REITが割安と考える理由
不動産投資信託(REIT)が株式に比べて回復が遅いがなぜかとの質問を多くいただきます。これは、製造業の回復がサービス業よりも早いことと、心理的な要因とがあります。まず、株式市場全体は、製造業の急回復に支えられています。飲食や対面の小売り、旅行や空運の低迷をカバーするほどにモノの売上が増えており、インターネット通販などを通じて製造業や関連産業の利益や株価が回復し、伸びているところもあります。一方、不動産投資信託(REIT)自体の回復の遅れの理由を4つ挙げます。①オフィスの空室率の上昇や家賃収入の減少の報道、②テレワークの増加で、オフィス需要が趨勢で低下する懸念、③分配金を引き下げるケース、④銀行の市場への回帰の遅れ、です。ですから、①今後ワクチン接種が進むなどで経済が正常化すると、オフィスの空室率・家賃収入の減少が底打ちすると期待できる、②テレワークの増加が予想される一方で在宅勤務の困難さもよく知られるようになり、近郊の駅前のオフィス・ビル需要が増大し、アクティブ運用の不動産投資信託(REIT)で銘柄入れ替えも進むと期待される、③不動産投資信託(REIT)の分配金引き下げも正常化とともに底打ちが期待できる、④主要投資家である銀行の市場への回帰の兆しが見え始めている、などから、不動産投資信託(REIT)は割安とみています。長期の不動産投資信託(REIT)投資では4%程度の利回りが見込めそうです。
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