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【フランス生活】トイレの水漏れ修理について【タンク内の水漏れ、止水栓の水漏れ】

7月からワーキングホリデービザでパリに滞在している筆者ですが、アパルトマンに住み始めてからトイレからのチョロチョロ音が気になるという問題がありました。
この記事ではその問題をきっかけに家とホームセンターを往復しまくった日々を振り返っていきたいと思います。

大前提として、パリは古い建物が多くトイレに限らず水漏れが発生しやすいです。日本だと大家さんに相談したり、業者さんを呼んですぐ対処できますが、フランスでは自分で直すのが主流だそうです。確かにホームセンターに行ったときも、日本だと業者風のおっちゃんが多い印象があるのに対し、パリだと老若男女様々な方がお買い物に来ていました
「郷に入っては郷に従え」ということで、私も修理にトライすることにしました。


チョロチョロ音の原因

タンクを開ける

日本でもトイレの修理をしたことなどなかったのですが、とりあえず原因を探るためタンクを開けてみることに。しかし普通にタンクのフタを上にあげてようとしても開く気配がありません。
そこでまずはYouTubeでトイレ修理の動画を視聴しまくることに。
ちなみに、フランス語で水漏れはfuite d`eauなので、「toilette, fuite d`eau、réparation」とかで調べるといっぱい動画がでてきました。

おすすめの動画は、ノンバーバルで分かりやすかった下の動画です。この動画のおかげで、タンクを開けるためにはまず流すボタンを回す必要があることが分かりました。かなり硬くて苦労しましたが、なんとかタンクを開けることに成功しました。


原因はゴムの劣化

タンクを開けると下の写真のようになっていました。水がたまると浮きが水位とともに上昇し、給水装置からの水の供給がストップする仕組みのようです。根本的な仕組みは日本と一緒ですね。

奥の部品が浮き付きの給水装置、手前が水洗装置

フランスのトイレの仕組みは、こちらのサイトが分かりやすいです。

まずは動画にしたがって、トイレの止水栓を締め、部品を取り外してみます。
すると水洗装置の下の方のゴムがボロボロになっていました。まさにこれがチョロチョロ音の原因だったのです。

黒いゴムがボロボロになっていた

部品を買いに行く

原因が分かったので、水洗装置の新たな部品をホームセンターに買いに行くことにしました。給水装置の部品もだいぶ劣化していたので、2つとも交換することにしました。

ホームセンターはフランスの全国チェーン「castorama」に行きました。パリ市内の店舗でしたが、地下階もあり品揃えはとても充実しています。店員もフレンドリーで、このあと詳述しますが何度も返品に応じてくれました
地下階を探すとすぐに部品が見つかりました。しかも2点セット!

求めていた2点セット


中身はこんな感じ

早速家に帰り、部品の交換をしてみました。順調に進み、いざ止水栓を開けてみると……あれ?

赤丸ジョイント箇所から水がこぼれてしまった

なぜか止水栓のジョイント部分から水漏れが発生してしまいました。どうやら給水装置の部品と止水栓をつなぐ際にナットを強く締めすぎて、止水栓の緩んではいけない部分が緩んでしまったようです。
さらにいじっていると悲劇が……

取れてはいけないところが取れた感がすごかった

完全に止水栓の部品が取れてしまいました。ジョイント部分を回してつなごうとしても、ねじがバカになったのか永久に回り続けます。これを妻に報告すると激怒、大家さんに依頼するので今後トイレについて何もしないでほしいといわれてしまいました……さすがに何も言い返せませんでした。

大家さんと業者へ連絡するものの……

妻に大家さんへのメールを送ってもらったものの、ここはフランス、そのメールへ返事は2か月たった現在もきていません(よりにもよって大家さんは海外在住らしく、電話もつながりません)。そこで筆者がネットで見つけた業者に見積依頼してみたものの、こちらも返事がありませんでした。やはりこの国でバカンス中にトラブルを起こすものではありません。
そのあと長期旅行が重なったこともあり、しばらく我が家のトイレは風呂場のシャワーを使って手動でタンクに水を入れるという、なんとも原始的な使い方をする羽目になってしまいました。

