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【過去エッセイ】餃子の王将のバイトは3K?いやいや5Kです。
今回も、過去エッセイを書いていく。
一度、過去の思い出を綴ると、芋づる式に懐かしい思い出が蘇ってくるもんですな。
今回のテーマは、「餃子の王将のバイト」である。
私のアルバイト経歴は、下記の記事にチラッと書いてある。
「餃子の王将」のアルバイトは、なんか嫌だな~という人と何人か出会ったことがある。
理由は、「3K」だからだそうだ。(きつい・汚い・危険の頭文字)
7年間アルバイトをしていた私が言う
「5K」だ。きつい・汚い・危険・臭い・厳しい
(汚いと臭いはセットかもしれないが)
そんな5Kにまつわるエピソードを披露していこうと思う。
今回も例によって、長いです。
少しでもクスッとしてもらえれば幸いです。
ではいこう。
アルバイトの面接
私がアルバイトを始めたのは、高校1年生の時
たまたま通学路で見かけた、店舗前の貼り紙がきっかけだ。
何の気なしに電話をかけた。別に頻繁に行くくらい好きとかでもなかった。
当時の店長は、履歴書だけ持ってきて面接しようと言ってくれて
その週の土曜日に面接へ行った。
今でも鮮明に覚えている。
失礼します。9時からの面接できました。Kamikyoです。
え?どこで面接したかって?
開店前の仕込み中の店舗の中ですよ。
18番の4人席に座らされた。
おはよう!!とりあえず履歴書見せてくれる?
豪快な人だなと感じた。
面接は5分で終わった。即採用。来週から来てくれと。
初アルバイトなので、そんなもんなのかと当時は思っていたが
世間では、「後日改めて連絡します。」は不採用に近いらしい。
そして、面接が終わって店を出ようとした時に
あ~、それと俺は明日で最後やから
君が来る時は別の店長になってるし!!
引継ぎはしとくから大丈夫よ!!!
はぁ~、、、それ冒頭で言ってもよかったくね?
その時の店長さんとは、その後の長いバイト生活でチョコチョコ顔を会わせるくらいだった。
本人も当時のことは覚えているみたいだった。
そして、週明けから7年間に及ぶバイト生活がスタートするのだった。
・きつい
まずは、「きつい」から。
どんな仕事であってもバイトでも、きついのはつきもの。体力的にも精神的にも
なので、特別王将がしんどいということはないと思っている。
そんな中でも、これはきついやろ、と思ったエピソードがある。
まだ、高校生だった私は厨房内で働いていた。
バイトにも慣れてきた頃で、ほとんどの業務を覚えていた。
米を炊く業務がある。
白米と炒飯用の2種類を2つの炊飯器で炊いている。
基本、常に炊き上がって保温してあり、別の炊飯器の米が減ってきたら足しに行く。そして、また新たに炊飯する。
ここらで勘のいい人は察するだろう。
そうだ。私は炊飯スイッチと保温スイッチを押し間違えたのだ。
他の調理が立て込んでいたのは言い訳になるが、残り僅かな米と炊けていない米の事実は揺るがない。
こういう時って本当にフリーズしてしまう。
店長に伝える。
急いで、炊飯をし直して、近所のなか卯に走る。
白米をあるだけ買い占めさせてもらう。
あるあるな事件ながらも、当事者になるとパニックに陥るものだ。
1人の青年が大量の白米を持って、街を走り抜ける姿はさぞ、滑稽だっただろう。
・汚い
次に、「汚い」
これも飲食店なら割と当てはまる気がする。
営業終了後に、毎日「グリスト」と呼ばれる
汚水の溜まり場みたいな所を掃除する。
これが、油や料理のカスが集められて酷く汚い。
閉店後の締め作業になるので、大学生になった私もその業務をできるようになった。
そんな頃のエピソードである。
その日も23時に閉店し、締め作業にかかっていた。
基本の流れは、調理場と洗い場の清掃が終わってから、グリストの掃除をする。
溜まり場なので、最後にする。
私はグリストの眠る鉄板を持ち上げて横に置き、作業をしていた。
そんな時に同学年のアルバイトの女の子がホールから喋りかけてくる。
たわいもない話だ。
私は、顔をあげて会話をした。
この時、グリストの蓋は開いている。
その子とは会話をしながらも、他の締め作業をしていた。
この時、グリストの蓋は開いている。
その会話の中で、「スマブラ」の話をしていた時だった
こないだ友達とスマブラしてたらな、落とし穴にハマるアイテム当てられてな、ぶっ飛ばされてん。
もうちょっとで勝てそうやったのに。
なんて、会話をしていた。と次の瞬間。
ひと段落したので、違う締め作業をしようとした私は、落ちた。落とし穴に
グリストに落ちた。
太ももくらいまで浸かった。
響き渡る笑い声、心配して駆け寄る写真社員。
どれもこれもが恥ずかしくて虚しかった。
着替えのない私は、新しい制服をもらい、汚れたズボンをゴミ箱へぶち込んだ。
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・危険
次に、「危険」
特段、危険と思われる作業はなさそうだが、
ここでも締め作業が魔の手を差し伸べてくる。
大学3回生の夏の日の締め作業中のエピソードである。
その日は台風が接近していた。
関西圏もしっかり暴風域に入っており、朝から客足が少なかった。
店長の判断で、従業員も早めに家に帰るようにと、昼ごろに店を閉めた。
ただ当然、締め作業はして帰るので、そそくさと進める。
皆さん、実は餃子の鉄板って裏面の焦げも毎日掃除してるんですよ。
30㎏はある鉄板を左手で持ち上げて、右手にブラシ・シャワーで清掃していた。
目の前で鍋とコンロを洗う社員さんと会話をしていた。
夏休みは何すんの?どっか行くの?またもたわいもない話
適当に会話しながら、私は鉄板を降ろそうとした。
持ち上げる時は逆手で握る、降ろす時は順手で握る。
あろうことか会話に集中していたのか、左手だけで順手にしようとした。
バァンッッッ!
