から1字ずつとった」という「僕のルーツも大事にしてくれた感」がうれしかったし、とても素敵だと思って、「その名前」にすることに同意したのです。

そんなワケで、「名前をからかわれる」という事態は十分覚悟していたし、だからこそ娘には「とても素敵な名前なんだよ」ということを常に伝えてきたんですが、まさかすでに悩んでいたとは! ハッキリ言って、その「名前をからかった男子ども」をリストアップして、1人1人粛清したかったものの(通報されそうな文章)、娘的には「今はもう気にしてない」ということで、渋々断念…(でも、そいつらの名をリストアップだけはしておきたいという強い気持ち)。とはいえ、娘が悩んでいたことに気付かなかった自分にガッカリしたし、そういうことを僕に話してくれなかったことも少し寂しかった。

なんで話してくれなかったのかな。「アイリッシュマン」のロバート・デ・ニーロみたいに、そのクソ男子どもを暴力で粛清しそうだからかな(警察の仕事以外では他人に暴力を振るったことなんてないのに!)。まぁ、でも、一番仲良しの奥さんにすらずっと話せなかったワケだし、僕もいじめられていた時、親に言えなかったもんなぁ…。なんて言うんですかね、「自分がいじめられるようなダメな人間」と失望されたくないというか、「挫折を知られたくない」的なところなのかしら。いつの間にか、彼女との間に「話しづらい空気」を作ってたのかな…。ううむ、非常に猛省いたしました。

だからその日の夜、娘が絵本を読んでもらうために部屋に来た時、「人の名前をからかうような子は、人の痛みが分からない子なんだよ」「君の人生には楽しいことも一杯あるけど、悲しいことも起こるんだよ」「でも、喜びは辛いことの2倍の価値があるんだよ」なんて、一部「キャプテンは君だ!」の歌詞を引用しながら彼女に話したのです。すると「パパはいじめられたこと、ある?」なんて聞いてきたから、階段から蹴落とされたこととか、友だちが出来て救われたこととかを話して。すると、娘も自分なりの考えを語ってくれたりしたんですが…。おや!? このシチュエーション、ちょっとデジャブというか。試しに、この場面の要素を並べてみれば、「ある日」「パパと2人」「語り合った」「この世に生きる喜び」「悲しみのことを」って、「グリーングリーン」じゃねぇかッ!

ううむ、「風の谷のナウシカ」で「その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし…」云々といった「言い伝えとの一致」に気付いた時の大ババさま気分というか、「ジョジョ第1部」で双首竜の間に足を踏み入れた時のツェペリさん気分…って、伝わりますかね。そうなのね、世の中の親子には「グリーングリーン」が溢れていて、だからこそ今も多くの人に伝えられる名曲なのだろう(まぁ、僕はつらく悲しい時はワンワン泣けばいいと思いますがー)。僕自身は父親とそういう時間をまったく持てなかったから、彼女とは何度も「グリーングリーン」のような時間を過ごせればなぁ…なんてね。

だがしかし。先日、実家に帰ったんですけど、僕的にいろいろと悩んでいることを母親(78歳)に話してみたら、驚くほどに「けんもほろろ」でしてね…。僕の母は善良で頭が良い人ではあるものの、根性論しかなくて、自分語りとか始められちゃって。なんか思い切って話してみたのに、非常に疲れた上に自己嫌悪に陥る結果になっちゃって。僕が自分の娘にああいう態度をとって傷つけたら…って考えると嫌すぎるので、この歌の父のように、今のうちにさっさと遠い旅路に出かけたかったりもするのです。なんだこれ。




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カミヤマΔ
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