企画総務委員会 ~R4.1.31~
先の1月31日に開催された委員会の内容について報告をします。
今回は令和4年第1回定例会という令和4年度予算案等、重要な議案が多くの議案が提案される本会議前の委員会となるため、内容は濃い上に、盛りだくさんとなりました。
ここで、すべて説明することはできないので、委員会で配られましたレジュメに、どんな内容か?が分かりやすいように、私が青字でメモを追加しました(画面を2回クリックすると拡大表示されます)。
内容を理解する上で重要な質疑も、できれば記したかったのですが、今回は省略します。
メモだけでは不十分だと思いますが、内容的に気になる部分があれば、是非ご連絡下さい。できるだけ分かり易くお伝えさせて頂きます。
また私自身が重要だと思うところは、あらためて詳しく掲載していきます。
ただし、令和4年度予算案(概要①)と第8次となる補正予算案(概要②)と次期基本計画策定(概要③)に関して、大まかですが今回お伝えします。
委員会報告メモ
概要①
「令和4年度一般会計予算案」について
1 予算編成のテーマ
「地域社会から福祉を向上させる予算」
2 予算額
一般会計:3336億円(対前年比 4.3% 増)
一般会計+特別会計:5124億円(対前年比 4.1% 増)
※目途別の支出の主な構成~職員費込み
民生費(福祉等を目的にした支出)
1701億円(全予算額の51.0%)
総務費(管理 ・広報・税務・戸籍事務といった総括的な運営の支出)
478億円(全予算額の14.3%)
土木費(道づくりなど都市基盤整備の支出)
352億円(全予算額の10.5%)
教育費(教職員の給与以外の学校運営にかかる支出)
354億円(全予算額の10.6%)
参考に、区が今予算案概要に掲載した「かんたん予算概要」もご覧下さい。
3 重点項目と新規・拡充した主な取り組み
(1)健康・福祉・・・97億4389万円
☆処遇改善臨時特例事業・・・3億7112万円
介護・保育・幼児教育に携わる方々の収入の引き上げ助成
☆介護人材確保事業・・・3億6292万円
介護職員や地域密着型介護事業所の宿舎を借り上げるための支援
☆医療的ケア児(者)への支援・・・4億6081万円
「夕方受入促進補助」の追加、ポータブル電源の個別配布、
相談支援センターを週2日→週4日に増加
☆弱視派遣検査の導入・・・1632万円
最新のスポットビジョンスクリーナー導入で多角的屈折検査を実施
☆生活困窮者等自立支援事業・・・7億6275万円
フードパントリー拠点を区内2箇所→7箇所に増加
住宅確保給付金の支給
☆ひきこもり対策・・・1億3821万円
ひきこもり相談窓口の一元化等
☆がん対策・・・14億9108万円
思春期・若年成人世代のがん末期患者への在宅サービス利用料助成、
がん相談コーナー、電話・オンラインでの相談実施
(2)子ども若者・・・484億9467万円
☆私立幼稚園教育の振興及び充実・・・32億6911万円
区の補助額月1000円→2000円に増額
☆私立認可保育園等運営・・・387億1154万円
認証保育所への支援拡充(負担軽減条件の利用時間下限を2割減)
☆世田谷版ネウボラ・・・5億2915万円
利用実態を踏まえたヘルパー訪問事業の充実
☆児童相談所の運営・・・23億9800万円
児童相談所の人材育成の充実
(3)教育・・・81億4556万円
☆ICT基盤を活用した新たな教育・・・12億8707億円
これまでの各データ処理を統合するシステムの導入
☆教育総合センターを拠点として教育と保育の推進・・・4億4979万円
STEAM教育講座のを実施、乳幼児教育アドバイザーの派遣
☆不登校児童・生徒への支援・・・9641万円
中学校不登校分教室各学年1学級の設置、
不登校対策の検討チームの設置、ほっとスクールの定員拡充
☆学校相談・特別支援教育の推進・・・5億3111万円
医療的ケアが必要な児童生徒などへの看護師配置増、
教育支援ソーシャルワーカーの巡回体制強化、
自閉症・情緒障害特別支援学級の設置及び開設準備
☆学校整備・・・50億1325万円
増改築:池之上小改築、八幡中一部改築、中丸小増築
基本構想策定:砧小、弦巻中、奥沢中
