ちいかわ超大作『セイレーン編』感想

※本文にはちいかわセイレーン編の多大なネタバレが含まれます。未読の方はブラウザバック推奨です。


はじめに

ナガノ先生がX(旧ツイッター)で今年3月から連載を開始した『セイレーン編(島編)』が11月、遂に完結しました。拍手!👏
この間、先生の入院があったり、本編と関係のないほっこり漫画が入ったりしつつ、終劇まで約8か月…。
たくさんの人が色んな考察を出しているので、既にセイレーン編を読んでいる方はそれを追ってみるのも楽しいかもしれません。
今回は印象に残ったうさぎのシーンや、漫画外のお話なんかに触れていきたいと思います。先述したように考察はたくさん出ていて重複するので少な目。今年はセイレーン編をリアタイ出来たことを、『嬉しかったこと』として記事にしたいと思います。

今回も大活躍・うさぎ推し歓喜シーン

今回も私の推しうさぎが大活躍したのでそこから…。
彼(?)の良さは、怖いもの知らずの破天荒なキャラと見せかけ、実は三人の中で誰よりも自分のスキルレベルを把握している上に、精神がタフなおかげで異常事態の中でもが自身の出来る最大限の行動を即座に判断して且つ実行できる点なんですよねぇ(オタク特有の早口)。ソフトバンクホークスとのコラボで投手やってたのも納得。
自分に自信があるので、みんな憧れのトップランカーの前でもこの腕組み。

そしてみなが絶望する中でもとっても好戦的であり、一気に空気を変えるカリスマ性。
彼のカリスマ性については『どんぐりDJ編(うさぎが会員制クラブ?でフロアを回す話)』で既出なのでファンとして別段の驚きはありませんが、惚れ直す場面です。

とはいえ、過去には無理な討伐に対し間髪入れずリタイアを選択する場面などあり、本当のところの無謀な真似はしません。クレバーという言葉が似合います。今回もそんなうさぎの頭の回転の早さと自身の身体能力の高さを活かした大胆さが状況を打開しました。

はい、うさぎの良さ全部詰まってる。

うさぎは単独で討伐をしにいっては無傷で帰ってきているようなので、願わくばうさぎの単独討伐を見てみたいと思うオタクなのでした。

うさぎは葉っぱちゃんの罪に気付いていたか

ちいかわが二人の罪を暴かないという選択をした問題のシーン。ここで登場したうさぎがちいかわの頭をこねくり回していますね。
可愛い、尊い、好き。
さて、このシーンから一部読者の中で『うさぎも葉っぱちゃんが人魚食いの犯人だと気付いていた説』がSNSを賑わせていました。
過去連載の『うさぎ山姥殺害説(山姥が悪人だと気付いたうさぎがちいハチに内緒で山姥を毒殺したという説)』は私も支持派なんですが、今回については知らないんじゃないかな~と思っています。
過去連載の『悪夢編(ちいかわがバクのような怪異に睡眠を奪われる話)』において、ちいかわのいつもと違う雰囲気を感じ取り寄り添っていたうさぎは他者の機微にめちゃくちゃ聡い、しかしそれを表に出さないイケメンなので今回ちいかわの切ない様子を察してヨシヨシしてあげていたのかな~、なんて思いました。では、仮に葉っぱちゃんの罪に気付いたとして、うさぎならみんなの前でそれを暴くかと考えると、彼もそういう事はしなそうなので、全て知った上でそれを暴かない選択をしたちいかわを撫でたという解釈も、私の中では有力説くらいの扱いをしたいと思います。何様。
(有力説は法律用語?一般に支持されているものを通説というのに対し、有力説は次点という意味合いで使用しています)

しるこサンド公式のポジティブさ

人魚殺害の道具として使われたしるこサンド。この回が更新された際に起きたしるこサンドブームはまだ記憶に新しいところです。
最近では、いなりあげもちの会社のサーバーをダウンさせていましたね。ちいかわの経済効果はデカつよです。
『セイレーン編のモデル愛知説(料理がしょっぱめ、人魚伝説や海神様話のある離島の存在等から愛知県がモデルになっているのではないかという説)』が確定的になったのがこの人魚殺害回でした。
それにしても、こんな凄惨な使われ方をしたのに全力で乗っかる公式。こういう所、好きです。私のリポストにもいいねしてくれました。買います。

島次郎とは何だったのか

さて、ちいかわが独り取り残された際に唐突に現れた島二郎。島二郎のヒップが漫画に出るたび、『島二郎のケツ』がSNSでトレンド入りするなどすっかり人気キャラとなりました。過去連載『ゴブリン編(ちいかわ達がゴブリンの縄張りを意図せず荒らしてしまい監禁される話)』のオデみたいな良い奴でした。
島二郎には『ポセイドン説』が出ていましたが、愛知の離島にいる海神様の容姿がそっくりだったので、愛知説も相まってそこが出展なのかな〜と思いました。
まあ、ポセイドンも海の神様ですから、似たようなもんか。

葉っぱちゃん達の本当の罪

今回、不幸な出来事があり人魚の煮付けを食べることになった葉っぱちゃん。同情的な意見も多かったですね。ハチワレを庇った件もあり、葉っぱちゃん達はとても人間味のあるキャラクターとして描かれており、あの結末は辛いな〜と思いながら読んでいました。少なくとも双葉ちゃんに関しては自らの意志でなく共犯にされた感があるので余計に…。
彼らの罪は結局のところ何かといえば、人魚を食べたことよりも、『島民たちに犠牲が出ても黙ってやり過ごそうとした』ことであり、最後夜逃げからの結末(ハッキリは描かれていませんが恐らくそういうことでしょう)は巡り巡ってそこに対する罰だったのかな、と思いました。セイレーンは言葉が通じるので、経緯を説明したらもしかしたら…いや、無理かな。
個人的にキツイなと思ったのは、生きていることを信じて攫われた島民を今後も探すという島かわちゃん達…。サラッとしてたけど実は一番きつかったかも。私が知らず知らずに感情移入していた相手は、もしかすると島かわモブ達だったのかもしれません。うさぎは好きですが、彼に感情移入することは永遠にないでしょう。

ラッコ先生や島二郎は行方不明の子たちがどうなっているのか大体分かってますよね。でも、言わないんです。それも、優しさ。

ちいハチうさぎフォーエバー

人魚のウロコが風に乗ってちいかわの手から離れたことにより、セイレーン編はまるで夢オチのように彼らの中から忘れられ、また日常に戻っていくのでしょう。
ナガノ先生がうまいな〜と思うのは、この大作から1週間以上漫画の更新をしなかった点。読者はこの8ヶ月の余韻に浸りたいんです。そう、余韻に浸りたいんだぞ!(←どこかに向けてのアレ)
しかし、ちいかわは既に覇権を取った側。この世界におけるデカつよなので、一過性でしかなかったアレと比較するのは少々酷です。

この1コマ1キャラのシーンが実に良い仕事してますね~。もしちいハチうさぎが葉っぱちゃん達のような状況になっていたらどのような選択をしたのか。もしかしたら逆だったのかもしれねェ…なのか、どうなのか。
葉っぱちゃんたちの夜逃げ船がちいハチうさぎ(2つの釣り道具がうさぎの影のよう)に見えるなんて地獄の考察もありましたが、そんなんさあ………そんなんもう…………。
人の心ないんか?

最後に

こうして長きに渡り読者の心を弄んだ(私たちにはご褒美です、ありがとうございます)セイレーン編が終わり、年も暮れ…。
漫画でしばらく会えていなかった鎧さんに久々の実家みを感じてるちいかわ読者なのでした。


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