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英国流離譚:人生を変えた留学:日本留学準備編(14)留学を目指した人たち・2「高卒の人たち」
(2000年5月頃)
ブリティッシュカウンシル・BUPSコースで英国留学を目指した人たち。
2回目は「高卒の人たち」。
高卒ですぐ海外の大学へ行く。。。
わたしからすれば、当時想像を絶する世界だった。
それが、この小規模のBUPSコースだけで、5人くらいいたのだ。時代は変わったものだと思ったものである。
わたしは1人、高卒でアメリカへ渡り、アメリカの大学を卒業した親友がいた。「旧かみぽこぽこ」では、
かわぽこさん
として登場していた人である。
かわぽこというのは変わった男で、なんと中学校の頃、
「世界征服をしたい」
とし、それにはアメリカの権力中枢へ入ることだと考えた。
そして、日本人では大統領にはなれないが、市民権を得れば国務長官にはなれると調べた。そして市民権を得るには、アメリカの軍隊に入ることだと。
嫌な中学生だよねえ。。。(苦笑)
だから高校を卒業して、アメリカの大学に入ったのだと。
かわぽこの夢は徐々に現実的になり、最終的にはわたしと同じ商社に入ったわけだ。まあ、当時としてはこれくらいの変人でやっといけるところだったということだ。海外の大学というのは。
のちに、我が家の独裁者・カミさんが、このかわぽこと同時期に同じような道を歩んでいたことを知ることになるのだが。。。。
それがBUPSコースで留学を目指す高卒の子達というのは、ごくごく普通に見える子達だった。
そのうちわたしのクラスメートとなったのはY子とH子。
Y子は大学で歴史を勉強したいと希望する、ギャルっぽい感じの子だった。
H子は大人びていて、一見高卒には絶対見えない。24-5歳でブティックの店員をしていそうな感じだ。大学でファッションを学びたいという。
この子達にどうして英国の大学に行きたくなったのかと聞いたら、
Y子は「映画『エリザベス』とか観て、英国の歴史に興味を持ったから」
H子は「姉が留学したり、ニューヨークでファッション関係の仕事をしているいとこがいたりして、海外に行くのは我が家では特別なことじゃない」
ということだった。
いずれにせよ、この子達にかわぽこのような狂気は感じられない。
また、別のクラス(わたしのクラスよりレベルの高いクラス)には、Aくんといって、高校中退して、大検に合格して、英国の大学を目指す子がいた。
英語が非常に上手で、一見ものすごく元気がいい子なのだが、その元気も内面のいろいろな思いを隠すものだったのだろう。
海外の大学を高卒で目指すことが特別なことでなくなったこと。いろんな人生の選択ができる世の中になりつつあることで、若者を少しうらやましく思ったものだった。