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世界政治研究会30周年
(2023/12/10記)
千葉大学の石田憲さんが主催する世界政治研究会が創設30周年を迎え、駒澤大学で記念のシンポジウムが開かれた。会場に参集したのは30人強、zoomでの参加者も30人弱ほどいたそうだ。
芝崎厚士さんが幹事となり、石田さんのキーノートスピーチを受けて市川ひろみ、鳥潟優子、板橋拓己、三牧聖子のみなさんがコメントと討論を担当。
30年続いてきた研究会の、継続の意義、様々な方法論が試みられる他流試合の場としての役割、書籍化を含む性急なアウトプットを求めない長期的視座の重要性などが改めて確認された。
石田さんからは、すでに完成していると思われる方より、まだ伸びしろがありそうだと思われる人により多くの機会を提供してきたこと、そして、結婚や出産によって研究から離れざるを得なかった女性研究者に、現場に復帰するためのリハビリの場を提供することも大きな目的だったとのお話があり、そんなことはまったく意識していなかった私は意表を突かれ、感銘を受けた。
第1回目が開催された1993年と言えば、私がまだ猪瀬直樹事務所にいた頃だ。記念すべき1回目の報告は「ファシストの戦争:イタリアから見たエチオピア戦争」だった。
私がお手伝いして、先生の単著『ファシストの戦争――世界史的文脈で読むエチオピア戦争』(千倉書房)を刊行するのは2011年10月。
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あれからも、もう12年になる。ずいぶんたくさんの水が橋の下を流れたものだ、と思う。継続は力なり。石田さんのご尽力に心から敬意を表したい。