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「夏のアレキサンドリアには行くな」とエジプト人は言う①


年末のお休み期間が始まり、カイロの喧騒と砂埃から逃れたい!そしておいしいシーフードが食べたい!!
ということで行って来ました。エジプト第2の都市アレキサンドリア。

地中海に面した港町で、クレオパトラの時代の首都である。
エジプト人曰く「すごい良いところだけど夏には行くな。エジプト人で混みすぎだ」とのことで、そのアドバイスを忠実に守り冬に訪れた。
いやまあ、年末年始のちょい旅にちょうどよかったというのが大きな理由なのだけれど。


カイロからアレキサンドリアは、車で2.5〜3時間といったところ。この手軽さもあって、気軽に行けるリゾート地としてエジプト人にも人気のようだ。

バスや電車で行く方法もあるが、我が家は車でGO。
ひたすらまっすぐな道を突き進む高速(事故多発ポイント)の途中には日本と同じようなパーキングエリアもあり、我々もそこで休憩。
トイレのために立ち寄ったのに、入り口付近にいた清掃スタッフのお姉さんに「Sorry. No water」と言われる。
トイレなのに?!

ここまで出発から約1時間半。信じたくない気持ちとは別に、車酔いした子どもの〇〇を被弾した服を着替えたかったこともあり「着替えだけさせてくれ」というと、汚れた服を見て苦笑いで「OK」と言ってくれる。

個室に入り、ひとまずレバーを押して確かめる。
出ない!!!
水が出ない!!!本当にそういう意味のNo Water!!!

着替えを済ませ、確認のため手洗いの蛇口をひねる。
出ない!!!
パーキングで水でないってどゆこと。あきらめて違うトイレを探すと、もう一つ大きいところがあるではないか。
よかったよかった、と入口に向かうとそこに絶妙な人だかり。

嫌な予感がする。

だが個室に向かおうとしても誰も何も声をかけてこない。
杞憂かと思い個室の便座を開けると……ここからは自粛しよう。

こっちも水でないんかい!!!

無料で入れる施設にあるトイレでは、こういうトラブルに見舞われることが多い国である。
正直アレキサンドリア、この数日後に行ったレストランでも水流れない事件に遭遇し(こういう時は手洗い場も断水していることが多い)、膀胱破裂するかと思った。
エジプトでは、トイレを発見したらとりあえずこまめに確認してきれいなら行っておくのが大事。そして紙もないこと多数なので持っておくことが無難。
(入口で有料で紙くれるおばちゃんがいることも多い)


途中アクシデントもありつつ、たどり着いたアレキサンドリア。

地中海の真珠と言われる街

カイロでは見ることができない深い青~~~!!
この光景だけで心が洗われる。


だが、海沿いのメインロードは旧式の乗り合いバスやタクシーも多く、かなり車も多い。
排気ガスとクラクションがすごくて、そこはカイロと変わらない。何てことだ。
しかも風景と利便性を重視して、街の中心部の海沿いの宿にしたら、一番の低層階のお部屋に。その日は休日。深夜のクラクションがうるさすぎる。
しかもそこは歴史ある宿。暖房もシャワーも絶妙にあたたかくない。

宿からの眺めは最高だが、クラクションが鳴り響く。
そう、ここはエジプト

絶妙にテンションが下がることが続きつつも、やはり海の街。シーフードがおいしい。カイロ生活で魚に飢えた日本人には、これだけで来たかいがあるというものだ。

夕食はTHE・ローカル食堂に挑戦。カイロにいてもこんなにローカル度高いところ行ったことないのに。

シーフードレストランでは、最初に魚と調理方法を決めるという事前情報を得ていたものの、注文の方法も場所もよくわからない。
何となく人の流れに乗って、親切な店員のおっちゃんをつかまえる。名前のわからない魚と、エビ、そしてイカはその場にはなかったが聞いたらあるというのでそれを頼む。

