伊坂幸太郎著「チルドレン」レトリーバー
読みました。
前章の「チルドレン」がなぜ思ったほど楽しめなかったのか、自分なりにわかってきたかもです。
この小説は5章から成っていて、5章すべてを読むと繋がる仕組みになっているみたいです。
昔なら驚いて、「楽しい!」ってなったのでしょうが、この手の小説を今まで何回も読んだことがあるので、新鮮味に欠けてしまったのかもしれません。
それなりにミステリを読んできたので、ロジカルなネタとかも慣れてきてて。
歳ですね。
感動が薄くなってきているのかもしれないです。
そういうのを差し引いたら、とても面白い内容ですね。
予想外の展開は起こりますし。
歳のいったお笑いの人が漫才を観て、笑わないのは、慣れたり以前観たパターンだな、ってなるからなのかなぁ、なんて思いました。
そのときそのときに、読み手が求めているものと内容が違うと、面白いものも面白いと気づけないのかもしれませんね。
ちょっとこれから先怖いです。
まあ、経験してないことなんて、星の数ほどあるんだから、今から「感動を味わえないんじゃ…」なんて滑稽かもしれませんけどね。
話は小説に戻って。
全章で出てくるであろう陣内という男なんですが、どうも演劇サークルをやっていたときにいた人に突飛な行動をする点が似てて、あまり感情移入できないです。
ちょっとその知り合いが、生理的に受け付けなかった人なんですよね…。
んー、陣内は”なぜか憎めない”人物なので、そこは違うのですが、いかんせん、それなりの人生経験と自分の個性を持ってしまうと、苦手なものも出てきてしまいます。
北村薫さんという作家はトマトがダメらしく、それでも小説を書いていられるのだから、一般人の自分は、まあ、しょうがないか、と思いました。