シャワーでタンクに直接給水 めんどくさい

試行錯誤の日々

何もするなと言われたものの、このまま原始的なトイレ生活を続けるわけにはいかず、ひそかに水漏れ対策グッズをcastoramaで仕入れてトライしてみることにしました。
防水テープ、お湯であっためると溶けて自由な形にできるマジックプラスチック、揉むと柔らかくなってしばらく放置すると固くなるやつ、等々いろいろ試しましたが、どれも水漏れを完全に止めることはできませんでした。

温めると溶けるマジックプラスチック
物自体は面白かった
モミモミすると柔らかくなって放置すると固まるやつ
使用済パッケージです🙇

やはり止水栓のジョイント部分は、水道の水圧がかかってくるので付け焼刃の措置では効果がなかったようです。

一見良さそうだが水圧には耐えられなかった

かすかな希望?

ある日ネットの海をさまよっていると、同じように止水栓のジョイント部分が外れ、それを修理したらしきフランス在住日本人の方のブログを見つけました。そのブログによると、ジョイント部分のパッキンの劣化が原因だったとのこと。そこでおなじみcastoramaへ。パッキンのサイズがいろいろあったので、とりあえず家で測ってフィットしそうなものを複数購入しました。しかし……

いろいろ買ってみた

どのパッキンもサイズが合いませんでした。失意のもとcastoramaへ戻り店員さんに相談すると、快く返金対応してくれました(こんなことがあるのでお買い物するときは必ずレシートをもらっておきましょう)。
パッキンのサイズが合わなかったことも相談すると「そうなったら止水栓の部品を全部交換するしかないね!」とのこと。買うべき部品も教えてもらい、かすかな希望が見えてきました。

いざ止水栓交換

止水栓を交換するために、再度YouTubeの力を借りました。トイレの止水栓は、フランス語でrobinet des toilettesらしいので、「robinet des toilettes changer」で検索したら、たくさん動画が出てきました。この修理もフランスあるあるなんでしょうね。
参考にした動画の一つがこちらです。

基本的な流れとしては、
・まず家の水道の止水栓を締める
・部品交換
という感じです。

各パートで苦労がありました。

家の水道の止水栓はどこだ

家の水道を止める止水栓の場所がわからない。これが最初の大きな問題でした。ネットで調べると、洗面台の下やバスタブの下、洗濯機の裏などにある場合が多いので水道管をたどって頑張ってみつけよう!とのこと。キッチンや浴室をゴソゴソすること1時間、ようやく見つけました。

このフタの中にあった

まさかこんなところにあるとは…… 赤いレバーをひねり、ついに断水に成功しました。

フタの中はこんな感じでした

古い部品外れない問題

最初の修理のとき、古いトイレの止水栓部品と新たに買った給水装置の部品を繋ぐためのナットをきつく締めてしまっておりました。今思えばこれがトイレの止水栓を破壊してしまった原因なのですが……

赤丸の部分がどうしても取れなかった

そのせいで、タンクから古い部品を取り外せませんでした。潤滑油スプレーを買ったり、ライターで加熱してみたり、いろいろ試しましたが、まったくとれる気配がありません。
そこで最終手段として、下の写真の赤丸部分を焼き切ってしまうことにしました。

止水栓は交換できたものの古い部品が取れずに困っていた

有害なガスが出るので換気をしっかりして、トイレのタンクも水で満タンにしておきました。

焼き切った後の様子
よく燃えた

見事プラスチック部品を焼き切ることに成功しました。ところがこれは同時に、せっかく買った給水装置の部品の一部をぶっ壊してしまったことも意味します。買ったばかりの部品を燃やした切なさと終わりが見えてきた喜びを胸に、給水装置の部品を買いなおすべく、最後のcastoramaに向かいました。

涙の修理完了

castoramaから帰り、すぐに給水装置の取付作業をしました。これまでの試行錯誤のなかで工具も充実してきており、スムーズに作業が進みました。そしてついに、

交換完了!

緊張の止水栓オープンでしたが、水漏れはなし!ついに修理が完了しました。

まとめ

私の場合はかなり遠回りをしたのでトータルで100€くらいかけてしまいましたが、普通に部品交換だけならば工具込みで50€くらいでできると思います。
この記事がフランス暮らしでトイレの水漏れに困っている方の一助になれば幸いです。

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