【クリミナル・マインド 9】奇妙な果実 – あらすじ
「宇宙は秘密を嫌う。
人を真実へ導くため、真実を明かそうとする」
作家 リザ・ウンガー
【感情のトリガー↓】
【謎】疑惑の家族
【ー】怒涛の尋問
【ー】足踏み状態
【ー】ロッシの罪
【哀】人生の崩壊
【謎】疑惑の家族
水道管が破裂したとのことで、工事が始められたのだが、なんと、そこの自宅の裏庭から白骨体が二体も発見された。検死報告によると、骨盤の大きさから二体とも女性だということが判明し、胸骨の硬さから年齢は三十代前半、一〇年前に撲殺されたものだろうと推測されたのだった。
裏庭を所有している住民は三五年前から住んでいた。
そこで、F B I は三人の親子を署に勾引し、事情聴取から真実をあばこうと奮闘する。
この家族は無実なのか——それとも……。
【ー】怒涛の尋問
見つかった白骨体の DNA から、ひとり、身元が判明した。
メアリーアンという綺麗なブロンド女性。一〇年前に失踪していたという。そして、彼女は息子とおなじ高校の同級生でもあったのだ。
しかし、かたくなに知らないと息子のライルはシラをとおす。彼れの部屋から、彼女と写ってる写真が出てきたというのに。
そこで、事実を知ったジェイジェイと新部長——マテオ・クルーズによる、怒涛の糾弾が炸裂するのだった。
【ー】足踏み状態
裏庭からまた一体、白骨体がみつかった。 F B I は息子——ライルの犯行を疑っていたのだが、三体目の被害者は男であった。それも三五年前の。まだライルが五歳のときである。
次に目をつけたのはライルの父親——チャールズだった。か弱い奥さんが撲殺で男性を殺すとも思えないし、被害者の性器を切り取るような人物とも思えない。犯人は父親で決まりだ。この確信は揺るぎないものであった。
が、ライルのときみたいに知らぬ存ぜぬを通そうとする父親のチャールズ。決して自分がやったとは認めなかったのである。
母親——ティナにも夫の過去をたずねてみるが、私たちは何もやってないとの一点張り。だが、涙を浮かべながら語るティナの様子に、ホッチナーは何かを感じとった。
家族以外の行動が背景にあるのではないか——と。
【ー】ロッシの罪
三五年前に殺害された三体目の男性、そして、一〇年前に殺害された二体の女性、被害者たちにはある共通点があった。『浄化』という運動を行なっていた“ K K K ”グループに所属していたのだ。
ただし、二体の女性は身代わりだった。すでに他界して、この世にはいない父親の。
なかなか口を割ろうとしないチャールズに、ロッシは意を決して自分の過ちを語りだす。自己開示することで相手に揺さぶりをかけ、真実を吐かせようとしたのだ。
その過ちとは、黒人に対しての酷いいじめを行なっていたことだった。やらなきゃ、自分がいじめの的になる。中学生のロッシにはまだ力もなく、高学年の先輩にさからえる勇気もなかった。
そして、ある黒人の少年をロッカーに閉じ込めて……。
【哀】人生の崩壊
F B I は“ K K K ”のメンバーを徹底的に調べあげ、一人の女性に行きついた。
メンバーの一人の義理の姉——オードリーという白人女性。
彼女は三五年前、ガンにより死亡していたのだった。オードリーは死ぬ前に、罪の告白をチャールズに送っている。
それは、とても残酷な告白であった。
チャールズは高校時代、“ K K K ”のメンバー、一学年下の六人の男たちによって集団暴行を受けていた。暗い人気のない野原に連れていかれ、彼れはロープで木に吊りさげられた。男たちのひとりが断ち切りバサミをとりだすと、吊るされた彼れの性器を切りとったのだ。
すべてはオードリーの一言が原因だった。
門限に遅れてしまったのは、
同級生のチャールズにレイプされたせい……
彼女のついた嘘によって、この陰惨な悲劇は起きてしまった。そして、チャールズを別人に変えてしまう引き金にもなったのだ。
復讐の化身という、恐ろしいソシオパスに……。
息子のライルは知らない。自分は父親のほんとうの子ではないということに。でも、五歳のときに目撃してる、父の怒りは受け継いでしまった。妻も子も、すでに人生が壊されてしまっているのだ。
ロッシはその秘密を守ってやるという条件で、まだ発見されてない残りの遺体を聞き出すのだった。
【感想】
今回の「奇妙な果実」とは「隠れた真実」のことでありましたね。ん〜、哀しい終わりかた、そして、退屈……。
事後を探るよりも、いっそ、当時の復讐劇をみせて欲しかったですのぉ。
犯人の抱く殺意、復讐を果たしていく快感——
次を期待しましょう。