■プロローグだけを読む⑥■ 「プロフェッショナルの極意」川島文夫/PEEK-A-BOO・著
立体の造形美を生み出すスタイリストという仕事には
縦と横の両方の視線がなければ見えないものがり
交差することで新しく見えてくるものがある。
【Crossover Perceptions】
直訳すれば「知覚の交差」
縦と横
美容の仕事は一生をかけて作り続ける
美しい織物のようなもの。
いわば「縦糸」と「横糸」が織りなす芸術作品。
想いや情熱といった縦糸に、
技術やデザインといった横糸を織り交ぜながら
この本で僕が伝えたかったのは、
夢を形にするこの仕事の本質。
張りすぎた糸は切れやすいし、
ゆるみすぎた糸ではいい音色がでない。
いつも自分の最善の力で縦糸と横糸を織り上げる。
どんな柄が出来上がるのか。
どれだけ人を感動させられるのか。
あきらめず、怠けず、織り続け、厚さを厚みに。
ジャンルの垣根を乗り越え、融合させ、深さを深みに。
クリエイティブワークとサロンワーク、
作品と商品、自己表現とサービス。
矛盾するモノ、コトをも織り込んで美しく昇華させること。
後世まで人を惹きつける美しい織物を
織り上げられるかどうか。
それは、ハサミを置くそのときまで、僕にもわからない。
川島文夫
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川島文夫
1948年11月3日東京出身。高山美容専門学校卒業。67年、カナダ・トロントにて美容師として海外生活をスタート。71年、ロンドンのヴィダル・サスーンに参加。アーティスティック ディレクターとしてフランス、イタリア、日本と広範囲にわたりヘアショーに出演。75年、帰国後、各地でデモンストレーションやセミナーを開催。77年、表参道にPEEK-A-BOOをオープン。日本各地でのビッグステージはもとより、国際舞台でのヘアショーやデモンストレーションの機会も多い。サロンは現在都内に10店舗。サロンのアカデミーでの技術指導から、作品撮影、各種のステージワークと広範囲に活躍中。
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