こどもの本棚から 『よこながきしゃぽっぽ』

  だれかが一緒だと長い昼寝をするので、最近は私もこどもと一緒によく昼寝をする。たいがいこどもが私より先に目覚めて『よこながきしゃぽっぽ』を読み始める。この絵本はパタパタと蛇腹状に広げられる製本で、広げると汽車のシルエットのダイカットになっている。扉やクレーンにところどころ動かせる仕掛けがあり、描写が細かく動物の顔が変だったりして可愛い。古本屋で見つけたお気に入りだ。いつもなかなか目覚めない私の上にびろ〜んと広げて圧力をかけてくる。

  青山のパンオスリールのオンラインで買った食パンがきのう届いたのを夜のあいだ浸けておいて、フレンチトーストを焼いた。酵母のにおいなのか、パンオスリールのパンはパンオスリールのお店のにおいがして安心する。無糖のヨーグルトをかける。おとなのごはんは炊き込みごはんの予定だったけれど、具材が足りなかったから豚汁に変更したら温かくておいしかった。午後は最近料理ブームのこどもと料理ごっこ。本当の道具や食材を触るのがたのしいらしい。夜に少し刺繍をして、Netflixで『ザ・シェフ・ショー』を夫婦で観て、ワインを飲む。みんなが寝たのでラジオを聴きながら、本を読もうか悩んで、結局これを書いて眠るところ。

  きょうは自分なりには全然スイッチの入らないダメな態度がこどもにも呆れられている感じだったのだけれど、振り返ってみるとそれなりにドラマチックでわりと笑った。私がすきな「特になにも起きない映画」はこんな日なのかもしれない。