第1回神谷新書賞
(2020/02/15記)
専門書を贔屓するあまり、最近は意識的に新書を買わないようにしていたのですが、先日発表された中公の「新書大賞」を拝見し、そのベストのラインナップがなかなか意外だったので、自分なりの「面白い」を発信するのもいいかなぁ、と思い直しました。
そこで一昨日の晩、「思うところあって神谷新書大賞を創設します」とFBに書き込んだら、驚くほど早く「いいね」がついてびっくり。
中にはズバッと私の意図を汲んだレスポンスを返してきた人がいて、やはり怖い読み手というのはいるものだと慄然とした次第。
やたらと新書が増えた今、以前のように(年に刊行される)新書の2~3割は読んでる、みたいな暴言は吐けません(笑)。
文春新書や中公新書、岩波新書、ちくま新書を1年間すべて買ってみるとか、過去にはいろいろやらかしたもんですが、再びそれに挑むのは、気持ち的、視力的、金銭的に無理があります。
というわけで、ちまちま読んだ限られた新書の中からではありますが、もし読み落とした人がいるなら一緒に楽しんだり考えたりしてもらいたい、そんな作品を選んでいこうと思います。
「大賞」を名乗るほど網羅的でも客観的でもないので、名称は「神谷新書賞」とします(FBに書き込んだときは酔って気分が大きくなっていたんです…)。
前年の1月1日から12月31日までに発売された新書のうち私の目にとまったものの中から選ばれ、発表は「中央公論」の3月号(毎年「新書大賞」が発表される号)が出る直前に発表する、ということで(笑)。
来年から神谷学芸賞の発表を7月1日にしますので、半年ほどずれるのも具合がいいですね。もちろん、新書を学芸賞から除外する訳ではありません(やや厳しい目では見ますが……)。
それからラインナップとして「新書」を名乗っていなくても、新書サイズの本だったら選考の対象とすることにします。これは神谷新書賞の特色になるかもしれません。
では、今年のベスト10をお目にかけます。ご笑覧ください。
1位 宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮)
2位 前田健太郎『女性のいない民主主義』(岩波)
3位 梶谷懐・高口康太『幸福な監視国家・中国』(NHK出版)
4位 佐藤卓己『流言のメディア史』(岩波)
5位 山口慎太郎『「家族の幸せ」の経済学』(光文社)
6位 岸俊光『内閣調査室秘録』(文春)
7位 石井雅巳『西周と「哲学」の誕生』(堀之内出版)
8位 益尾知佐子『中国の行動原理』 (中公)
9位 大竹文雄『行動経済学の使い方』(岩波)
10位 竹田いさみ『海の地政学』(中公)
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