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メイキング・上飯田の話〜助監督・福地リコの目線から👀〜

「上飯田…?どこそこ?」

地元沖縄でフラフラしていたわたしに助監督をしてくれないかと声をかけてくれたのは、大学の先輩であるたかはしそうた監督だった。上京できる!と喜んだのも束の間、降り立った街は上飯田という聞いたこともない街。おかしいな、横浜に呼ばれたはずでは…と思いながら駅から早歩きで20分もかかるメインロケ地に向かった。しかも撮影期間中、そこに1人滞在することになってしまった。

どうやら近くに商店街があるらしい。バナナの木があると聞いて少しだけ安心する。土地勘も無く不安な気持ちで下見がてら監督と挨拶に伺った。通り過ぎる人、会釈だけする人、歓迎の言葉を投げかける人、商店街の成り立ちを説明してくれる人。なるほど、特定の人や場所ではなく"街"を構成するあらゆる断片と上手くコミュニケーションを取らないと、撮れない映画なのかもしれない。それは映画にも文字通り映っていて、カメラは潜り込むような視線では無く、郷愁を誘うようなものでもなく、長回しのラストシーンのように限りなくゆるく並走するような、そんな印象を受けた。

この映画は、観終わった後しばらく経つと自分自身の暮らしている街にはどんな生活が溢れているのだろう?と気になってくる。けして覗き見ることのできない、他者のなんてことない話や短い時間たち。点々と存在するそれらに思いを馳せれることはとても幸福な時間だと感じる。


■映画『上飯田の話』予告編

■連日豪華ゲストにお越しいただきアフタートーク開催中です。

▶︎4/15(土) 監督&出演者の初日舞台挨拶
竹澤希里、本多正憲、吉田晴妃、黒田焦子、日下部一郎、生沼勇、荒川流

【上飯田と思い出話】
上飯田町という町の内側に入るために様々な試行錯誤を行った本作。ドキュメンタリーにも似た制作スタイルで、町民の方々との間に生まれたことや、予期せず撮れたことなど、撮影秘話を語ります。

▶︎4/16(日) 諏訪敦彦(映画監督)、深田隆之(映画監督)

【上飯田と誰かが必要としている映画の話】
諏訪監督の『風の電話』における広島・東北地方、深田監督作『ナナメのろうか』​の家、場所の固有性から生み出された映画は『上飯田の話』にも通じます。映画を作る上でのロケーションについて、そこで映画を作ることについて、話します。

▶︎4/17(月) 佐々木想(映画監督)、影山祐子(俳優)、廣田朋菜(俳優)

【上飯田と移動する記憶の話】
『上飯田の話』と同じく上飯田町で撮影された同監督の『移動する記憶装置展』に出演している3名によるトーク。共通しているのはロケ地だけでなく、現実にそのままいるかのような人の佇まいである。どんな演出だったのか体験を交えながらお話しします。

2020 いとうあさこ主演「鈴木さん」佐々木想監督や、俳優としてご活躍するお二人に、俳優への演出と場所性について伺います。(3名は俳優として同監督別作品に出演)

▶︎4/18(火) 短編併映『パパの腰は重い』

【上飯田ともう1つの上飯田の話】
『パパの腰は重い』はドキュメントとして撮られた8mmフィルムによって、フィクションが駆動していく。現在のたかはしそうたの「フィクションとドキュメンタリーの融合」の萌芽を感じる作品の上映と、その後のトーク。

▶︎4/19(水) 井口奈己(映画監督)

【上飯田とOKテイクの話】
井口監督作『人のセックスを笑うな』等で見られる長回しと『上飯田の話』は似ている。なぜ長回しが多いのか、監督するときのOKテイクとはどういうことなのか、具体的な映画制作の話をします。

▶︎4/20(木) 土田環(映画研究者)

【上飯田と"あの"シーンの話】
「いま、映画をつくるということ」(フィルムアート社)を始め多くの著書のある土田さんをお迎えして、本作の中で気になったシーンに具体的に何が映っているのかという視点から映画としての『上飯田の話』の魅力を探ります。

▶︎4/21(金) 杉田協士(映画監督)

【上飯田とこれからの映画についての話】
杉田監督作『ひかりの歌』『春原さんのうた』の現実がそのまま映っているかのような世界観は『上飯田の話』にも通づる。映画と現実、映画制作をラディカルに再構築する杉田監督と、これからの映画作りについて話します。

▶︎4/22(土) 筒井武文(映画監督)

【上飯田と2%の映画の話】
「映画には絶対見るべき2%と、見れたら見ればよい98%に分けられる。(中略)『上飯田の話』は、2%に含まれる」と筒井監督は評する。筒井監督作には『ホテルニュームーン』のような特別なロケ地の映画もある。2%の映画と、映画の場所性について話す。

▶︎4/23(日) 出演者:吉田さん、本多さん、生沼さん

【上飯田とそこにいる人たちの話】
劇中上飯田にいる人の役たちを交えて、撮影中のことや、今までの映画の感想などを踏まえてお話します。

▶︎4/24(月) 出演者:荒川さん、黒田さん、竹澤さん、日下部さん

【上飯田とやってくる人たちの話】
劇中上飯田の外からやってくる人の役たちを交えて、撮影中のことや、今までの映画の感想などを踏まえてお話します。

▶︎4/25(火) 三宅唱(映画監督)
【上飯田と気になる細部の話】
『ワイルドツアー』の主役3名の身のこなしや、『ケイコ目を澄まして』のボクシングジム、都市、生活、多様な環境音。こうした魅力的な細部、環境音を手がかりに『上飯田の話』との共通点を、日本映画の第三の黄金時代をリードする三宅監督と話します。

▶︎4/26(水) 佐々木敦(思考家)

【上飯田と批評の話】
『上飯田の話』は初の劇場公開で、初めて作品が言葉に触れる事になる。「映画よさようなら」といった映画批評を多く執筆している佐々木さんをお招きし、映画制作者と批評家との関係性や、批評家的視点から『上飯田の話』に接近していく。

▶︎4/27(木) 監督&出演者の舞台挨拶

【チケット】
オンラインは上映日前日AM 0:00~
劇場窓口は上映日前日AM 9:40~販売となります➡


#上飯田の話
#ポレポレ東中野

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