【作品1点目】いきなりエンジン全開!OKフロートミニポスターの加熱型押し&箔押し加工!
こんにちは、紙谷 刷太郎です!
4月からnote「なるほどなペーパー」をスタートして、気がつけば そろそろ1か月が経とうとしておりますっ。言葉で紙や印刷加工の面白さ・奥深さを伝える難しさを日々感じておりますが、記事をお読みいただいている方も少しずつ増えており、それを励みに引き続き、紙や印刷加工の魅力をお伝えしていこうと思っておりますっ!
今度ともどうぞよろしくお願いしますっ。
それでは、OKフロートポストカード改めミニポスター(今後はミニポスターと呼ばせてくださいっ)の加工の続きをお話します~!
作品の仕上がりを左右するのは「熱」と「圧」!
まずはこちらの画像をご覧くださいっ。
OKフロートのソフトピンク(紙の色の名前)に、MONQさんのイラストを加熱型押しのみで表現しているのですが、作品にそれぞれ 弱、中、強 と書かれた付箋が貼られていますっ。それぞれ仕上がりがちょっぴり違うのをご覧いただけますでしょうか?
「んー、少しわかりにくいかもしれませんっ。もう少し近くから見てみましょう!」
こうして見比べてみるとその違いがよくわかるのではないでしょうか?
イラストの細い線はもちろん! 影の濃淡までもが見事! 加熱型押しによる色の変化のみで表現されていますっ!!!(すごい すごい 大興奮)
あまりに、想像以上に繊細な表現ができているので、つい興奮してしまいましたが、話を戻しますっ。この弱、中、強は、加熱型押し加工をする際に、紙にかける「熱」と「圧」の強さ(弱さ)の違いになりますっ。
弱 : 温度がやや低く、圧も弱め
中 : 熱も圧も中くらい程度
強 : 温度がやや高く、圧も強め
ざっとではありますが、このような違いになります。
まずは「熱」について
OKフロートの紙の色が変化するためには、温度は約120℃~160℃という話は以前「おしえて、紙谷 刷太郎さん(後編)」で説明しました。 温度が高いと色の変化は大きくなりますが、あまり温度を上げすぎると紙そのものへの負担が大きくなり、紙がうねうねと波打ったり、焦げたりすることもあるので、今回も現場の職人さんにお願いをして、微調整していただきましたっ!
「圧」をかけて作品に立体感をつける!
続きまして「圧」についてですが、圧は加工する専用の機械に取り付けた金属の版を紙にギューッと押し付ける圧力のことで、この圧力の強弱でイラストに立体感をつけることが可能なのですっ!
熱、圧ともにほん~のわずかな差で、作品のイメージが大きく変わってしまうので、そこは職人さんの腕! 調整を重ねながら少しずつ、今回求めている仕上がりのイメージに近づけていきました~!
そして、最終的に辿り着いた境地が… こちら
「どどーん! 最強っっ!!!!!!!!!!!」
現場で加工に立ち会ううちに……
「もう少し(押してみたい)!」
「もうちょっと熱を上げてみたい!」
と、ついつい私は興奮のあまり熱くなってしまい、(そんな私を見かねてか)現場で加工する職人さんが私の熱に応えていただいた結果、熱はもちろん、圧も限界ギリギリまで強くかけることにより、MONQさんの作品をより立体的に仕上げることができたのですっ!!!
下の動画は熱と圧の調整が無事に終わり、本格的な加工作業の様子ですっ!
「なかなか見ることができないので、よ~くご覧くださいっ!」
「めでたし、めでたし~」
と言いたいところですが、ここまでで、このミニポスターの加工の工程は半分なのですっ!(汗)
何と何と、12種類の箔の中から選定!
続きまして、加熱型押しで表現したMONQさんのイラストの上へ、今度は箔押しを重ねます。箔押しで使う金属版はこちら!
この金属版を機械に取り付けて、箔押しの作業に入るのですが、
「果たして、どの色の箔を押すとカッコよくなるんだろう?」
「そもそも、箔押しっていろんな種類の中から選んでもいいんだろうか??」
と思い、コスモテックさんに聞いてみたところ、
「ざっと100種類くらいはありますよ」と返答が。
ということで、100種類の箔を試すことに!
というわけにはもちろんいかないのですが、コスモテックさんにアドバイスをいただきながら、OKフロートミニポスターが更にカッコよく仕上がりそうな箔を選んで、試しに色々な種類の箔をその場で押していただきました~っ!(本当にご無理を言ってすいませんっ)
その結果 …
じゃじゃ~ん!!!
何と12種類もの箔を選んで、押してもらっていたのでした~っ!
コスモテックさんありがとうございます~。(というか、本当にすみません~!汗汗汗)
そして、この12種の中から加熱型押ししたMONQさんのイラストと最も相性がよかったのがこちらです! イメージにぴったり!
黄色の箔!?(ピカピカしてない…)
金属の箔と顔料の箔
箔と言えばピカピカした金属の箔を想像する人が多いかもしれませんが、箔には金属の箔のほかに色のついたペンキのような、顔料でできた箔もあり、今回 MONQさんのイラストとのバランスを重視して、「黄色の顔料箔」に決定したのですっ。
現場の職人さんたちに感謝~
今回のOKフロートミニポスターでは、MONQさんのイラストを印刷を使わずに加熱型押しだけで表現し、更にその上から箔押しを重ねて完成させるという、仕上がりが予測不能のかなり大変な作業でしたが、現場の方々のお力により、見事!カッコよすぎるOKフロートのミニポスター、その1点目が無事完成しました~っ!(ハラハラしました)
最後に、加工現場の様子を少しだけ~。
かなり難しい加工にもかかわらず、現場の職人さんから
「あれもやってみませんか~?」
「こういう箔も おもしろくなると思うんですっ!」
と逆にさまざまなご提案をいただき、終始わいわい・がやがやと楽しく、そして真剣に加工が行われたのでしたっ!
以上、本日は長文になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか~?
ご案内したのは わたくし紙谷 刷太郎でした~。