耐震補強:九品仏小、武蔵丘小、千歳台小、
尾山台中、上祖師谷中、千歳中、砧南中
(4)暮らし・コミュニティ・・・22億296万円
☆脱炭素に向けた省エネと再生エネ利用拡大・・・4億7410万円
電気自動車公共用急速充電器の整備設置、
環境配慮型住宅リノベーション助成
☆パラスポーツの推進・・・481万円
ボッチャ世田谷カップの開催、ボッチャ講師派遣事業、
パラスポーツ人材の育成
☆産業振興・・・13億3927万円
事業者へのハンズオン型フル&スポットサポート開始、
ビジネススクール型サポート開始
☆就労支援事業・・・1億5524万円
建設業人材確保・区内中小企業人材マッチング事業の拡充、
IT技能のリスキリングスクール事業開始
☆プラスティック資源循環施策のあり方検討開始・・・536万円
(5)安全安心・・・29億2821万円
☆木造住宅密集地域の解消・・・7億3412万円
接道してない敷地の不燃化建て替えに向けた検討と専門家派遣
☆災害時の情報の収集と共有の体制強化・・・2億6748万円
本庁舎等整備に伴う防災情報システムの構築、
SNS上の情報収集システムの拡充
☆特殊詐欺被害防止に向けた取り組み・・・1億4312万円
ATMコーナーでの携帯電話抑制装置の設置
(6)都市づくり・・・171億7690万円
☆京王線沿線街づくり・・・4億2209万円
千歳烏山駅前広場南側地区市街地再開発準備組合への助成
☆マンション管理の適正化事業・・・2986万円
管理適正化推進計画検討のための実態調査
(7)その他・・・425億595万円
☆DXの推進・・・12億7147万円
キャッシュレス決済導入、町会・自治会活動へのオンライン導入支援、
安心すこやかセンターのオンライン環境整備、高齢者向けスマホ教室、
まちづくりセンターでのオンライン相談モデル実施、電子申請の拡充、
講座振替登録のオンライン受付開始、LINEによる情報提供の拡充、
庁内データの相互利用と政策活用など。
☆ふるさと納税対策・・・2558万円
世田谷らしい寄付文化の醸成に向けた情報発信の強化
「令和4年度一般会計予算案」について 上島区議のコメント:
様々な新しい取り組みを進めていくことは必要なことであり、よい取り組みも含まれている。
しかし、事業を興こし予算を付ければいいというものでなく、その事業の目的は何で、課題解決に今何が一番必要かを現場の視点で厳しく見ること、関係者の協力で工夫を重ねることが必要である。
今後、厳しい社会経済状況を迎えることも考えられる中、区民に施す予算から、区全体を育てる予算にしていこうとする意思が感じられない。
素晴らしい施策も潤沢な財政があってこそ。今さえ良ければというのでなく、将来に渡って区民生活を真に支えられる区政運営にシフトしていく時期ではなかろうか。――審議はこれからですが、現状では懸念を感じます。
概要②
「令和3年度補正予算案(第8次)」について
1 補正予算について
一般的に予算とは当初予算のことを指しています。
まず当初予算とは、年度始めの4月前、前年度中(概ね3月下旬)に議会で可決され成立する1年間の予算です。それに対し補正予算は、年度途中にどうしても当初描いていた通りに事業が進まなかったり、新たな変化に対応するため急遽事業を興す必要が生じるなど、支出が発生して予算を上乗せしたり、事業が進まず使うことができないため削減したりするといった予算の訂正です。
予算は議会で議決した内容で使われていかなければなりません。
「流用」という手段を用いられる事もしばしばありますが、予算成立時の説明と明らかに違う使い方はあってはならないので、補正予算を組みあらためて議会に説明し了承を得るという手続きをとります。
2 補正額
補正額計・・・174億円(一般会計=143億円、特別会計= 31億円)
一般会計の主な変動
歳入(1)区民税 +104億円
(2)特別区交付金 +115億円
(3)基金取り崩し △ 68億円
(4)起債 △ 75億円
(5)その他 + 69億円
歳出(1)新型コロナウィルス感染症対策費 + 7億5542万円
(2)その他の事業費の補正 △ 24億7090万円
