![短編比較201810](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8070808/rectangle_large_type_2_02f5a46bc2b6265f879e6a9dc399eb7d.jpg?width=1200)
小説修行の書き(打ち)写し「九五年の衝動」
小説修行の書き(打ち)写し第16回、終了。
今回は敬愛する古処誠二さんの『トリック・ミュージアム』(講談社文庫)より「九五年の衝動」です。
元航空自衛官の古処さんの自衛隊シリーズの初期短編です。
古処さんの『UNKNOWN』と『未完成』がなければ、『深山の桜』も『七四』も生まれませんでした。
「九五年の衝動」の簡単なデータと感想。
原稿用紙換算50枚。総文字数16472。534文。303段落。平均文長31文字。平均句読点間隔16文字。文字使用率、漢字30%。カタカナ5%(一太郎より)。
航空自衛官の野上3曹の一人称視点(途中伝聞あり)です。
時系列的には古処さんのデビュー作『UNKNOWN』の後の物語です。
懐かしい登場人物が出てきます。浜松基地の開庁祭で展示される一枚の絵を中心にした、ホワイダニット的なミステリー仕立てです。
自衛隊、自衛官また旧陸軍兵士の想いが語られます。
この後古処さんは、現代物から離れて第二次世界大戦ものの『ルール』を書かれるのですが、分岐点と思える作品です。
実は私、古処さんとは同学年なのです。
最初に『UNKNOWN』を読んだ衝撃を今でも忘れることができません。朝香2尉や野上3曹らのその後を、何とか読みたいのですが、古処さんはもう現代物は書かれないのですかね(泣)……。
エンターテインメントとしてよく書かれる派手な自衛官ではなく、日常の普遍的な人としての自衛官の物語に大いに興奮し、こんな物語を書くべきだと書いたのが『深山の桜』であり『七四』なのです。
いつか浅田次郎さんや古処誠二さんらと元自衛官作家対談をするのが、私の密かな夢です(笑)!
頑張らなくちゃ……!
タイピングの練習と小説の技巧の研究を兼ねて、デビュー後から好きな作家の短編の書き(打ち)写しをしています。
noteにまだ掲載していない古い分は、私のウェブサイトで読めます。最初の頃は呟いていませんでした。2017年は忙しくてそれどころではなかったようです。コツコツしないといけませんね!
いいなと思ったら応援しよう!
![神家正成 (ミステリー作家、小説家)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/166000222/profile_5c3270797870ae266d71d080c37105ed.jpg?width=600&crop=1:1,smart)