クリミナル・マインド シーズン1 第19話の備忘録
今回は「メキシコの猟奇犯」です。
メキシコの「アレンデ・デル・ソル」という人口2万人の土地で、猟奇殺人が起きたようです。
連続熟女キラー
被害者 “ルーペ・トレホ” 62歳女性、自宅で顔と胸と性器を何度も刺して殺してます。
この2年で同じく年配の女性が11人も殺されており、町では「連続殺人犯がいるのでは?」と噂が立っていました。
政府はそれを否定するためにFBIに確認させ、噂を消すために協力を要請してきます。
FBIメンバーは現場の指揮官 “ナヴァーロ” 警部と合流し、殺害現場に案内してもらいます。
遺体は寝室で発見され、凶器は台所に置かれたナイフを使用されてます。(その場の凶器を使用してるから無秩序型?わざと?)
ドアをこじ開けられた様子もありませんでした。(被害者が犯人を家の中に招いた?)
客間には飲み物の入ったコップが2つ置かれてます。(1つは犯人に出したもの?)
その飲み物は「タマリンド水」という甘い水で、メキシコでは女性の飲み物という認識があります。メキシコの男性の場合、祭りの日は葉巻とテキーラにビールが普通とされます。(犯人は女性か?)
コップの指紋には被害者ともう一人のものが検出されましたが、特定は不能でした。また、唾液から調べたDNA検査では、もう一人のものは「男性」と特定します。(男がタマリンド水??被害者には女性に見えた?)
犯行時間は夜のミサ(神に祈りをする時間)の間だったため、目撃者がいません。しかし、事件前に家族の揉め事は周囲に目撃されてます。
部屋の中には家族(夫婦と娘)の写真が置いてあるのに、息子の写真だけ引き出しの中にしまわれてます。(息子を恥じてる?)
遺体が身につけてた物は盗まれてませんが、娘の宝石は盗んでます。(よく知る人物で気がとがめた?盗んだのは戦利品のため?)
遺体の刺し方には性的殺人の特徴が表れており、道具で挿入してることから犯人は性的不能の男と推測できます。
女性の真の恐ろしさ
事件当初は家庭問題による犯行だと、被害者の息子 “ミゲール” が疑われてましたが、のちに彼は “ゲイ” であると判明し犯人の線は消えました。
事件から3日後にまた殺人事件が起きます。(加速してる)
被害者”イサベル・サンティアゴ” 67歳女性、殺害手口も一緒です。
被害者の身につけてネックレスが奪われており、遺体から盗んだのは今回が初めてです。(罪悪感に慣れた?)
殺害現場に来てた娘さんに話を伺うと、「そのネックレスは母が自分にプレゼントしてくれたもので、祭りの日だけ貸してた」と言います。(2件とも盗んだ物は被害者の娘の所有物)
連続殺人犯は段階的に犯行レベルを上げてく傾向があります。
なので強姦殺人する前の段階では、軽い性的犯罪をどこかで必ずしてるはずです。
例えば、のぞきや下着泥棒、レイプ
FBIはメディアを利用し、レイプ被害に遭った女性達の情報を集めます。
女性達の心に訴えるには「力強く・丁重に」に言うことが大切で、とにかく女性達を傷つける犯人を必ず捕まえたいという意思を表明すること。
JJ は会見だけでなく、直接聞き込みに行くことも重要だと言います。
すると、会見を見た女性から連絡が入り、犯人の特徴を伺います。
レイプ未遂の被害者 “ミラグロス” 若い女性、「後ろから抱きつかれて襲われたから、振り返って引っ掻いてやった。そいつはドレスを着てて“醜いババァ!!”って大笑いしたら、ビビって逃げて行ったよ」とのこと。
その事件は2年前の8月の出来事で、最初の殺人事件はその翌月の9月です。
おそらくこの女性がきっかけで性的不能となり、若い女性では失敗するため年配の女性を襲うようになったと考えられます。
その後、ミラグロスは同じ相手にレイプされたとして、6人の若い女性達を連れてきました。(女性同士では話し合っていた)
道で歩いてるところ背中にナイフを突きつけ、砂漠に連れていき、終わると「どうだった?」と聞いてきたと言います。
それを聞いてギデオンは「力の再確認型だ」と言います。
自分に自信がなく、内気で運動も苦手、被害者を恋人だと思い込み、抵抗されればとどまるタイプです。
レイプ被害に遭った女性4人は同じ職場だったため、職場に犯人がいないかFBIが確かめにいきます。
女性を敵に回した末路
向かった先は「服の製造工場」、とても厳しい男勝りの女性が社長で、ここには50人以上も男性が働いてると言います。
プロファイル35~50歳に絞っても30人以上います。
過去に性犯罪歴があるものは1人おり、売春婦を殴って捕まってました。
しかし、この犯人は自信がなく喧嘩する度胸もないタイプなので該当しません。
女性社長に「力強さに欠け自信がなく、いつも社長の機嫌を取ろうと必死な男性社員はいませんか? “どうでした” とよく言う人です」と尋ねると、「 “ヴァルガス” のことだ」と容疑者が浮上します。
4日前から休暇に入っており、被害者 “ルーペ・トレホ” が殺された日と一致します。
FBIはヴァルガスの自宅に突入し、ソファに座ってる年配女性を発見します。
駆け寄ると、すでに亡くなってるヴァルガスの母の遺体(ミイラ化)と、その遺体には被害者の自宅から盗んだ宝石などが置かれてました。
しかし、当の本人がいません。(次の標的に向かってる?)