(3)公共事業の前倒し + 31億 996万円
(4)国・都への償還金 + 23億5020万円
(5)特別会計への拠出金 △ 3億 833万円
(6)基金への積み立て +109億2606万円
年度をまたがる執行(繰越明許費補正)
(1)公共事業前倒し 27億6614万円
(2)その他の繰越事業 10億8889万円
「抗原定性検査キット配布事業」について上島区議のコメント:
歳出の(1)「新型コロナウイルス感染症対策経費」の経費の約半分の約4億円が「抗原定性検査キット配布事業」に当てられています。
既に実施されていますが、予算の審議はこれから。
議会には実施直前に情報が入り、急遽実施されたもの。
現場での混乱や事業中断などで、多くの区民から苦言を頂いています。
医療機関をはじめ多くの関係者に影響を与えてしまったことも反省しなければなりません。
緊急事態とはいえ、十分な準備をし、しっかりした体制で実施しなければ、かえって混乱を生み、事態を悪化させる可能性があることが教訓になったと思います。
概要③
「新基本計画策定」について
1 目的
区の基本計画は区政運営の基本指針となるもので、区のあり方(20年間)を示した基本構想(平成25年策定)の下に策定される、あらゆる区の計画の大本となる区の最上位計画です。
特にこの間、 新型コロナウイルス感染症の影響や、気候変動、 SDGs、DXの推進など、社会状況の大きな変化を捉えて、10年後に区が目指す将来像を明らかにしながら、令和6年度を初年度とする新たな基本計画を策定するというもの。
2 検討体制
【世田谷区基本計画審議会】
・様々な分野における 専門的な知見や区民の視点などを集めるため、基本計 画審議会を設置する予定(→議案⑪ 世田谷区基本計画審議会条例案)。
・メンバー構成は、有識者(民間事業者、NPO等含む)、(仮 称)区民検討会議の代表、全15人程度。
・審議会を公開で実施するとともに、オンラインによる傍聴や傍聴者からの意見提出な どについても検討する。
【(仮 称)区民検討会議を設置】
・区民主体の様々な立場からの視点 を審議会の議論に取り入れていくため、(仮 称)区民検討会議を設置する予定。
・公募および無作為抽出により、年代や地域を考慮して選出した区民30人程度により、 ワークショップ形式による議論を複数回実施予定。
・ワークショップによりとりまとめた意見を、基本計画審議会の出席メンバーである代表を通じ審議会の議論に反映する。
3 その他
・基本計画策定の機運醸成を図るため、シンポジウムや区内5地域でのタウンミーティングを開催し区民意見を取り入れていく。
・区と関わりのある団体や区民、事業者、各種審議会など、様々な区の関係者から意見募集(SNSを活用したアンケート等)を行い、審議会での議論へ反映する。
・デジタル技術を活用した新たな参加と協働について、調査・研究を進め、 基本計画策定の過程において試行実施するなど、デジタル・デモクラシーの深化を 図る。
3 今後のスケジュール
令和4年 2月 基本計画審議会条例案の議会へ提出
7月 (仮称)区民検討会議設置
9月 審議会設置(諮問)
9月 ~ 検討状況を議会の各委員会へ報告
令和5年 3月 答申
5月 基本計画(骨子)を議会の各委員会へ報告
9月 基本計画(素案)を議会の各委員会へ報告
パブリックコメント実施
令和6年 2月 基本計画(案)を議会の各委員会へ報告
「新基本計画策定」について 上島区議のコメント:
区民参加を標榜し、会議や対話の場が幾重にも広げられる。
区役所としての主体性が表されない中、様々な仕組みを用意しただけで、全体のガバナンスについて十分な検討がなされていないように感じる。
区政にとって大切な時期。多くの会議内容を十分に活かし、推進力を持つ計画にまとめる見通しを持っているのだろうか?―― 非常に難しく思える。
むすびに
区民の皆さんはもちろん、他区の自治体職員や議会関係者の皆さんにも読んでいただくことを前提にまとめたつもりですが、、、。
次はもっと分かりやすく、また分量を少なくし、―― もっと焦点を絞った内容にしていきたいと思います。
今後の改善に向けて、ご意見などお寄せ頂けたらありがたいです。