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クリミナル・マインド シーズン1 第17話の備忘録

今回は「マンハッタンの処刑人」です。

夜遅くにお客さんを乗せ、人気のない場所に送り届けたのですが、無言で降りた黒フードの男に撃たれてしまいます…

妄想性殺人犯

ニューヨークマンハッタンで連続殺人が起きたとして、FBIに協力要請が入ります。

被害者 “ウォルター・ダービン” 52歳男性、タクシー内で殺害されており、その手口は、

・胸を撃たれてる(死因はナイフ)
・耳にナイフを突き刺されてる(脳に達してる)
・目隠しをされてる(良心から視線を恐れた?)

3週間前にも同じような手口で殺害されています。

被疑者 “レイチェル・ホールマン” 24歳女性、自宅のアパートで遺体が見つかってます。

その2週間後には被害者 “カヴェ・サラーニ” 30歳男性、アトリエで遺体が見つかってます。

被害者の年齢や性別、人種などに特徴は見られませんが、殺害手口は一緒です。

被害者 “ウォルター・ダービン”の殺害現場近くには、数ヶ月前からある空きビルがあり、深夜遅くまで電車も通ってる場所でした。

犯人は事前に現場を下見しており、目撃されない場所で殺害しています。

被疑者 “レイチェル・ホールマン” のアパートでは、撃たれた血痕の跡とナイフで刺された血痕の跡から、家の中で撃たれており玄関に向かって逃げようとしてるところをナイフで刺されています。

犯人はなぜナイフにこだわるのか?またどの被害者もナイフの柄が折られてます。(わざと?)

被害者に目隠しするのはどんな意図があるのでしょうか?

正義を振りかざす殺人犯

またしても次の殺人事件が起きてしまいます。

被害者 “ブルーマン神父” 男性、教会の中で雑用係の人が発見します。

事件前に信者が来ており、犯人らしき人物を見たとのこと。

年齢は60代くらいの女性で、犯人は黒フードを被っており、指がピアノを引いてるかのように動いてたと言います。

犯人は人前でも犯行を行うようになり、大胆になってきてます。(自信がついてきた?)

また、誰でも無作為に殺してるわけではなく、標的を決めてることもわかります。(その場にいた女性は殺されてない)

リードは凶器に使われてるナイフに注目し、「フリント(火打石)」でできたものだとわかります。

古代エジプトでは「守りと天罰の象徴」とされており、犯人は被害者に罰を与えてるのかもしれません。

ギデオンは被害者の目隠しに注目し、血の付着が内側にしか付いてないことも発見します。

つまり、犯人は被害者の視線が怖かったのではなく、殺害後に目隠ししてるということです。(目隠しして殺害すれば外側も血で汚れるはず)

これまでの被害者の犯罪歴を調べると、

“ウォルター・ダービン” 52歳男性
暴力亭主にもかかわらず、不起訴処分で罪に問われてない。

“レイチェル・ホールマン” 24歳女性
彼氏にヘロインを注射しており、致死量にもかかわらず無罪になってる。

“カヴェ・サラーニ” 30歳男性
運転の過失致死を起こしてるが無罪になってる。

“ブルーマン神父” 男性
子供に性的虐待をしたとされますが、裁判で無罪になってる。

やはり被害者は皆、過去に犯罪を犯しておきながらも罪に問われていない人達でした。

殺害後に目隠しをするのは「正義の女神」を意味し、自分は正義を下す処刑人を妄想してることがわかります。

殺人犯への称賛の声

ここまでのプロファイル

・刑事司法界に勤めてる
・激務の割りには評価の低い仕事
・普段は控えめで小柄な白人男性

犯行時間がいつも夜だったため定職に勤めており、被害者の犯罪歴に詳しく「正義の女神」を象徴させてたことから、弁護士や検事など、刑事司法界にいると人物だと推測してます。

また、犯人は先に銃で相手を無力化し、フリントナイフで天罰を与え、最後に目隠しと、この大袈裟で芝居じみた手口は小心者の特徴です。

普段はおとなしく存在感のないタイプによく見られ、自分の自尊心を補うための表れなんだと。

おそらく本人か家族も犠牲者で、罪を免れてる犯人に対して強い恨みを持ってる考えられます。

なので未解決殺人事件の被害者で、司法界に勤めてる人物から容疑者を探していきます。

次の被害者の連絡が入り、名前は “ショーン・クーリー” 男性、路上で殺害されてるのを発見されます。

警官2名殺害してるのに唯一の目撃者が何者かに射殺されてしまい、無罪となってました。

新聞紙にも「路上の正義」と、まるで犯人を英雄扱いにしています。

FBIは、毎回警察を出し抜く記者 “ランス・ワグナー”( 40歳くらいの男性)に目をつけ、聞き込みをします。

どの被害者のことも詳しく熟知しており、ワグナーに非公表の写真(遺体)を見せます。

ギデオンが「君ならなぜ耳を刺す?」と尋ねると、容疑者扱いされたことに怒りを表します。

「犯人はメディアと接触したがるはずなのにそれがない。でも犯人が記者なら別だ。君は犯人をヒーローに仕立て上げた」、するとワグナーは「どういう理屈だ、自分が部下を死なせたからって誰でも人殺し扱いか?」とギデオンに罵声を浴びせます。

リアクションの様子を見てギデオンは「君は人を殺せない。全てが擬似体験で実体験がない。この事件がやり直す最後のチャンスなんだろ?君は記事を書くだけだ」と言い、どうやらワグナー記者はシロのようです。

