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初体験・エジプトのラマダン

Ramadan Careem!
「良いラマダンを」といった意味のラマダン中の挨拶らしいです。「あけましておめでとう」的な感じ。

エジプトでもラマダンが始まった。というか、もうすぐ終わりがやってくる。
今年、2024年は3月10日からスタート。我が家にとって、エジプトに越してきて初めてのラマダンだ。


「そういえばもうすぐラマダンが始まるね」
何となく人々がそわそわし始めたのが2月下旬。スーパーの片隅にラマダン用のBOX(お米や油、パスタなどが入ってまとめ売りしている)が現れ、「お米や野菜など、一気になくなるから備蓄した方がいい」「酒屋は閉まるから、アルコールは今のうちに買っておけ」などのアドバイスが古参駐在員から聞かれ始める。

私の「ラマダン」の認識は、「イスラム教徒が日が昇っている間、飲食しない期間」くらいのもの。ムスリムではない自分の暮らしにどのように関わってくるのかは未知のものであった。



初日、街を歩くと…
なんかパタパタしてる!!!


こんな飾りが街のいたるところに

いきなりお祭り感出してくる。


そしてなんだか街が静かだ…
いつもは外でお茶飲みながらおしゃべりしているおじさん達が…
いないっ!!!

居てもめっちゃ省エネで過ごしてる。道端で携帯ゲームと動画見てるおじさんの多いことよ。

いつもクラクションのうるささに半ギレしながら通る道も、日没直後はビックリするくらい静かだった。う~ん、いつもこのくらい静かだと良いのに。
※初日は特に家でゆっくりする人も多いらしく、少しづつ街の様子は日常に近づいた。残念。


飲食店は見事に日中やっていない。
空いているところもあるが、お客はほとんどいない。開いてても商品が揃っていない。お昼食べたくてもOPENは13時~とか結構多い。
ムスリムでなければラマダンする必要がないとはいえ、この空気感の中、人に見られるところで飲食をするのは謎の罪悪感が。


スーパーは開いている。お店でもらえるビニール袋がラマダン仕様の柄になってたりでかわいい。
夕方の18~19時の間をCLOSEにするところもある。夫に帰り際の買い物を頼んだら、「開いてなかった…」とお使いに失敗した子どものようになって帰ってきた。


そして金曜日。エジプトは金・土が休日である。これはいまだに慣れない。
子連れ外出は、連休初日の午前中に動き出すと相場が決まっている。
よって、本来金曜午前中が活動しやすい。
しかしここで行動すると金曜礼拝にすべてぶち当たってしまう。
ラマダン中は特に金曜礼拝の時間に全てが止まる気がした。
これがちょうど昼の12時過ぎ~なので、うっかりお昼を店で食べようものなら、店員さんがいつのまにかお祈りのために全員いなくなっている。
あ、お会計…先にすればよかった…状態で待機。

ショッピングモールでも、「この時間は休憩にするから」と商品物色中にいきなり言われて強制退場させられるところも。道理で全然人いないと思ったよ。


観光地の市場とかもいきなり店主がいなくなる。
お店はフリーに入れる状態にしているところも多いことに驚いた。
飲食店にしろおみやげ物店にしろ、店員全員いなくなっちゃって大丈夫なのか。と個人的に心配になるが、食い逃げとか盗みとかないのだろうか…



ラマダン期間中は親族と会ってみんなでご飯を食べたり、セールが開催されたり、ラマダン用の飾りや食べ物などあらゆることが特別仕様のようだ。
日本で言うとお正月の雰囲気に近いかもしれない。

スーパーで売ってるおかしもラマダンデザイン



幼児がいる我が家は夜遅くに出歩かないので、恐らく盛り上がっているであろう夜のラマダンを知らない。
体験したのはほとんど「静」の方のラマダンだ。


何が何やらわからないまま始まり、そして終わろうとしているラマダン。
毎日のアザーンや、豚、酒の入手難度でイスラム教の国に住んでいることを実感していたが、また新しい街の空気を感じることが出来た。


ラマダンが終わると断食明けのイードというお祭りが行われるらしい。数日間は祝日だ。
あぁ、この静かなカイロともさよならか。と思いつつ、ひと月の間に季節がすっかり夏に変わりつつある風景を眺めるのであった。

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