細部に神は宿る
「丁寧に細かく仕事に当たる。」
そのようなプロフェショナルな仕事のみ、評価される時代が来てしまいました。
私たちはお金を稼ぐのに、余程自分の仕事が本当にその金品に足るのかを自問自答する時代を目前にしています。日本は明治を超え江戸時代に戻ろうとしている様です。
一村一品運動、サステナブル社会(持続可能社会)。
日本で直近で本当の持続可能社会を築いていたのは、江戸時代でした。
お城のある都市部と近郊農村部、遠方農村部の住み分けと作物の違いから、定期的な食糧不足に基づく飢餓と、疫病の流行で人口の増減がボックス圏に収まり、江戸と京都などの一部で工芸品が極度に発達します。
御禁制の海外からの輸入品も、その価値があるもののみ一部で流通しています。「厭離穢土」な社会は、身分制度の固定化による大きな矛盾をはらみつつも、「戦のない日本」を260年間維持しました。
結局アメリカによる軍事圧力で開国、レーニン/スターリンの筋書きに乗せられたとは言え、日米開戦に至る道を直走ります。
日米開戦で徹底的に敗れた日本は、結局ソビエトの思惑に気がついた米国側のメンバーに収まるわけですが、国際連合での敵国条項も最後まで解除されず、日本に残存する左派勢力が中国による占拠に一縷の望みをかけている様な状況です。
日本は人口増加が2008年に頂点を記録した後、一貫して減少トレンドにあります。しかもその現象が加速しており、これは少子化によるものの様です。
という事は、労働人口が減り扶養される高齢者が増えるか、労働人口の減少を抑えるために高齢者にも働いてもらうしかありません。
高齢者に体力仕事は難しいでしょうから、今まで農業をやってこられた方は良いとしても、これから農業というのもわりと体力的に酷な話かもしれません。
いずれにしても人口が減るという事は、消費が減るという事です。
消費性向は30代から40代の家庭が大きい事は以前にもお話ししましたが、人口動態からしてこれから消費主導による景気向上はあり得ません。
一部に消費税を下げれば消費が上向く様なことを言われる方がいますが、無理筋です。そもそも消費性向が高い世代の割合が少ないので、消費しないのです。
この様な時代に「インバウンド消費」に目をつけたのは、自然な流れではありました。しかしながらそれは外部環境に極度に依存した流れであり、やはりコロナウイルスという外部環境で著しく毀損しました。
明らかに「インバウンド消費」+「日銀の株価操作」によるバブルを演出していたわけです。これが安倍内閣の政策の全体像でしょう。
人口減少対策という本質に手をつけなかった以上、内政については私は評価していません。
一方外交については及第点を与えて然るべきだと思います。
まず日本の自衛隊における海外派兵の枠を外して、辛うじてアメリカとの同盟をつなぎ止めました。江戸時代の鎖国終了にアメリカが関与した時から、日本はあの時から太平洋の向こうとの関係が最重要なのです。
この点では、及第点を与えて良いと思います。
日本という国が既に海外から見て、「安い割にマシな国」になってしまいました。これが海外の人が日本に旅行しに来ていた理由です。私たちには既に、どうやっても人口減少というダウントレンドは止める事ができません。せめてバブル経済の中で手をつけられていたら、こんな状況にはありませんでした。
また、財務的に大きく日本は毀損しています。
今日明日に日本が破綻するとは思っていませんが、2028年には日本は破綻するという統計予測もあります。とは言え、日本の破綻と個々人の生活は直接リンクはありません。輸入に頼る食料やエネルギーが高騰するだけです。
ということは、一人一人が生き残ることを考えなければなりません。
日本という沈みゆく船の中で、私たちはいい加減な仕事をして、宴会をするわけには行かないのです。
自分の仕事は「何」で、「なぜその仕事をしているのか」、細部にわたって考え、実行していかなければ普通に暮らす事が難しくなる時代が今目前にあります。
サポートいただき感謝します。いろいろ困難な時ですが、人様のお役に立てる事を考え、行動していく所存です。宜しくお願いいたします。