FBIは署に戻り、次の標的を探して犯人の先回りをする作戦にでます。
ボードにこれまでの被害者の名前と生年月日を貼り出し、そこから「ある規則性」を発見します。
この犯人はレイプ被害者の母親を襲っており、被害にあってる順通りに犯行に及んでるのがわかりました。
この順番からすると、最後のレイプ被害者(未遂だけど)ミラグロスの母親だということが判明します。
FBIも警察も総動員で現場に向かいます。
自宅に突入すると、すで部屋の中は荒らされていました。
奥へ進み、庭に出ると、すでに猟奇殺人犯は誰かの制裁を浴び、地面に倒れて瀕死状態でありました。
暗い庭奥からレイプ被害者達がずらずら現れ、手には血のついた凶器を持って投降してきます。
「女にしてやった!」と言葉を残し、逮捕されます。
しかし、サンチェス首席検事(女性)は、「家を守っただけ」と告訴せず、彼女達の罪を問うことはしませんでした。
【おまけ】ホッチの家庭危機?!
この日はホッチの誕生日で、自宅で誕生日パーティーをやってました。
妻ヘイリー・ホッチとその姉、赤ちゃんをあやすホッチと一家団欒の休日を過ごす予定でしたが、仕事の電話が入ってしまいます。
妻ヘイリーから「奥さんよ」と電話を渡され、戻ってきたホッチの表情を見て「行って」と言います。
ホッチは「2~3時間できっと戻って来れるよ」と言い、ヘイリーは「いいのよ、行って。みんな待ってる。怒ってないから」とキスをして、とても理解のある奥さんです。
「怒ってないって」と姉に伝えると、「それでもプロファイラー?」と厳しい一言を言われてしまいます。
ん〜、これはやばい傾向。
家族の休日に仕事の連絡は超危険です。
家族だけでなく本人にも「うつ病」「不安症」「幸福度の低下」といった悪影響が出てしまうようなので、気をつけたいところですね。
ヘイリーは平気な顔してましたが、僕には泣いてるようにしか見えませんでした。
【豆知識】実在モデル“チカチーロ”
・20世紀最大の連続殺人犯の1人
・1978年〜1990年にかけて50人以上殺害
・ロストフの殺し屋、赤い切り裂き魔と呼ばれてる
・殺人の要因は自身の性的不能によるもの
・男女問わずいろんなタイプを襲ってた
後に捕まり、あまりにも残虐な犯行から銃殺刑となってます。
偉人達の名言
「人生の始まりと終わりは家族と共にある」
アンソニー・ブラント
ルーペ・トレホの息子ミゲールは、自分は「ゲイ」と告白したため家族から追い出されていました。それでも家族のところへ戻ってきますが、叔父は受け入れようとしてくれまん。母と妹は心配しますが、文化がそれを許しませんでした。
このいざこざの後に母は殺され、容疑者としてミゲールが捕まってしまいますが、いざこざの理由が言えませんでした。ゲイとばれれば囚人に殺されてしまうからです。だから、叔父も妹も固く口を閉ざし、最後まで「ゲイ」とは言いませんでした。
家族を守るためなら墓まで秘密を持っていこうとする「義」に感動します。
「家の支えは地面ではなく、女性である」
メキシコのことわざ
女性の情報ネットワークはまさに脅威そのもの。だから、安心して家を任せられるのでしょう。そんな女性を敵に回せばどうなるかわかりますよね?
全て当てはまったら注意かも
☑️常に社会に対して強い劣等感を持ってる
☑️控えめで大人しくいじめられやすいタイプ
☑️性的不能というコンプレックスを抱えてる
☑️女性からも格下と思われてると感じる
☑️体が貧弱で若い女性にも歯が立たない
ギデオンは「悪は文化から生まれるのではなく、人から生まれる」と言っておりました。しかし、男は男らしさを求められる文化の抑圧も、要因になったのではないかと思いますね。自分の弱さや弱点を受け入れる心と、周囲の理解が必要なんだと感じました。