量も調理方法も聞かれてないが、そのままテーブルに通される。
なぜか我が家の前に着席していた大家族を違うテーブルに移動させてくれた。どうして。なんかすいません。

いったい何が出てくるのか、注文は成功しているのか?とドキドキして待つこと数分。前菜が数皿並べられる。

ここにアエーシ(パン)と水もつく

普段から生野菜なんかも食べている我が胃腸を信じて、恐れず食す。おいしい。
店の周りでは(といういか中にも)猫が数匹巡回し、おこぼれにあずかろうとしている。店外席だった私たちの足元も猫の通り道のようで、我が子の食べこぼしを今か今かと狙う猫たち。魚は我先にと取っていくが、アエーシは持っていかない。

これにライス付き

控えめな注文ではあったが、全部で315ポンド。シーフード食べてるのに安すぎる。



次の日にはアレキサンドリアの有名観光スポット「カイトベイ要塞(Citadel of Qaitbay)」へ。
15世紀後半に建設された要塞。世界七不思議のひとつでもあるファロス島の灯台跡地に立ち、その残骸を利用して建てられたともいわれている。
そういえば年末に日本でエジプトの番組がやっていたようで、この辺りも話題になっていたとか。観たい。

現在の姿は19世紀に修復されたものらしい。


2024年12月時点で、外国人は200ポンド

街の中心地からUberで10分弱で到着。健脚の人は気候がよければ歩けるかも。

冬の午前中のシタデルは全然人がいなくて、中を探索するにも快適。ダンジョン系観光地好きの我が家にかなりヒットした。

幼児が登るとこんな感じ。けっこう階段は急

要塞の中は迷路のようになっていて、ところどころにお揃いの服を着た案内?のおばさまたちが座っている。話しかけたらヒントをくれそう。ドラクエ感。
「写真撮ってあげる」と次々言われるが「いやここで?」ていうただの壁の前とかなのはなぜだろう。せめてもっと声かける場所を考えてくれ、と思いつつ、頼んだらmoney攻撃が始まると予想されるので、笑顔でお断りする。


ここでは心配していた雨に降られることもなく、何よりこの景色!!そして人がいない。冬のアレキサンドリア最高。

地中海の青さと空の青さを胸に刻む。


ランチは、シタデルから歩いてすぐのお店へ。
全ておいしいし、お酒飲めるし、テラス席がとても居心地が良い。
ただ日差しが強かったりスコールが来たりするので、席は選んだ方が快適そうではある。

シーフードリゾットにはエビがこれでもかと入っている。グリルにしたのは鯛。
急なスコールのため、テーブルを急いで引く店員さん達


午後は有名な新アレクサンドリア図書館へ。

新アレクサンドリア図書館(しんアレクサンドリアとしょかん、: Bibliotheca Alexandrina)は、古代アレクサンドリアに古代最大かつ最高の学術機関として栄え、その後、戦火と略奪によって失われたアレクサンドリア図書館を甦らせ、古代の学問と博識の中心地としての輝きを取り戻そうと、ユネスコとエジプト政府が共同で建設した巨大な図書館兼文化センターである。

wikipedia


だがここでリサーチ不足が露呈する。
併設されているプラネタリウムは要予約だし、1日3回しか上映されていなくてその日はもう終了。
しかも図書館のメインライブラリーには16歳以下は入れず、一応全体を見ることができるわずかなフロアにしか入れず。
子ども図書館があるから!と思っていたら、こちらはなんと6歳~入場可能。知らずに入っていたところ「ごめんだけど、小さすぎるわね」と係のおねえさんに言われる。
しかも極めつけにミュージアムショップがその日だけ棚卸で閉店中。こんなことって。

子ども図書館


仕方なしに地下にある美術館をへ、追加の入場料を払って行く。

地下の博物館

この時点で結構疲れてきたのに、中に椅子が、ない!子どもも寝そうで抱っこ状態。腰が限界である。そしてまた降ってきたスコールのような雨。

口数少なく、この日は早々にホテルに退散したのだった。


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