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【全てを見極めよ】都市伝説解体センター1話に残る疑問/考察【天眼錠】


序文

 まずこの記事はアドベンチャーゲーム、「都市伝説解体センター」の考察記事です。情報の齟齬によって意図せずゲームの楽しみを損なう、所謂ネタバレが発生する可能性があります。ご注意ください。

 ゲームをクリアし、とある作業も兼ねて2周目を進めていたのですが、第1話の完成度の高さには舌を巻くものがありますね……!そう感じた理由は細々とした疑問に解答を得られたからなのですが、作中の解体シーンではあくまで、都市伝説「ベッドの下の男」にまつわる謎を取り扱っていたので、すっきりしないまま話が進んでいると思いませんか?
 私の最初のゲームプレイの際は、結構情報が抜け落ちてしまっていて、結局血を撒いたのは誰なんだっけ?とか、美桜ちゃんには「ベッドの下の男」の怪異が取り憑いてしまったの?とか思っていた記憶があります。

 各話には解体されていない謎がある。そう思わずにはいられません。
そこで……戻れ!!天眼錠(アイ・オープナー)!!
BGM:29. Truth(Urban Myth Dissolution Center Original Soundtrack)
 第1話に残されたままの謎を挙げ、考察していきます。
残された大きな疑問点は4つあります。
1つ、美桜が自宅の外で出会った「ベッドの下の男」とは誰?
1つ、美桜が血を自宅に撒いた理由は何?
1つ、栄子の家に血を撒いたのは誰?
1つ、美桜が栄子の家に侵入した手段は何?

疑問:美桜が自宅の外で出会った「ベッドの下の男」とは誰?

 軽くストーリーをおさらいしましょう。
 調査1日目、ベッドの下の男が美桜の前に現れる。 目的は美桜を怖がらせること。美桜はあえなく気絶するが、すぐに意識が戻り、男が栄子と繋がっていることを知る。
 調査2日目、あざみがベッドの下を家具で塞いだため男は出てこないはず。それでも不安は拭えないため、美桜は外に栄子を迎えに行く……。

 この後に美桜が「ベッドの下の男」と出会う描写がありますが、嘘の描写でしょう。根拠として、解体後の栄子と男のやり取りを挙げます。男はベッドの下が塞がれていたため慌てて屋根裏に戻った、血を撒く時間はありません。この際に棚から落ちた本、床側の面は血で汚れていないことが作中で分かります。つまり男が屋根裏に戻った後に血は撒かれたのです。
 以上から、「ベッドの下の男」は外に存在しない。美桜の目撃証言は嘘であると言えます。ただし美桜が外に出たのは本当でしょう。外には血が置いてあったのかもしれないですね。

疑問:美桜が血を自宅に撒いた理由は何?

 美桜の部屋に血を撒いたのは美桜自身。これはひとつめの疑問でも言及していますね。「ベッドの下の男」には不可能なため、美桜の犯行です。

 ではその理由は何でしょうか?

 美桜はSAMEZIMA管理人と繋がっていたことが第6話で明かされています。推測ですが「ベッドの下の男」に会って気絶した後、栄子への信頼を裏切られた美桜は例の手紙を読んだのではないでしょうか。そこには具体的な復讐計画が書かれていたのです。そしてSAMEZIMA管理人の手紙の通りに、美桜は自宅に血を撒いた。美桜の部屋の惨状は、栄子としても想定していない事態でしょう。美桜が「ベッドの下の男」を恐れ、栄子の部屋へ移動するための口実と、この口実を栄子が受け入れる理由を同時に生み出す。

 これが、美桜が血を自宅に撒いた理由ではないでしょうか。

疑問:栄子の家に血を撒いたのは誰?

 消去法と状況証拠になりますが、これは美桜でしょう。

 根拠1、栄子が自宅に血を撒くことは、彼女の目的と合致しません。
栄子は、美桜に対して自分が住む高級なマンションへの転居を勧めていました。セキュリティ水準の高さを理由にです。ところが血が撒かれてしまっては元の木阿弥。美桜にとって危険な場所に逆戻りです。

 根拠2、栄子の部屋に血が撒かれた現場を調べるタイミングより、血を撒いている人物と、栄子の近くに立っている男は別人である可能性が示唆されています。血を撒いている人物は何かを探しているように見える、男の方はガッチリしているなどがその例です。初回ゲームプレイ時は、「あざみがベッドの下に潜って男を回避した件」と「栄子の部屋が汚された件」が立て続けに起こったため、男は2人いるのだと納得していました。ところが1話を最後まで読んでもそのような描写はないと気付きます。男が1人とすると、あざみが美桜の部屋にて屋根裏から出てくる男を目撃しているため、栄子の部屋に血を撒くことができたのは美桜だけとなります。

 血を撒くタイミングは、栄子と美桜が食事に出かける前、美桜が忘れ物を取りに栄子の部屋へ戻ったという証言がありましたのでここでしょう。

疑問:美桜が栄子の家に侵入した手段は何?

 多くの人が戸惑った描写ではないでしょうか。美桜が「ベッドの下の男」の力を手に入れて、復讐せんと栄子の前に現れた。美桜自身の発言にも「不思議な力が湧いてきた」とあるし、超常的な力が美桜に宿ったように見えてもおかしくない場面ですね。しかし、美桜は栄子の部屋に血を撒いている。

 つまり1度は合鍵を入手しているはず。合鍵を複製、あるいは予備の鍵を栄子の部屋で探し出したのです。SAMEZIMA管理人が凄腕のハッカーであることは作中で言及されましたが、凄腕の鍵師だという話はありませんでしたね。推測に過ぎませんが、予備の鍵説が有力ではないでしょうか。幸いこの説を裏付けるように、あざみは血が撒かれる前にも栄子の部屋に入っていますし、その際に侵入方法を確保したとみるのが妥当かと考えます。

 ちなみに、美桜が栄子の部屋に先回りしていた理由については時系列が明かされていないので不問として良いでしょう。部屋に血を撒いたことには、部屋から追い出す目的も含まれていたでしょうし、合鍵が変更されるまでなら侵入は容易だったのではないでしょうか。

後付け

 以上が、都市伝説解体センター全6話に加えて、2周目もざっと目を通した私の考察という名の答え合わせ的サムシングです。ここまで読んでくださった諸兄諸姉がいたらば感謝します。考察部分はセンター長を意識して文章を書いていたので序文のキャラ付けをすっかり忘れました。

 さて、せっかく長々と考察を続けたので仕上げもやっておきましょうか。


全てが解き明かされる


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