天使君はHSC
2015年8月 猛暑の夜、天使君と対面した。
既に高齢だった私にとっては最初で最後の出産だった。
生まれてきてくれて可愛くて、愛おしくて、幸福感でいっぱいだった。
産後の肥立ちが悪く、甲状腺も患い、体調は決してよいとは言えなかったが、それでも幼い息子との毎日は至福の日々だった。
私自身はHSS型HSPだが、息子も生まれた時から癇が強く、いわゆる敏感な子供だった。
例えば、夏祭りの花火の音にはギャン泣きしたし、児童館のプール遊びも嫌がった。
ほかの子供たちがキャッキャと楽しそうに遊んでいる中、息子は体をこわばらせて緊張している。その姿を見て、ため息が出た。
「HSP気質の私に似ちゃったかな…」
と罪悪感も覚えた。
息子の気質が気になり、地域の図書館で明橋大二医師の『HSCの子育てハッピーアドバイス』を借りて読んだところ、チェックリストには十中八九当てはまった。
おそらく息子はHSC(Highly Sensitive Child)なのだろう・・・
「ハァ・・・」とため息がでた。なぜなら、HSPもHSCも 生きづらさを感じやすい人種からだ。
「私に似ちゃってゴメンね。小さい頃は特に生きづらいけど、大人になって環境を整えれらるようになれば俄然生きやすくなるから、それまで一緒に頑張ろうね」
と心の中で呟いた。