見えない価値と当たり前という目隠し
先日、北陸三県を回りました。この旅で二つの絶対に忘れられない体験がありました。それは、あるメディアの本社にある静謐な中庭と、壮大な富山の立山連峰です。
この中庭は一見するとただの庭園に見えますが、実は兼六園より古い歴史を秘めています。その静けさ、おとなしさ、風の音、木々の音、水の音は、訪れた人々に何とも言えない感動を与えます。また、この庭園には一般の観光客は訪れられないため、普通の庭園とは異なる落ち着いた雰囲気が広がっています。
この庭園内には、以前は刀蔵として使われていた陶芸工房も佇んでいます。そこでは、私は初めての陶芸体験を楽しむことができました。窓や柵に残る歴史を感じながら、土と対話する時間は、とても集中し、頭がスッキリする感覚に包まれました。
次に、富山へ行きました。目の前に広がったのは、立山連峰の壮大な景色。白山も美しいですが、立山連峰はそれとは違う何とも言えない感動を与えてくれました。初日には写真が撮れなかったので2回目訪れた時に写真に収めようと思いましたが、連峰はいつでも見られるものではないと知り、残念な気持ちになりました。それでも、肉眼で見たその景色は、写真以上に強烈な印象を残しました。
この二つの体験から、私たちは「当たり前すぎて気がつかない」美しさや価値に気づくことができました。私たちの開発チームでは、農家の未使用資源を活用してスキンケア製品を開発していますが、農家を訪れてみると、その地にはたくさんの隠れた宝が存在していました。その価値に気づくためには、実際に訪れ、体感することが重要だと思います。
「百聞は一見にしかず」。この言葉は本当にその通りだと思います。現在、私たちは大学生と共に次の製品開発に取り組んでいます。彼らには、日々の生活の中で当たり前とされるものから疑問を感じ、新たな課題を見つけて解決し、未来を創造していく体験をして欲しいと思っています。それこそが、見えない素晴らしさに気づき、未来を作る大切な一歩だと思っています