一人でも怖くない|小規模組織でのデザイナーの取り組み
事業会社でデザイナーとして働くと言うと、一般的にはクリエイティブチームの中でアイデアを出し合う光景を思い浮かべるかもしれません。
しかし、自分が働いてきた環境ではデザイナーは『一人』だけ。
制作会社時代も周りはほぼグラフィックデザイナー、Web/Appのデザイナーは自分だけという同じような状況でした。
今回は、組織の中で一人デザイナーとして働く事について書いていこうと思います。
そもそも一人で大丈夫なのか
結論、大丈夫です。
デザインのスキルアップについて相談できる相手はいませんが、その分スキルアップにおける『自走力』が鍛えられたのは間違いありません。また、デザイン以外のマーケティングスキルや事業理解も自然と深まり、デザイナーとしての視野が広がりました。
こちらの記事で詳しく書きましたが、マーケティングスキルや事業理解を深めると、立案→デザイン作成→実装と自分ひとりで一貫して実行できるので、施策スピードが圧倒的に上がり効果にも還元しやすくなります。
厳密に言うと、バックエンドが絡んできたりといった難しい開発はエンジニアさんに実装を依頼するケースもありますが、LPOなどの静的コンテンツを扱う施策の場合はほぼ一人で完結することができます。
大変じゃないのか?
これは、自分次第で大変じゃなくなります。
大切なのは
自身立案の施策のRM(ロードマップ)をしっかり決める事
いつ頃リリースしたいのか
リリース日から逆算し、各タスクにどれくらい時間を使うのか
何をいつまでに完了させるか
バッファ(余裕)を持たせてスケジューリングする
事業状況と周りで動いている施策を把握する事
こちら2点の調整次第で、業務が詰まって残業が発生したりなどはほぼ解決できると思います。
事業会社では、自身立案の施策を進捗させる中でも、市場や会社の状況により緊急のタスクが発生したり、他で動いている施策の中でデザイン作成が必要なタスクが発生し、クリエイティブ作成の依頼が来たりすることがよくあります。
そうなった場合に、タスクの優先度を加味し、自身の施策のスケジューリングを調整したり差し込み案件の期限を各ステークホルダーと調整したり、事前にしっかりタスクに対応する時間を確保しておくことが重要です。
デザインスキルアップは?
チーム内にデザインについて相談できる人・技術を教えてくれる人がいないと不安という人もたくさんいると思います。
これについて自分が思うのは
誰かに相談する・教えてもらうを前提に考えてる人
基本自力でスキルを習得しようとする人
1と2でどちらの人が成長スピードが速そうかという話です。
もちろん、相談できる環境があるのは理想的です。しかし、現実として全ての職場がそのような環境を提供してくれるわけではありません。相談できる人・教えてくれる人がいない場合、デザイナーとしての成長がそこで滞ってしまうと思います。
自力で学び続ける中で、他人のアイデアやスタイルに流されない「自分らしさ」が育まれることも感じました。チームでの仕事では周りの意見が刺激になる一方、自分の色が薄れるリスクもあります。しかし、一人デザイナーの場合、自分の意思決定が直接的に成果に結びつきます。
一人デザイナーという環境の中でデザインスキルを成長させるには、デザインやUIのトレンドのキャッチアップを常にしておくことも重要だと感じています。
こういったトレンドを自社のプロダクトにどうやってマッチさせていくかなどを試行錯誤しながら仕上げていくという方法を自分は行っていました。
トレンドはどんな要素で成り立っているのかを分解
その要素たちをを自社プロダクトのどこに適用できるか
こちらを反復することにより、デザインスキルを担保しています。
まとめ
デザイナーが少ない組織でも、無理無く働けてかつ成果も還元することは十分可能だというお話でした。
デザイナーは一人二人だが、完全に少数デザイナーのみで仕事を進めるわけではなく、ディレクターやPdM、マーケター、エンジニアなど周りのチームメンバーがたくさんいるので、そういった人たちと協業していくイメージです。
ただ、デザイナーの人員が多いことに越したことはないのも事実で、当然人員が増えれば自社プロダクトにおいて、デザイナーが関われる領域も増えていきます。
直近デザイナー採用を行ってみて感じたのが、少人数のデザイナー組織で働くことに不安を感じている方が結構多いということ。
そこでお伝えしたいのは、「少人数だからこそ得られる成長と充実感がある」ということです。確かに、大勢のデザイナー仲間がいる環境にはない課題もあります。しかし、その分、責任を持って施策を進めたり、デザイン以外の分野にも踏み込んで視野を広げるチャンスが豊富です。
一人や少人数の環境だからこそ培えるスキルや経験は、キャリア全体を通して大きな財産になります。そして、それをどう活かし、楽しむかは自分次第です。
もし今、「少人数でデザイナーとして働くのは難しいかも」と感じている方がいれば、視点を少し変えて、自分の可能性を広げる挑戦の場だと捉えてみてもらえると嬉しいです!