鉄板が落ちて鳴り響く。
左手は間一髪逃げた。
右手に持つシャワーが挟まれて木っ端微塵。
そして右手の親指が間に合わなかった。折れた。
親指が左に90度折れた笑
社員さんが速攻で病院へ連れていってくれたが、
土曜日だったので、整形外科の先生が不在。応急処置のみ施された。
その年の夏は右親指に全てを持っていかれた気がした。
その後、病院へはめんどくさくて行かず。自力完治
今でも右親指は微妙に曲がっている笑
生活に支障は全くないので良し。
・臭い
次は、「臭い」
先ほどの「汚い」であったグリストも充分に臭い部類なのだが
それを凌駕する匂いが王将には存在する。
それは「餃子」である。
大学生になった私は、有難いことに仕事ぶりが認められ
ほぼ全ての業務を任された。
そんな中でも、王将の命ともいえる「餃子焼き」をメインにしていた。
手前味噌にはなるが、近辺では有名な餃子焼き師だった。
私の焼いた餃子を食べに来てくれる常連さんもいた。
加えて、業務スピードが異常なので、餃子を焼きながらレジ打ちもしていた。
そんな餃子だが、CMで謳われるように、1日で100万個は伊達じゃない。
1店舗で4000個近く売れる。(1人前6個)
ピーク時になると常に鉄板で10人前焼き続ける。
そんなことを4年間も続けていると、鼻がバグるのだ。
餃子の焼いた時の匂いが服や体に染みつく。
ただ、バイトをしている間は気づかない。気づけない。
いつ気づいたかというと、社会人1年目。
クローゼットの衣類整理をしている時に制服を見つけた。
というか、衣装ケースを開けた瞬間、餃子臭すぎて見つけた。
捨てた。衣装ケースごと捨てた。
どんなに毎日洗濯をしていても、匂いは取れていなかった。
第三者的な目線で嗅いだ私は、当時の自分がどれほどまでに臭かったのか
考えると、ゾッとする。
・厳しい
最後に、「厳しい」
これも、働いている人の性格によりそうだが
王将の場合はちょっと違う視点で厳しい。
もちろん、社員さんは熱血な社訓を叩き込まれているので暑苦しい。
忙しくなればなるほど、テンションが上がり、意味不明なことを言い出す。
「い~らっしゃいまっせ~ぃ!!!」
なぁ、Kamikyo
俺はな、忙しくなればなるほど、強くなるねん。
闘い好きの戦闘民族、サイヤ人やねん!!
私の戦闘力は、53万ですよ!
「は~い!ありがとうございまっした~!!!」
フリーザ様やん。サイヤ人ちゃうし。
で、何が厳しいかというと、「王将用語」である。
けっこう知られてきている王将用語
オーダーを通す時の料理名などが有名だ。
例)焼き餃子→コーテル
炒飯→ソーハン
1234→イー、リャン、サン、スー
持ち帰り→ナーホ
バイト始め立ては、まずこの用語を覚える。
ほとんどの料理が王将用語になっている。
※物好きな方のために
例2)唐揚げ→エンザーキー
野菜炒め→ソーパイサイ
肉と卵の煎り付け→ムーシーロー
ラーメン→ヤナギ
焼きそば→ソーメン
で、本題に戻る
あるバイト始め立てのホールの女の子がいた。
めちゃくちゃ真面目に一生懸命働いている。
ただ、まだオーダーを通せるほど用語を覚えていない。
その日は、クソ忙しかった。
ホールのバイトは全員が満身創痍。
見かねたその子は、自分で取ったオーダーを通そうとチャレンジする。
頑張れ、こっち側はなんとなく察するし、普通に読んでくれても伝わる。
そう私は思っていた。餃子の数さえわかれば良い。
その子は、必死に通した。うろ覚えの用語も思い出しながら
合格点やろ。と思って餃子を焼き始めると、店長が言う
あかん。
通す順番がめちゃくちゃや。やり直し
いや、厳しすぎるやろ!笑
この状況を鑑みても、充分頑張った方やろと思った。
その子は、耐えきれなくなり更衣室で泣いていた。
先輩の女の子が慰めていた。
実は、オーダーにも通す順番がある。
餃子は何があっても先頭。
次に、数の多い順
数が同じなら、マニュアルのメニュー順
白米とかドリンクは言わない
みたいにクソ細かいルールがある。
だとしても、店長の発言は厳しすぎるやろと思った。
幸い、店長とは仲が良かったので、
あんな言い方したら、そら泣きますよ。
辞めてしまってもおかしくないです。
と伝え、店長は反省して謝りに行っていた。
過去最長記録を更新したが、ここまで読んでくれた方
ありがとうございました。
おしまい。
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