犯人の頭の中に入り込む

モーガンから新情報が飛んできます。

裁判中にトラブルがなかったか公判記録を調べると、タクシー運転手のものがまだないことがわかりました。

速記者文書が出来上がるまでは3〜6ヶ月かかるため、まだ公にはされておらず、その詳細を知れるのは法廷内にいたものだけとなります。

あの時教会で目撃した女性は、「指がピアノを引いてるかのように動いてた」と言ってたのは、速記表のタイプ打ちのせいかもしれません。(証言を記録する人)

被害者達の裁判で担当した速記者を調べると、毎回 “マーヴィン・ドイル” という男だと判明します。

過去に両親を強盗で亡くしており、このストレス要因が動機にも繋がったと考えられます。

自宅を訪ねるとドイルの姿はありません。。

部屋の窓には防音ガラスが貼られており、テレビとラジオのスピーカーも外されていました。

犯人が脳まで達するように耳から刺すのは、何か音に苦しめられてたのかもしれません。

自宅からフリントナイフが100本以上も見つかり、犯人は次の標的を殺しに行ってると知ります。

しかし、家の中にある速記表の数は膨大な量で、急いで次の標的を見つけないと被害者を救えません。

ギデオンは「犯人の頭の中に入って止めるしかないぞ」と言い、メンバー全員で捜索します。

ポイントは、

・被告が無罪になってるもの
・エスカレートしてるから凶悪犯罪のもの
・昔の事件で引っかかるもの(強迫神経症は見直す)
・相手の肉声が書かれてるもの(個人的恨みを抱きやすい)
・「犠牲」「慈悲」など自分の罪を認めない言葉を使ってる

そこで見つかったのが “テッド・エルモア” 黒人男性、虐待を理由に両親を殺して正当防衛を訴えてます。

ギデオンは「両親を亡くしてるドイルには親殺しを許せないはず」と、テッドに連絡先に電話をかけます。

出たのはテッドの奥さんで、話してる最中に発砲の音で電話が途切れてしまいます。

FBIはテッドの自宅へ向かい、ホッチナーとギデオンが中に入ると、テッドは人質にされていました。

ギデオンはドイルを説得しようとしますが、「こいつを殺さないと声が鳴り止まない」と抵抗します。

それでもギデオンは「俺に銃を渡せ、そうすれば必ず君を安らげる場所へ連れて行くから」と、最後まであきらめずに説得を試みます。

ドイルは弱ってるテッドを手離し、おとなしく投降しようとしますが、再び銃を向けてしまいホッチナーに撃たれて死亡します。

彼に聞こえてた声は、ようやく鳴り止みました…

【豆知識】実在モデル“バーナード・ゲッツ”

・80年代のニューヨークの地下鉄は治安最悪
・ギャング集団のたまり場だった
・恐喝、強盗、強姦が日常茶飯事
・地下鉄でギャング団がゲッツに絡んでくる
・ゲッツは4人のギャングを一人ずつ発砲
・冷静な状態でその場を去る

細身の体型で弱々しいゲッツをいいカモと思ったギャング団が、ナイフをチラつかせて金を出せと脅してきます。「ああ、いいよ。みんなで分けなさい」と懐から銃と取り出して、ギャング団に一発ずつ発砲していきます。平然とその場を去り、残された他の乗客はあまりの出来事に呆然状態でした。

その後、自ら出頭してきますが彼を擁護する声も多く、わずが「禁固1年だけ」という異例の判決で済んでおります。

映画「Joker」の中で、この事件をモチーフにしたと見られるシーンが確認できますので、気になる方は見てみてください。ジョーカーが地下鉄で絡まれるとこです。

偉人達の名言

「殺人は人の命を奪うものだ、だから社会は被害者に代わって償いを求めるか許しを与えるべきだ」
ウィスタン・ヒュー・オーデン

命を奪われた者は罰を与えることも許すこともできないんで、代わりに僕たちが被害者側の立場、視点から代弁してあげるべきだよねって話です。でないと、亡くなった被害者や家族が報われません。その境界線を越えてしまうと今回のような殺人犯になってしまうんで注意ですね。

「心の中の暴力性は抑えるな、無気力を隠して非暴力を装うよりはいい。その一方で暴力は反対だ、暴力がもたらす善は一時的なもの、暴力がもたらす悪は永遠だ」
ガンジー

裏で陰口や誹謗中傷、いじめに走るくらいならどこかで鬱憤をはらしたほうがいい。だけど、暴力で晴らすのはいい方法ではない。暴力で得られる快感は一時的なものに対して、受けた側の心の傷は一生癒えることはありません。

生きてれば必ず嫌な体験をしてしまうもの。そうなった時は自分の感情を切り離すテクニックが必要になってきます。自分に言われたこと、自分に起きたこととは考えず、自分が操ってるこの身体に起きたことなんだと、客観視できるテクニックです。

例えば、瞑想や認知行動療法のように、今の感情をひたすら書いていったり、そんな自分にどうアドバイスしてあげるか考えたりすると、冷静さを取り戻す助けになってくれるはずです。

全て当てはまったら注意かも

☑️物静かで嫌なものを見すぎた振る舞い
☑️神経質で存在感が薄いが周囲のことは気にする
☑️犯罪の被害にあってて最近その話をしない
☑️善悪の意識が高く刑事司法界に勤めてる
☑️強迫性障害を抱えており被害妄想が強い

強迫性障害といったら「名探偵モンク」が思いつきます。とにかくなんでも整ってないとだめなんで、バラバラに置いてある物とか「無駄」だとわかっていながらも整えずにはいられない病気です。

ドイルは悪党ばかり標的にしてたので、ギデオンはその「良心」に期待して説得を試しましたがやはりだめでした。精神の病気を抱えてる者を説得するのは難しいということです。

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