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甘える彼とドライな私

11日に恋人と会って、バレンタインチョコを渡したという記事を書いた。

チョコは渡した。私のバレンタインはもうそこで終わっていた。


14日。バレンタイン当日。

私は一日中家にいた。
外出を控えるように内定先から言われているし、やらなくてはいけない課題もあるし、なにより私の大好きな井上苑子ちゃんのオンラインライブが夕方からあったから。

私の恋人はアルバイトをしていた。
2月14日が誕生日のバイト先の先輩と、バイト上がりにお酒を飲みに行ったらしい。コロナ対策が万全なお店を探して、ビールを4杯飲んだ後、ワインを男3人で2本。
お酒は好きだけど強くはない彼には多い。十分酔っぱらっていた。

彼は電車に乗って、私にLINEをしてきた。
一人で帰ってるんだけど、起きていられる自信がないから助けて、と。
私はLINEに付き合いながら、寝落ちしてそうなタイミングで電話をかけてバイブレーション機能で彼を起こした。

無事に彼は最寄り駅についた。
ただでさえ足の遅い彼は本来10分で着く家路を30分かけて私と電話しながら帰った。

家に着いても、彼は電話を切ろうとしなかった。
まだまだ酔いが醒めていないらしい。切りたくない、まだ話してたいと言う彼。
家着いたなら切るよ、と私が言っても、嫌だと言ってなかなか切ろうとしてくれなかった。


2月は私が忙しい。
大学の卒業に向けて卒論を書かなくてはいけないし、内定先の入社前研修が1週間にわたって開催されるし、とにかく時間がない。

だから、次に彼に会えるのは3週間先。こんなに会えない日々が続くのは付き合って初めて。

普段なら、仕方ないよ、研修も卒論も頑張ってねと言う彼が、この日は寂しい、悲しい、会いたいのオンパレードだった。


…ちょっと書いてて自分でも恥ずかしい。


甘えてくる彼とは裏腹、私はかなりドライな対応をした。
うん、そうだねー、会えないねー、3週間先だね。というと彼は寂しそうな子犬のような声で悲しんでる様子だった。

なんか甘えられると冷たく返したくなるんですが。私がおかしい?


思い返してほしい。これはバレンタイン当日の話。
世の中のカップルは今日、恋人にチョコレートを渡して二人の時間を楽しんでいることだろう。それなのに私たちは一緒に居ない。

彼は飲みに行ったとき先輩に言われたらしい。「今日バレンタインだけどいいの?」「彼女、ドライだねー、サバサバだねー」と。


私にとってすでにバレンタインは終わった出来事だった。チョコ渡したし。

バレンタインなのに会わないし、会えないことを寂しがりもしない私は、彼にちょっと悲しい思いをさせてしまったかもといまさら少し案じた。



彼のことは好きだし、その思いは変わってない。
でも付き合いたてではなくなった今、気持ちや熱が落ち着いてきたのも事実。だからこそある意味、ドライな対応こそ私の本質というか本性で、これこそが私の素なんだと思う。

こんな私でも好きでいてくれるなら彼のことを大事にしなくちゃ罰当たりだなって、ふとそんなことを考えた15日の昼。


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